リース料の勘定科目と仕訳方法を契約の種類別に解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-27
- この記事の3つのポイント
- リース料とはリース契約を交わした際に支払う料金のことで、勘定科目を指す場合もある
- リース契約にはファイナンス・リース契約とオペレーティング・リース契約に分類される
- ファイナンス・リース契約は売買取引、オペレーティング・リース契約は賃貸借取引に準じて仕訳を行う
リース契約は契約種類によって勘定科目や仕訳方法が異なり、経理業務に携わる方が混同しやすいポイントの一つです。
そこで本記事では、リース料の種類や仕訳例を詳しく紹介します。リース料の仕訳方法にお悩みの方は、本記事の内容を今後の業務にぜひお役立てください。
リース料の勘定科目と仕訳方法を契約の種類別に解説
リース料とは?契約の種類について
リース料とはリース契約を交わした際に支払う料金のことで、勘定科目を指す場合もあります。
リース契約とはユーザー(企業側)の注文に応じてリース会社が物品を選定・購入し、長期間貸借する取引のことです。リース契約はファイナンス・リース契約とオペレーティング・リース契約の2つに分けられます。
リース契約は物品を一定期間借りるという点でレンタル契約と混同しやすいですが、貸借する物品の状態や期間、所有権、保守・修繕義務などが異なることに注意しましょう。
レンタルとリースの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:レンタル料の勘定科目と仕訳方法、リースとの違いを解説
ファイナンス・リース契約
ファイナンス・リース契約とは、対象の物品を実際に購入した場合とほぼ同様の実態をもつ契約のことです。以下に示す2つの条件を満たした場合は、ファイナンス・リース契約として会計処理を行います。
解約不能 | リース期間中は実質的に解約ができないリース契約のこと |
フルペイアウト | 物品の使用コストを実質的に負担するリース契約のこと |
オペレーティング・リース契約
ファイナンス・リース契約に該当しないリース契約はオペレーティング・リース契約に分類されます。
解約不能またはフルペイアウトのいずれかのみ満たしている、あるいはどちらの条件も該当しない場合はオペレーティング・リース契約で会計処理を行いましょう。
リース料の仕訳に使える主な勘定科目
リース料の仕訳には「リース料」または「リース負債」の勘定科目を使用します。
「リース料」はオペレーティング・リース契約に使用する勘定科目で、賃貸借取引に準じた会計処理を行います。またリース料は支払日を計上日として経費処理を行います。
「リース負債」は所有権移転ファイナンス・リース契約の際に使用し、売買取引に準じた会計処理を行います。リース契約締結時やリース料支払い時、決算時にそれぞれ仕訳が必要です。
ただし中小企業の場合は、所有権移転外ファイナンス・リース契約における賃貸借処理が認められているため、「リース料」の勘定科目で仕訳を行いましょう。
以下の記事では車を購入した場合の仕訳例を解説していますので、ぜひご参照ください。
契約種類別のリース料の仕訳例
ここからは、リース料の仕訳例を契約種類ごとに紹介します。具体的な仕訳方法を理解し、今後の経理業務にぜひお役立てください。
所有権移転ファイナンス・リース契約の場合
所有権移転ファイナンス・リース契約の場合は、売買取引に準じた仕訳を行います。
「リース資産額72万円・支払総額90万円・リース期間60カ月(60回払い)」のファイナンス・リース契約をした場合の仕訳例は、以下のとおりです。
〈リース契約締結時〉
借方 | 貸方 | ||
リース資産 | 720,000円 | リース負債 | 720,000円 |
〈リース料支払い時〉
借方 | 貸方 | ||
リース負債 | 12,000円 | 普通預金 | 15,000円 |
支払利息 | 3,000円 |
決算時は、リース資産に対する減価償却費の計上およびリース負債の短期または長期振替を行いましょう。
所有権移転外ファイナンス・リース契約の場合
所有権移転外ファイナンス・リース契約の場合、リース契約締結時およびリース料支払い時の仕訳方法は前項と原則同様です。
「リース資産額72万円・支払総額90万円・リース期間60カ月(60回払い)」の所有権移転外ファイナンス・リース契約をした場合は、以下のように仕訳を行いましょう。
〈リース契約締結時〉
借方 | 貸方 | ||
リース資産 | 720,000円 | リース負債 | 720,000円 |
〈リース料支払い時〉
借方 | 貸方 | ||
リース負債 | 12,000円 | 普通預金 | 15,000円 |
支払利息 | 3,000円 |
所有権移転外ファイナンス・リース契約は所有権がユーザーに移転せず、リース期間の終了と同時に物品を返却する契約方法です。リース期間を耐用年数とし、リース契約終了時に残存価額が0となるよう減価償却費を計算しましょう。
オペレーティング・リース契約の場合
オペレーティング・リース契約の場合は、賃貸借取引に準じた仕訳を行います。
たとえば「リース料10万円」のオペレーティング・リース契約をした場合の仕訳例は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 | ||
リース料 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
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リース契約はファイナンス・リース契約とオペレーティング・リース契約に大きく分類され、仕訳方法がそれぞれ異なります。仕訳を誤ると帳簿の信頼性が低下し、税務申告に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
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