請求書受領をツールで自動化する方法!導入メリットとツール選定のポイントを解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-07-21
日々の請求書処理を行う経理担当者は、請求書受領の作業を自動化して効率化を図りたいと考えている方が多くいるでしょう。
手作業での処理は負担が大きく、ミスが発生する可能性もあります。業務効率改善のためにも、近年は入力業務の自動化を推進する企業が増加傾向となっています。
本記事では、請求書の受領業務を自動化させる方法とメリットについて詳しく解説します。
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請求書受領をツールで自動化する方法!導入メリットとツール選定のポイントを解説
請求書受領の業務にまつわる課題
請求書における作業は大企業や中小企業など、規模に関わらず必ず行うべき業務となります。しかし、この請求書の受領業務には多くの課題が存在しています。ここでは、その中でも特に多くの企業が解決すべきと考えている課題についてご紹介します。
取引先ごとにフォーマットが異なる
取引先のシステムから出力された請求書は、その企業ごとにフォーマットのレイアウトや項目の場所などが異なります。そのため、手入力で会計システムに入力する際には1つ1つに気を配りながら行う必要があります。しかし、どうしてもミスを防ぐことは難しく、入力内容を誤ってしまうリスクが高くなります。
また、取引先によって項目の名称なども異なるため、これもまたミスを発生させてしまう要因となります。新人へ入力業務を指導する際にも、1つずつ詳しく解説しなければいけないなどの手間もあります。入力業務に慣れていても、絶対にミスを発生させないという事は非常に困難と言えるでしょう。
受領後の入力作業が面倒
請求書受領の業務で特に大きな課題とされているのが、受領後の入力作業が面倒で、時間も手間もかかるという点です。取引先ごとにフォーマットが異なればそれだけ集中力が必要となりますし、数多くの請求書を誤りのないように手入力でシステムへ入れて振り込みまで繋げる必要があります。
請求書は月末などの決まった時期に集中する傾向にあり、どうしてもこの入力作業が大きな負担となってしまいます。さらに、請求書受領の作業をしつつ通常業務も並行して進めなければいけないため、疲労も溜まりやすくなってしまいます。
手入力だと人的ミスが発生しやすい
電卓で請求金額を計算したり、手作業による会計システムへの入力を行う場合、どうしても人的ミスのリスクが高くなります。ミスを防止するために二重チェックなどを行っている企業もありますが、チェック作業が負担となり担当者に余計なストレスを与えモチベーションの低下に繋がってしまいます。
また、コア業務が圧迫されかねないため、影響を最小限に抑えた仕組みやチェック体制の工夫などが必要になります。
スキャンやファイリングが面倒
受領した請求書は、スキャンを行いデータとしての保存を行いつつ、原本もファイリングして適切にファイリングして保存しなければいけません。請求書受領の業務では、特にこのスキャンやファイリングが大きな手間となります。
正しく対応するために多くの時間がかかるのはもちろんですが、ファイリングしたものを保存するためのスペースを確保しなければいけないという事も負担となってしまいます。
請求書受領を自動化・効率化する方法
請求書受領を自動化・効率化する事により、業務にまつわる課題の多くを解決する事が可能となります。手間を省き請求書受領業務をさらにスムーズに行うことが出来るよう、ここで自動化・効率化するための方法を詳しく解説します。
承認プロセスの簡略化
請求書受け取りサービスに「ワークフローシステム」があれば、承認プロセスをスムーズに行うことが出来ます。ワークフローとは業務の流れを意味しており、請求書受領を行うための一連の作業や手続きを指します。
国内では、複雑な承認プロセスを導入しているという企業も少なくありません。承認可能となるステップ数、適用条件について改めて確認してください。
ペーパーレス化の推進
ペーパーレス化を図ることにより、「原本をファイリングして保存する」という手間を削除し、保管場所の確保も必要なくなります。しかし、単純に請求書を電子化すればいいという事ではありません。ペーパーレス化を行う際には、「電子帳簿保存法」「インボイス制度」など、電子化についての情報を正しく把握しておく必要があります。ペーパーレス化は特別な費用をかけることなく行うことが出来るというメリットもあるため、コストをかけずに自動化・効率化をすすめるためには特に重要な項目と言えます。
請求書受領代行サービスの活用
取引先から請求書を送ってもらうという事はこれまでと変わりありませんが、代行サービスを活用すると受領手続きや受領後のスキャン、データ化などの一連の流れを代理対応してくれます。そのため、自社で行うべき作業が削減され、請求書の受領処理に費やしていた時間を有効的に活用する事が出来るでしょう。
請求書の受領業務そのものを外部に委託し、自動的にデータ化したものを受け取ることが出来るため、効率的に業務遂行を行うことが可能となります。
請求受領支援ツールの活用
請求書受領支援ツールの代表格と言えば、「OCR」や「RPA」などがあります。
OCR(Optical Character Recognition) | 光学的文字認識機能。昨今のOCRツールは高い認識率を誇っており、様々なフォーマットの読み取りに活用できます。 |
RPA(Robotic Process Automation) | これまでは人が行ってきた定型業務の全般を自動化するためのツールです。受領した請求書データを自動的に自社のシステムへ入力する事ができます。 |
請求書受領支援ツールを用いることにより、大半の業務を自動化できます。また、代行サービスとは違い、即座に請求書を参照できるのも大きなポイントと言えるでしょう。
請求書受領をツールで自動化する効果やメリット
請求書受領の業務を自動化する事で、どのような効果があるのか、また、得られるメリットはどんなものなのかをご紹介します。
リモートで完結する
新型コロナウイルスの影響により、多くの企業で業務の体制が大きく変わってきました。現在はリモートワークを主流としている企業も増加傾向となっています。請求書受領を自動化する事で、ネット環境がある場所であれば自宅や外出先など、どこでも確認や作業を行えます。
請求書の発行やチェックの為だけに出社するという必要もなくなり、近年の働き方改革に適した新しい業務の方向性にも対応しやすくなるでしょう。
業務負担を軽減できる
請求書は月末など決められた時期に集中するものです。毎日対応に追われる担当者は残業や早出・休日出勤を余儀なくされているという事も少なくないでしょう。
請求書受領を自動化する事で、こうした担当者の負担を軽減させることが出来ます。煩雑な入力作業、確認、修正などに要していた時間を他業務に充てることが出来るようになるため、人材の効率的運用も図れます。
請求書受領の自動化ツール選定時のポイント
請求書受領を自動化するためのツールはいくつかありますが、自社に合ったツールを選ぶ際に気を付けるべきポイントが4つあります。
- 必要とする機能はあるか
- ツールの導入形態
- 導入費用
- サポート体制
必要とする機能があるか
自社が請求書受領を自動化するのはなぜなのか、目的を明確にしておきましょう。そうする事で自然に必要な機能が何なのかが見えてきます。
- 発行者名
- 請求書発行の日付
- 支払い期限
- 支払先銀行口座
- 請求金額
- 税額
上記のような金額の内訳や項目などは必須となりますが、場合によっては源泉徴収税、軽減税率なども必要という事もあるでしょう。さらに、請求書の明細を細かくデータ化できれば、品名で仕訳が可能となり、また、マスター情報との連携機能があれば電話番号から正確な会社名を表示するなども可能となります。
目視チェックで入力したものを学習する機能が搭載されていれば、更に手間を省くこととなるでしょう。自社にはどのような機能が必要なのか、逆に要らない機能についても把握し、無駄のないツール活用を行えるようにしましょう。
ツールの導入形態
ツール導入を行う場合、その導入形態にも注意が必要です。オンプレミス型は自社サーバでの管理が必須となります。また、クラウド型の場合は社外での運用となります。
導入費用
ツール導入を行う場合、その導入形態にも注意が必要です。オンプレミス型は自社サーバでの管理が必須となります。また、クラウド型の場合は社外での運用となります。
オンプレミス型は人数が多い企業や長期的な活用を検討している場合はマッチしていると言えますし、クラウド型は少人数や中規模企業での利用にオススメです。クラウド型の場合、ユーザー数毎の月額課金が主流です。利用者が大人数だったり長時間の使用が頻繁にあるという場合、かえって費用が高くつく事は珍しくありませんので、こういった部分においても見極める必要があります。
サポート体制
ツールの提供元のサポート体制も選定のポイントとして重要です。ツールを導入した初期は使い方にも慣れておらず、様々な問題やトラブルが発生する事もあるでしょう。こういった場合に素早い対応が出来るサポート体制が整っているかどうかにより、業務の効率化を更に高めることに繋がります。
もしもサポート体制が整っておらず、迅速な対応が期待できない場合、業務が滞り作業に遅れが生じてしまいます。スピーディで安心感のあるサポートが受けられるかどうか、しっかりと確認してください。
まとめ
請求書受領の自動化は、会社規模に関わらず、どのような企業でも業務効率を上げるための重要な項目と言えます。簡単に行えることではありませんが、上手く自動化を進めることで他業務にも時間を使う事が出来るようになります。
- ペーパーレス化の促進
- リモートワークへの対応
- 担当者の負担軽減
- 業務効率化の促進と担当者の負担軽減
正しい知識を収集することで、上記のようなメリットをより効果的に得られるようになります。本記事で紹介した内容について深く把握し、企業の更なる成長に貢献していけるようにしましょう。
監修 畠山謙人
2010年に公認会計士試験合格後、約10年間大手監査法人や事業会社で主に上場企業での財務経理業務に従事。現在は畠山謙人公認会計士事務所の代表及び税理士法人赤坂共同事務所のパートナーとして、税務顧問、スタートアップ支援、財務アドバイザリー等を行う。