前略の正しい使用方法は?草々との関係やビジネスで使用できる例文を解説

経理の担当経験が浅い方向けの「虎の巻」

経理担当に役立つエクセルの関数・ショートカット集と、多用される勘定科目の一覧を収録しています。ChatGPTで活用できるプロンプト集も付録。

前略の正しい使用方法は?草々との関係やビジネスで使用できる例文を解説

手紙や文書の書き出しで見かける「前略(ぜんりゃく)」という言葉について「なんとなく丁寧な表現ではない」というイメージをおもちの方もいるのではないでしょうか。 前略は、時候の挨拶などを省略するための頭語(とうご)であり、使用する相手やシーンを誤ると、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。特に、ビジネスシーンでは使用を避けるべきケースも多いでしょう。 本記事では「前略」の正確な意味と、セットで使われる「草々(そうそう)」との関係を解説します。加えて、前略を使ってもよい相手や、ビジネスで許容される具体的な例文をご紹介します。手紙や文書作成の参考にしてください。

1.前略の意味とは?

「前略」とは「前文を略す(省略する)」という意味をもつ頭語です。

手紙や正式な文書では、本文に入る前に「頭語(拝啓など)」「時候の挨拶」「相手の安否を尋ねる言葉」といった前文を添えるのが基本的なルールです。しかし、前略を使うことで、前文すべてを省略することが可能となります。

前文を省くということは「丁寧さ」よりも「迅速さ」や「用件を先に伝えること」を優先する姿勢を示す表現です。そのため、使用できる相手やシーンが限られてくるのが特徴です。

2.前略とセットで使用する草々の意味は?

「前略」で書き始めた手紙には、必ず「草々(そうそう)」という結語(けつご)をセットで使わなければなりません。

草々とは「取り急ぎ」や「略儀ながら」といった意味合いをもち「十分に丁寧に書けなかったけれど、これで結びとさせていただきます」というニュアンスを含んでいます。

前文を省略したこと(前略)を受け、末文も省略して簡潔に済ませたこと(草々)を伝えるための対の表現なのです。「前略」を使った場合は「敬具」や「かしこ」といった他の結語は使えませんので、注意しましょう。

3.前略の正しい使用方法

前略は非常に便利な頭語ですが、使用方法を間違えると、相手に「雑に扱われた」と感じさせてしまうかもしれません。

正しい使用方法を確認していきましょう。

3-1.前略が使用できる相手は友人や同僚

前略は、原則として親しい関係の相手にのみ使う表現です。

具体的には、親戚、友人、同僚、部下など、日頃から気兼ねなく連絡を取り合える間柄が該当するでしょう。相手への敬意を省略する表現であるため、上司や取引先といった目上の方、あるいは正式なビジネス文書には基本的に使用すべきではありません。

3-2.ビジネスでは「お詫び状」などの緊急時に使用

ビジネスシーンでは「拝啓」や「謹啓」といった正式な頭語を使い、丁寧な前文を添えるのが基本です。そのため、前略は原則として使用しないと覚えておいてください。

ただし、例外的に前略が許容される場面もあります。それは、迅速な連絡を最優先すべき「緊急時」です。

  • 緊急性の高い連絡(事故や災害など)
  • お見舞いやお詫び状(迅速な対応が求められる場合)

このような、迅速さや簡潔さが丁寧さに勝る場面であれば、目上の方や取引先への手紙であっても使用が許容されることがあるでしょう。

3-3.前略を使用する場合は挨拶不要

前略は「前文を省略する」という意味のため、書き出しに前略を使用した時点で、時候の挨拶や相手の安否を尋ねる言葉は不要です。

たとえば「前略 暑い日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか」といったように、前略の後に挨拶文を続けるのは、意味が重複する誤った使い方となります。前略の直後から、すぐに本文に入ってください。

3-4.結語である「草々」で締める

前略で書き始めた手紙は、本文の最後に必ず「草々」という結語で締めましょう。

前述のとおり、前略と草々は一対のセットです。結語は本文の後に置き、行の右端に寄せて書くのが一般的な作法です。これ以外の結語(敬具や謹白など)を使うことはできません。

4.前略を使用した例文3選

本章では、前略が使える具体的なシーンと例文をご紹介します。手紙を作成する際の参考にしてください。

請求書の送付状に特化したテンプレートをお探しの方は、以下の記事に掲載しています。

関連記事:請求書の送付状の書き方を解説【すぐに使える例文&テンプレート付き】

4-1.同僚へ送る例文

親しい同僚や同期への私信であれば、前略を使用しても失礼とは限りません。

前略

この間は、〇〇プロジェクトのデータ集計を本当に助けてくれてありがとう。君のサポートのおかげで、予定どおりに納品を完了できたよ。心から感謝しています。

つきましては、近いうちに改めて食事でもしながらお礼をさせてほしいな。近々連絡するので、行きたいお店のジャンルでも考えておいてくれると嬉しいです。

草々

4-2.上司へのお見舞いの例文

上司であっても、病気や災害など、相手の状況を気遣う「お見舞い」や「お詫び」の手紙は、迅速な連絡を優先するため前略が許容されます。

前略

〇〇部長がご入院されたと聞き、大変驚いております。

現在、業務についてはチームで滞りなく引き継いでおりますので、どうぞご心配なさらないでください。

心よりお見舞い申し上げますとともに、今は静かに療養され、一日も早くご回復されるようお祈りしております。

草々

4-3.取引先への緊急連絡の例文

取引先などの目上の方への連絡は基本的に「拝啓」を使いますが、緊急事態を知らせるなど、一刻を争う場合は前略が例外的に使えます。

前略

昨日ご注文いただきました商品について、弊社の出荷管理システムに予期せぬ障害が発生し、誠に恐縮ながら納期に遅れが生じる見込みです。

ご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

正確な遅延状況と今後の対応策につきましては、至急確認を終え次第、改めて担当者よりご連絡を差し上げます。まずは取り急ぎ、第一報としてご報告いたしました。

草々

5.ビジネスで利用できる代表的な頭語

前略は親しい間柄や緊急時に限定されますが、一般的なビジネス文書では「拝啓」や「謹啓」といった頭語を使います。

5-1.拝啓

拝啓は、最も広く使われる一般的な頭語です。「謹啓」よりも丁寧度は劣りますが、ビジネスにおける一般的な文書や、目上の方への手紙でも失礼にはあたりません。

拝啓を使用する場合は、時候の挨拶を添え、結語には「敬具」をセットで使うのがルールです。

拝啓

早春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、この度のご提案につきまして、社内で慎重に検討を重ねた結果、前向きに進めさせていただきたく、ご連絡差し上げた次第でございます。

つきましては、一度貴社にお伺いし、具体的な実施スケジュールについてご相談させていただきたく存じます。恐縮ですが、ご都合の良い日時をいくつかお教えいただけますでしょうか。

まずは略儀ながら、書中をもちましてご挨拶申し上げます。

敬具

5-2.謹啓

「謹啓」は「拝啓」よりもさらに丁寧さや敬意を込めた頭語です。

相手に対し、特に深い敬意を表したい場合や、重要な用件を伝える正式な文書で利用します。結語には、謹啓の丁寧度に対応する「謹白」をセットで使うのが一般的です。

謹啓

仲秋の候、貴社におかれましては、益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、この度、弊社は今後の長期的な事業展開と経営基盤の更なる強化を目的に、来期より組織体制を大幅に変更する運びとなりました。

誠に恐縮ではございますが、この度の弊社の新たな取り組みにご理解とご賛同を賜り、今後とも変わらぬご高誼を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

謹白

6.まとめ

手紙や文書における「前略」は、前文の挨拶を省略するという意味をもつ頭語です。

原則として、友人や同僚など、親しい相手に使います。しかし、ビジネスでは緊急性の高い連絡やお見舞い・お詫びの際に、やむを得ず使用できることもあります。前略で始めた文書は、必ず「草々」という結語で締めるようにしてください。

前略を使うことで、用件を素早く伝えることはできますが、その分、丁寧さは二の次になります。相手との関係性や状況を考慮し、失礼にあたらないよう正しく使い分けるようにしましょう。

AIが手入力をなくし月次決算を早期化「バクラク請求書受取」

紙の請求書もPDFファイルも100枚まで一括アップロードでき、金額や摘要、取引先情報などを瞬時にAIが読み取ります。読み取り内容から取引データが学習され、次回以降の請求時に自動で仕訳を入力補完。また、郵送やメールで届く請求書ファイルを「受取状況レポート」でリアルタイムに把握でき、受領や支払いの漏れを削減します。インボイス制度への対応もスムーズに行なって頂けます。