役職定年とは?メリット・デメリットやポストオフ制度との違いも解説

役職定年とは?メリット・デメリットやポストオフ制度との違いも解説

役職定年は、大企業を中心に導入されている定年制度です。しかし、優秀な人材の流出につながるといったデメリットもあり、導入をためらったり、廃止したりする企業も少なくないでしょう。 本記事では、役職定年の定義やメリット・デメリット、制度運用時のポイントを解説します。役職定年と混同されやすいポストオフ制度についても触れていますので、制度の理解を深めるのにお役立てください。

1.役職定年とは?何歳から?

役職定年とは、役職ごとに上限年齢を設け、上限に達すると役職から退く制度のことです。

たとえば、部長職の役職定年が57歳であれば、57歳の年度が終了した翌年から別のポジションに移り、定年退職まで勤務を続けます。空いた部長職には、当人よりも下の年代の社員が就きます。

役職定年の年齢は企業によって異なるものの、50代後半から60歳に設定されることが一般的です。しかし、少子高齢化に伴い、シニア人材を積極的に活用する流れも強まっており、60歳以上に引き上げる企業や制度を廃止する企業も少なくありません。

役職定年は、組織の新陳代謝と人材活用のバランスを取るための仕組みですが、働き方改革や雇用環境の変化により、導入は企業ごとに異なります。

2.役職定年制度ができた背景

役職定年制度が導入された背景には、定年延長による人件費負担と世代交代の停滞があります。

かつて55歳定年が一般的でしたが、1994年には60歳未満の定年が禁止されました。結果として、年功序列に基づき昇給を続ける管理職を長期間抱えることにより、人件費が膨張する企業が増加しました。

また、限られた役職ポストが上の世代で占められることで、若手の昇進や成長の機会を奪う問題も生じます。さらに、転職による人材の流動化が進み、成果主義の導入も広がる中、長期勤続者が役職を占有する構造は経営上の課題となっていました。

上記の問題を解決するための仕組みとして役職定年が導入され、人件費を抑制しつつ組織を若返らせ、実力ある若手を登用しやすくなりました。

3.役職定年のメリット

役職定年を導入すると得られるメリットは以下のとおりです。

3-1.社内の新陳代謝を促進する

国内企業では降格人事が少ないため、同じ人物が長い期間役職を占める傾向にあります。しかし、役職定年制度を導入することで、シニア世代が一定年齢で立場を退き、空いた席に若手が就ける仕組みが生まれます。

結果として世代交代が進み、組織全体の活性化や若返りにつながるといえるでしょう。さらに若手に昇進のチャンスが巡ることで仕事への意欲が高まり、優秀な若手人材の定着も促せます。

3-2.シニア人材のキャリアプランの変更を促進できる

少子高齢化により人材不足が深刻化する中、シニア層の活用方法は企業にとって重要な課題です。

役職定年制度があると、役職者として務める期間が明確になり、企業は長期的視点で採用や人材育成の計画を立てられます。社員は、役職を退いた後の働き方を早い段階から考えられるようになり、定年後を見据えたキャリア設計の準備も余裕をもって進められます。

長期的に将来性を見通せることは社員に安心感を与え、仕事への意欲向上にもつながるでしょう。

3-3.人件費を抑えられる

役職定年制度の大きな利点の一つが人件費の抑制です。日本企業は年功序列を前提に昇給・昇進を重ねてきました。勤続年数の長い社員ほど高い給与や手当を得る傾向にあり、実際のスキルと給与が見合わないという課題もありました。

しかし、役職定年によって一定年齢で管理職を退くと、役職手当が外れて給与水準も下がるため、企業側はシニア社員の雇用を継続しつつも人件費を抑えることが可能です。

4.役職定年のデメリット

役職定年は企業に多くのメリットをもたらす制度ですが、以下のようなデメリットもあります。

4-1.優秀な人材でも役職から退くことになる

役職定年制度は、年齢に達すれば能力に関わらず役職を退くことが求められる仕組みです。豊富な知識や経験をもち、組織を牽引してきた優秀な人材であっても後輩社員に立場を譲らなくてはいけません。

後任が同等の力量を備えていれば問題はないものの、経験値やリーダーシップ性が不足している場合はチーム力が低下し、生産性の低下や業績悪化につながる可能性もあります。十分な引き継ぎがないまま後任が業務を任されることも、業務効率の低下を招くでしょう。

世代交代を促す反面、優秀な人材の喪失に直結する点は企業にとって大きな痛手になるといえます。

4-2.シニア人材のモチベーション低下につながる

一定の年齢で退任させられる役職者は、給与が下がり、責任ある立場から外されることで、精神的にもマイナスの影響を受けてしまいます。また、新しいポストへの移動後は、長年培った経験を十分に活かせないと、業務への意欲低下を招く可能性も否定できません。

シニア人材が、役職定年後もやりがいをもてる役割を用意することは、70歳までの就業機会確保が求められる状況下において、企業の大きな課題となるでしょう。

5.役職定年制度を運用するうえでのポイント

役職定年制度を円滑に運用するためには、いくつかのポイントを意識して環境を整えていくことが必須です。本章では、特に取り入れたい3つのポイントを解説します。

5-1.社員へのサポート体制を充実させる

役職定年を迎える社員にとって、退任後のキャリア設計は大きな関心事です。企業側は、シニア人材の意欲を維持し、円滑に次のステージへ移行できるよう支援体制を整える必要があります。

たとえば、キャリア相談や研修を通じて将来の働き方を描けるようにしたり、必要に応じて転職支援や再就職先の紹介を行ったりすることが有効です。

多様な選択肢を提示することで、本人が納得して進路を選びやすくなり、結果として企業への信頼感や第二のキャリアに対する意欲も高まります。

5-2.新しいポストを設ける

役職定年が訪れた社員には、今までに培った経験を十分に発揮できる役割を与えることが重要です。たとえば、新任管理職のアドバイザーや若手社員のメンターとして知識を伝える場を設けることで、組織に貢献し続ける実感をもてます。

また、役職を外れ肩書きを失うと、自身の存在価値を見失ってしまう社員も少なくありません。新しい称号や役割を設定し、役職定年後も責任と誇りをもちながら働ける環境を構築するとよいでしょう。

キャリアを活かせるポストを用意することで、社員は役職を失っても仕事へのやりがいを維持して勤務でき、企業にとっては組織の活性化につながります。

5-3.トータルリワードを得られる仕組みを検討する

役職定年後も意欲を維持するには、金銭面だけでなく心理的な報酬を得られる仕組みづくりも欠かせません。感謝や承認の言葉といった「トータルリワード」は、シニア人材にとって大きな励みとなります。

また、働き方の選択肢を広げることも効果的です。勤務日数や時間を調整してプライベートとの両立を図れるようにしたり、副業・兼業・ボランティアを認めて新たな活躍の場を提供したりするのもよいでしょう。

トータルリワードと柔軟な働き方の組み合わせは、シニア人材に自己成長の実感や存在意義を与え、役職定年後も意欲的に働ける環境を整えることにつながります。

6.ポストオフ制度と役職定年の違いは?

役職定年を廃止する企業が増えており、代替策として「ポストオフ制度」が注目されています。ポストオフ制度は、一定年齢を一つの目安としつつ、評価や役職任期などを総合的に判断して役職を外れるかを決定する仕組みです。

役職定年では退任後に給与や待遇が下がることが多く、離職につながりやすい一方、ポストオフ制度では役職を退いても社内に残れて、給与や処遇も大きく変わらないのが魅力です。シニア人材の経験を活かしつつ組織の若返りも実現しやすくなります。

ポストオフ制度は、職務内容に基づいて人材を配置するジョブ型雇用を導入する企業で特に広く採り入れられています。

7.働き方の多様化には「バクラク勤怠」がおすすめ

役職定年は、役職者を一定の年齢で退任させる仕組みで、世代交代を促せたり、人件費を削減できたりするメリットがあります。一方で、貢献度の高い人材の喪失や業務に対する意欲低下を招くリスクがある点に留意しなくてはいけません。

制度を運用する際には、役職定年後も意欲を維持しながら柔軟に働いてもらえる環境を、企業側が整えていくことが求められます。勤務時間や休暇制度を見直すことも有効といえるでしょう。

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