登録免許税の勘定科目は?法人設立前後の仕訳例・他登記費用について

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登録免許税の勘定科目は?法人設立前後の仕訳例・他登記費用について

登録免許税の勘定科目は、支払うタイミングにより「創立費」と「租税公課」を使い分ける必要があります。会社設立時は創立費、設立後の変更手続きでは租税公課で処理するのが原則です。 本記事では、使い分けの理由や具体的な仕訳例を解説します。さらに、手続きごとの税額一覧から納付方法、関連費用の会計処理まで幅広く紹介しますので、今後の実務にお役立てください。

1.登録免許税の勘定科目と仕訳方法

登録免許税を仕訳する際の勘定科目は、税金を支払うタイミングによって使い分けが必要です。

登録免許税とは、不動産の登記や会社の設立登記などで納付する国税です。会社の設立登記で発生するだけでなく、設立後に役員変更や本店移転などの変更登記をする際にも納めなければなりません。

また、納付額は登記の内容に応じて変動します。そのため、それぞれの状況に応じた適切な会計処理が求められます。

本章では、会社設立時の設立登記と設立後の変更登記、それぞれのケースにおける勘定科目と具体的な仕訳方法を解説しますので、参考にしてください。

1-1.会社設立時は「創立費」として計上

会社設立時に支払う登録免許税は、勘定科目「創立費」で計上します。これは、会社の設立にかかった特別な支出として扱われるためです。

会計上、創立費は発生時にすべて費用とするのではなく「繰延資産」という資産に分類されます。繰延資産とは、支出の効果が将来にわたって及ぶと考えられるもので、一度資産計上した後に、定められた期間で償却(費用化)する会計処理が認められています。

たとえば、会社設立の登録免許税15万円を現金で支払った際の仕訳は、以下のとおりです。

借方

貸方

創立費

150,000円

現金

150,000円

決算時に、この創立費を費用化する処理が必要です。設立時の登録免許税は創立費として資産計上し、決算整理仕訳で費用化する流れを理解しておきましょう。

繰延について、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。

関連記事:「繰延」とは?費用・収益それぞれの会計処理や繰延資産への計上を解説

1-2.会社設立後の変更登記では「租税公課」として計上

会社の営業開始後に支払う登録免許税は「租税公課」の勘定科目で処理します。

役員変更や本店移転などに伴う登録免許税は、事業運営上、経常的に発生しうる税金と見なされるためです。租税公課は、国税や地方税などを処理するための費用勘定となります。

また、租税公課自体が税金であるため、消費税の課税対象にはなりません。したがって、消費税に関する仕訳は不要です。たとえば、役員変更登記の登録免許税3万円を普通預金から支払った場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方

貸方

租税公課

30,000円

普通預金

30,000円

設立後の登記で発生する登録免許税は、費用科目である租税公課でシンプルに計上すると覚えておきましょう。

租税公課については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:租税公課とは?経費計上できるもの・できないものを徹底解説!

2.登記手続きごとの登録免許税額

登録免許税の税額は、登記手続きの種類によって法律で細かく定められています。特に株式会社を設立する際には、資本金の額にかかわらず最低納付額が設定されている点に注意してください。

たとえば、株式会社設立時の登録免許税は「資本金額の0.7%」と計算されますが、この金額が15万円に満たない場合は、一律で15万円を納めなければなりません。もし、資本金が1円の会社であっても、下限である15万円の納付が求められます。

登記内容に応じて税額は大きく変動します。以下に、主な商業登記の種類とそれに対応する登録免許税額をまとめました。自社の手続き内容と照らし合わせて、必要な税額を確認してください。

商業登記の種類

登録免許税額

株式会社設立

資本金額×0.7%(最低15万円)

合名会社または合資会社の設立

1件につき6万円

合同会社の設立

資本金額×0.7%(最低6万円)

資本金の増加

増加した資本金額×0.7%(最低3万円)

合併または組織変更

資本金額または増加した資本金額×0.15%

※合併により消滅した会社など、条件により一部の資本金に0.7%の税率が適用される場合がある

(最低3万円)

会社分割による設立・資本金増加

資本金額または増加した資本金額×0.7%

(最低3万円)

支店の設置登記

1カ所につき6万円

本店や支店の移転

1カ所につき3万円

取締役・監査役などの変更

1件につき3万円

(資本金1億円以下の会社は1万円)

支配人・取締役などの職務代行者選任

1件につき3万円

登記事項の変更・消滅・廃止

1件につき3万円

登記の更正または抹消

1件につき2万円

参考:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

3.登録免許税の納付方法

登録免許税の納付には、主に3つの方法が存在します。

  • 現金による納付
  • 収入印紙による納付
  • オンラインによる電子納付

最も基本的なのが、金融機関や税務署の窓口で現金納付する方法です。現金納付は税額の上限がないため、高額な場合でも対応できます。

次に、納付する税額が3万円以下であれば、収入印紙での納付も可能です。郵便局などで収入印紙を購入し、申請書に貼り付けて提出するだけで完了します。

最後に、オンラインで登記申請をする場合は、電子納付が利用できます。登記・供託オンライン申請システムを利用し、インターネットバンキングやATMから納付する仕組みです。場所や時間を選ばず手続きできるのが利点です。

4.その他の登記費用の種類と使える勘定科目

会社の設立や登記内容を変更する際には、登録免許税以外にも費用がかかります。これらの登記関連費用は経費として計上できますが、支出の内容に応じて勘定科目を使い分ける必要があります。

会計処理を正しく進めるためにも、どの費用がどの科目に該当するのかを把握しておくのが大切です。登記費用の具体例と使える勘定科目の一覧は、以下のとおりです。

登記費用の種類

使える勘定科目

創立費

・創立費

開業費

・開業費

登記簿謄本代

・租税公課

・支払手数料

・雑費

司法書士報酬

・支払手数料

・顧問料

印鑑証明書発行費用

・租税公課

・支払手数料

・雑費

4-1.創立費の仕訳

「創立費」は、会社設立のために要した費用を指す勘定科目です。会社設立前や設立時に発生した費用、設立登記前後の費用などを含みます。

創立費は原則として繰延資産として計上可能です。法人税法上、創立費は支出した金額の範囲内で、いつでも好きなタイミングで費用計上できる「任意償却」が認められています。利益が出た期に全額償却するなど、会社の状況に合わせて柔軟に費用化が可能です。

3月決算の会社を2024年4月に設立した場合の、具体的な仕訳例を見ていきましょう。

<2024年4月に、定款作成費として5万円を現金で支払った>

借方

貸方

創立費

50,000円

現金

50,000円

<2025年3月に創立費を1万円償却し、未償却残高4万円は来期以降に繰り延べた>

借方

貸方

創立費償却

10,000円

創立費

10,000円

4-2.開業費の仕訳

「開業費」は、会社設立後から事業開始までの間に発生した準備費用を計上するための勘定科目です。チラシ制作などの広告宣伝費や、トイレットペーパーなどの消耗品費を含みます。

開業費も創立費と同様に繰延資産として計上可能です。法人税法上、支出した金額の範囲内でいつでも費用計上できる「任意償却」が認められています。

3月決算の会社を2024年4月に設立した場合の、具体的な仕訳例は以下のとおりです。

<2024年4月に、開業前の広告宣伝費として10万円を現金で支払った>

借方

貸方

開業費

100,000円

現金

100,000円

<2025年3月に開業費を3万円償却し、未償却残高7万円は来期以降に繰り延べた>

借方

貸方

開業費償却

30,000円

開業費

30,000円

4-3.登記簿謄本代の仕訳

登記簿謄本とは、不動産(土地や建物)に関する重要な情報が記載された公的な証明書です。

登記簿謄本代に使用する勘定科目は「支払手数料」「租税公課」「雑費」があり、一般的には租税公課を使用します。登記簿謄本代は、行政サービスの事務手数料として支払うためです。

具体的な仕訳例を見ていきましょう。

<登記簿謄本の取得にかかる手数料650円を現金で支払った>

借方

貸方

租税公課

650円

現金

650円

4-4.司法書士報酬の仕訳

登記申請用の書類作成や添付書類の準備など、司法書士が提供する法的サービスに対して支払う費用が司法書士報酬です。

司法書士報酬に使用する勘定科目は「支払手数料」や「顧問料」が挙げられます。

個人事業主の司法書士に報酬を支払う際は、金額にかかわらず源泉徴収が必要です。源泉徴収した税額は「預り金」で処理します。ただし、相手が司法書士法人ならば、源泉徴収は必要ありません。

具体的な仕訳例を見ていきましょう。

<司法書士への報酬から源泉徴収税を差し引き、残額を普通預金から支払った>

借方

貸方

支払手数料

33,000円

普通預金

29,631円

預り金

3,369円

司法書士など専門家に支払う報酬の仕訳については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:専門家に支払う「支払報酬料」の勘定科目とは?該当費用・類似科目

4-5.印鑑証明書発行費用の仕訳

印鑑証明書発行費用は、公的機関から印鑑証明書を取得する際に支払う手数料のことです。印鑑証明書は、会社設立や不動産取引など、さまざまな手続きで必要です。

自治体によって費用は異なりますが、法人の場合は通常1通450円程度、個人の場合は1通300円程度かかります。なお費用の目安は、当社が独自調査したものです。印鑑証明書を発行する際は、各自治体に問い合わせるとよいでしょう。

印鑑証明書発行費用の勘定科目には「租税公課」「支払手数料」「雑費」があります。一般的には「租税公課」を使用します。

具体的な仕訳例を見ていきましょう。

<印鑑証明書発行費用450円を現金で支払った>

借方

貸方

租税公課

450円

現金

450円

5.簡単で正確な経費精算を実現する「バクラク経費精算」

登録免許税の仕訳は会社設立時は「創立費」、設立後は「租税公課」と勘定科目の使い分けが必要です。さらに、司法書士報酬は「支払手数料」で、登記簿謄本代は「租税公課」で処理するなど、登記に関連する勘定科目は多岐にわたります。

これらの複雑な仕訳を手作業で管理するのは、担当者の負担を増やし、ミスの原因にもなりかねません。課題を解決するには、経費精算システムの活用が有効です。

「バクラク経費精算」には、申請情報をもとに勘定科目を自動で判定する自動仕訳機能が搭載されています。また、お使いの会計ソフトと連携して、手入力なしで仕訳データを取り込めるため、転記ミスを防ぐことも可能です。

担当者が勘定科目の判断に迷う時間を大幅に削減し、月次決算の早期化に貢献します。ぜひ、バクラク経費精算の導入をご検討ください。

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