請求書は必須?法的な発行義務の有無や経理業務での必要性を解説

ビジネスで取引があった際は、請求書を発行することが一般的です。この請求書の発行は法律上の義務なのか、正確に把握しておきたい経理担当者もいるのではないでしょうか。

この記事では、請求書の発行義務の有無や、請求書の発行が必須とされる理由、インボイス制度による変更点、発行業務を効率化するポイントなどを詳しく解説します。

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請求書は必須?法的な発行義務の有無や経理業務での必要性を解説

請求書の発行は必須?出さないとどうなるか

請求書の発行は法律上の義務なのでしょうか。発行しなかった場合の影響についても解説します。

請求書の発行自体は義務ではない

請求書の発行は、法律上の義務ではありません。したがって請求書のフォーマットに決まりはありません。また、紙文書やデジタル文書など媒体も自由です。

つまり、取引先とのやりとりのなかでルールや取り決めを行い、双方が納得しているのであれば、商品・サービスの対価の請求が可能です。

対価の支払いをする場合でも請求書なしでもいい?

先ほど述べたように商品・サービスを購入して対価を支払う側においても、請求書は必ずしも必要ではありません。しかし、取引内容について証明できる別の資料があれば問題ありませんが、ないのに経費計上していると税務調査が入った際に追加で課税されるリスクが生じます。

企業の場合、経費として計上したい場合がほとんどですので、請求書を要求したほうがよいでしょう。

請求書の発行はほぼ必須

請求書発行は義務ではありませんが、商慣習上、請求書を発行することが通例です。事実証明や信頼関係の維持などの観点から、発行する側にとっても発行される側にとっても、請求書の発行が望ましいとされています。発行すべき理由については、次項で詳しく解説します。

請求書の発行が必要な理由

請求書の発行は、トラブルの防止、取引の事実証明、正確な経理業務の3つの理由から、ビジネスの常識といえるプロセスとなっています。それぞれについて詳しく解説します。

トラブルを防止するため

請求書を発行すると、取引金額とその内訳、振込先、支払い期限などを相手先に明確に伝えられます。このため、「事前に取り決めた金額と違う」などの違いの認識違いからトラブルに発展する可能性を極力減らせます。口頭での契約のように「言った・言わない」の問題も生じません。

また、自社で請求書のフォーマットを作成しておけば、請求業務を標準化できるのもメリットです。口頭や電子メールなどでの請求では、担当者のやり方の違いにより無用なトラブルを招く恐れがありますが、請求書なら自社ルールに従って請求できます。

取引が行われた事実の証明になるため

請求書は税法上において、取引があった事実を客観的に証明できる証憑書類の1つです。このため、金額や支払い時期などのトラブルがあった際に、裁判の証拠書類となります。また、税務調査が入って説明を求められた際に、取引の事実を証明する資料としても提出可能です。

正確な経理業務を行うため 

請求書を発行すると正確な経理業務ができます。請求書には入金額と支払い期日が記入されているため、お金の流れを明確に管理できるようになるからです。特に経理業務システムを用いてデジタル文書で管理している場合は、請求書発行と同時にリアルタイムでお金の流れを把握できます。

このメリットは、対価を支払う側も同様です。期日に遅れることなく支払いを完了させたり、計上月に合わせて入金したりできます。

請求書に記載する必須項目

請求書に記載する項目についての厳密な決まりはありませんが、商慣習上、以下の項目が必須とされています。

  • 作成者の氏名もしくは名称
  • 宛名
  • 取引年月日・請求日
  • 取引内容
  • 請求書番号
  • 小計・消費税・合計金額 など

詳細については以下で解説しているため、あわせて参考にしてください。

請求書の書き方を重点的に解説!記載すべき項目や注意点とは

インボイス制度の実施で請求書の発行義務はどう変わる?

2023年10月1日から開始されたインボイス制度によって、適格請求書発行事業者は、取引先から求められた場合、適格請求書の発行が義務となりました。

「適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から適格請求書の交付を求められたときは、原則として、適格請求書を交付する義務が課されます」

※引用:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き

フリーランスや個人事業主、小規模事業者などは、適格請求書発行事業者にならずに適格請求書を発行しない選択も可能です。しかし、多くの取引先企業は、消費税の控除が受けられる適格請求書発行事業者を優先的に仕入先として選ぶ傾向があります。

このため、インボイス制度開始とともに適格請求書発行事業者となり、適格請求書の発行義務に応じる事業者が増えています。

請求書の代わりになるもの

インボイス制度における適格請求書は、請求書以外でも要件を満たしていれば領収書やレシートでも代用可能です。

具体的には以下の項目が書かれていれば、請求書以外でも適格請求書として認められます。

  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 適格請求書発行事業者の氏名、または名称及び登録番号
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額
  • 税率ごとに区分した消費税額など、または適用税率

飲食業や小売業などでは、顧客からの発行要求にいちいち応じていると、本業に支障が出てしまいます。こうした場合は、上記要件を満たした領収書やレシートを発行するとよいでしょう。なお、インボイスに対応した領収書やレシートのことを「適格簡易請求書」と呼びます。

発行した請求書は保管義務がある

送付した請求書の控えをとっている場合には、保管が義務付けられています。請求書の控え(写し、コピー)は証憑書類という文書区分に該当するため、法人は7年間、個人事業主は5年間保管しなければなりません。

取引先からの入金の有無を確かめるために自社で請求書の控えを発行しているといった場合は、忘れずに保管しておきましょう。

詳細については以下で解説しているため、あわせて参考にしてください。

※参考:請求書の保管期間はいつまでか?保管方法と期間を法人・個人事業主別にわかりやすく解説

請求書発行を効率よく行うならバクラク請求書発行

請求書発行を効率化するなら、専用のITツールの導入がおすすめです。そこで電子請求書発行システム「バクラク請求書発行」について紹介します。

バクラク請求書発行とは?

電子請求書発行システム「バクラク請求書発行」を導入すると、複雑な経理業務を効率化できます。

請求書の発行書類の作成・送付・保存が同じシステムで完結するため、業務負荷を減らしながら、郵送にともなうコストカットが可能です。業務の一部は自動化できるため、日々大量の請求書を発行する場合も、ミスなくスピーディーに処理できます。

また、請求書だけでなく、納品書や見積書なども簡単に電子送付できるので、会社の発行、管理業務全体を効率化可能です。「バクラク請求書発行」は電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応しており、デジタル化による業務効率化を推進する場合にも向いています。

バクラク請求書発行の主な機能・メリット

「バクラク請求書発行」は、電子帳簿保存法やインボイス制度の課題解決にもつながります。

電子帳簿保存法では、帳票発行後の帳票データの訂正・削除ができないことや、検索要件を満たすことが求められます。また、適格請求書の記載事項を満たした請求書を発行し、インボイス制度に準拠した支払い通知書を作成しなければなりません。

上記の課題は「バクラク請求書発行」を導入するだけで解決します。さらに電子対応していない取引先に対する郵送代行機能や、大量発行に対応できる帳票の一括・個別作成機能、業務フローを設計できる申請・承認機能など、便利な機能をご利用いただけます。

まとめ

請求書の発行は義務ではありませんが、ビジネス上の観点からは必須となっています。日々生ずる業務であるだけに、効率化を進めてトラブル防止や正確な経理業務などにつなげていきましょう。発行業務の効率化を図る際は、電子請求書発行システムの導入がおすすめです。

本記事でもご紹介した「バクラク請求書発行」はあらゆる発行書類の作成・送付・保存が可能です。また、インボイス制度や電子帳簿保存法など、法制度に簡単に対応できるのがメリットです。興味をお持ちの方は詳しい資料をご覧ください。

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