交通費精算に領収書は必須?電車代の領収書がない場合の対処法や入手方法
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-10-11
交通費の経費精算を行う際に、電車代やバス代の領収書は必須か、領収書がないといわれた場合はどうしたらよいかなどと、頭を抱えている経理担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、従業員が電車などの公共交通機関に乗った際の領収書の必要性や、領収書がない場合の対処法、交通費精算業務を効率化するための方法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
電車代などの交通費精算に領収書は必要?
金額によっては、領収書がなくても電車代やバス代を経費精算することが可能です。交通費精算に領収書が必要となる条件について解説します。
3万円未満の場合、領収書が不要なケースがある
租税法では、電車やバス代の領収書がない場合でも経費精算できるケースがあります。具体的には、電車代が3万円未満の場合や、やむを得ない事情がある場合は、領収書なしでの経費精算が可能です。例えば、片道で1,490円(往復で2,980円)の電車代を払った場合、利用金額は3万円未満となるため領収書がなくても経費精算できます。
ただし、租税法では認められていても、不正防止などの理由から領収書がないと経費精算を認めない企業も少なくありません。個人で領収書の必要性を判断せず、社内ルールに従って対応しましょう。
※参考:No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存|国税庁
3万円以上の場合、領収書は必要
交通費が3万円以上であれば、基本的に領収書が必要になります。例えば、遠方への出張などで新幹線を利用した場合、新幹線の運賃・料金が3万円を超えるケースも少なくありません。領収書は、金銭の取引があったことを示す公的な書類です。3万円を超える交通費の精算には、領収書が必要になることを、従業員に周知しておきましょう。
領収書を使った交通費精算フロー
一般的な交通費精算フローは、以下のとおりです。
- 従業員が社内ルールに従い経費精算書を作成し申請する
- 上司が経費精算書を承諾する
- 経理担当者に経費精算書を提出する
- 経費精算書の記入項目と申請金額を確認する
- 仕訳して帳簿に記入する
- 従業員に払い戻す
領収書の紛失を防ぐ目的で、経費精算書に領収書を貼り付けて提出させる企業も見られます。
交通費精算には、支払った従業員、従業員の上司、経理担当者の複数人が関わります。領収書や書類に不備があれば差し戻しが必要になるため、経理担当者は速やかに手続きを進めましょう。
交通費の経費精算を領収書なしで行うリスク
上述したように、電車代などの交通費精算を領収書なしで行えるケースもあります。しかし、金額によらず、多くの企業は交通費精算で領収書を提出させます。企業が領収書を求める理由は、従業員の不正や税務調査の際に指摘を受けるリスクを避けるためです。
不正につながるリスクがある
領収書を受け取らずに従業員の申請どおりに経費精算すると、不正が横行する恐れがあります。例えば、実際は自転車や徒歩で移動したにも関わらず、電車代を請求する従業員が出てくるかもしれません。水増し請求の結果、過払いが発生する場合もあるでしょう。そのうえ、経費精算ごとに領収書を受け取らなければ、自己申告で何回でも経費精算できてしまいます。
少額の不正でも悪質な行為には違いありません。経費精算のたびに領収書を提出させて詳細を丁寧に確認した方が、不正を抑制できます。
税務調査が入った際に実態の証明が難しい
税務調査が入った場合、領収書がなければ支払いの実態を証明しにくくなります。領収書には、取引年月日・発行者名・受領者名・受領金額・取引の詳細が記載されています。領収書があれば、支払いの実態を客観的に説明することが可能です。
手書きのメモなどで取引の詳細を記録していても、疑わしい部分があれば交通費として認めてもらえません。修正申告するよう促されたり、罰則を課されたりする恐れがあるため、3万円未満でも領収書を提出させたうえで、交通費精算することをおすすめします。
交通費精算に使う領収書をもらう方法
3万円未満の交通費精算なら、電車代やバス代の領収書は不要です。ただし、上述したように、領収書を交通費精算の際に提出させる企業も多いことから、交通手段ごとに領収書をもらう方法を解説します。サービスごとに手段は異なるため、確実に領収書をもらいたいときは個別に問い合わせましょう。
電車・新幹線を使う場合
駅の窓口や切符窓口から切符を購入すると、電車代や新幹線代の領収書をもらえます。券売機で切符を購入する場合には「領収書発行ボタン」を押して発行することができます。また、ICカードの場合は、チャージする際に領収書を発行可能です。
タクシーを使う場合
車内で決済するときは、降車時に料金を支払うと領収書を受け取れます。サービスや運転手ごとに対応は異なるため、もらえないときは声をかけて領収書を発行してもらいましょう。また、配車アプリで決済するときは、メールで領収書を送ってもらう、アプリ経由でダウンロードする、といった方法で領収書を入手できます。
飛行機を使う場合
飛行機を使うときは、空港カウンターや領収書Web表示サービス、電話での問い合わせなどを通じて領収書を発行してもらいます。
領収書Web表示サービスとは、購入した航空券の領収情報をオンラインで閲覧できるサービスです。閲覧期限が航空会社ごとに決まっているため、領収書を入手する予定があれば早急に対応しましょう。
路線バス・高速バスを使う場合
路線バス・高速バスを使うときは、切符売り場の窓口、オンライン決済の画面、運転手とのやり取りなどを通じて発行してもらいます。ただし、運転手にお願いする場合、運転中や混雑時に領収書の発行をお願いすると迷惑になるため気をつけましょう。
交通費精算において領収書がない場合の対処法
電車代やバス代の領収書がもらえない場合は、以下の3つの方法で、金銭の取引を示す書類を用意して申請する方法があります。また実際の申請方法は会社の規程によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
1.領収書の代わりになる書類で交通費精算の申請をする方法
領収書の代わりになる書類には、レシートや法人カードの利用明細などがあります。宛名・日付・金額・取引の詳細・発行者の情報が記載されていれば領収書代わりに利用しましょう。また、オンライン取引の画面をキャプチャしたものでも、必要な情報が網羅されていれば領収書代わりにできる場合もあります。電車やバスの場合、ICカードや電子マネーの利用履歴を活用すれば対処可能です。
2.出金伝票を作成して交通費精算する方法
出金伝票とは、現金の支払いを伴う取引や各種費用を管理するために用いられる伝票です。現金での支払いを証明できる書類として、領収書と同じ取り扱いが可能です。ただし出金伝票の信憑性を確保するためには、以下の事項を記載する必要があります。
<交通費精算における出金伝票の記載事項>
- 支払いが発生した日付
- 支払い先の名称
- 支払われた金額
- 勘定科目
- 摘要
- 起票者
出金伝票は、交通費に限らずさまざまな勘定科目に対応できる書類です。詳細が分かるように、交通手段や利用区間、片道か往復か、訪問先や訪問目的などを摘要欄に明確に記載しておく必要があります。フォーマットを作っておくと、速やかに対応できるでしょう。
出金伝票の書き方に関して、以下の記事でさらに詳しく記載しています。
▶交通費に関する出金伝票の書き方とは?使われる場面や注意点なども解説!
3.交通費精算書を作成して交通費精算する方法
交通費精算書とは、各種交通機関の利用や移動にかかった費用を、経費として精算するための申請書です。レシートや領収書などを得られていた場合は、交通費精算書と合わせて提出するのが一般的です。交通費精算書のフォーマットには法的な決まりはありませんが、以下の事項を記載する必要があります。
<交通費精算書の記載事項>
- 申請日
- 利用日付
- 利用区間
- 交通手段
- 片道/往復
- 訪問先
- 金額
- 起票者
交通費精算書の書き方に関しては、以下の記事で詳しく記載しています。
交通費精算業務を効率化するには?
近距離の電車代など、少額の交通費精算にも領収書を求めると、経理業務が煩雑化する恐れがあります。交通費精算業務を効率化する方法を解説します。
SuicaやPasmoなどのICカードを配布する
SuicaやPasmoなどのICカードの場合は、券売機で印刷すると、金額と移動履歴を速やかに取得できます。印刷された情報なら、申請者の自己申告とは異なり、経路や金額に間違いがありません。経理担当者が1つひとつ履歴を確認して、差し戻しをする手間がなくなります。正確かつ手軽に経費精算できるICカードは、申請者と経費担当者の双方にメリットをもたらします。
交通系電子マネーを利用した経費精算については、以下の記事で詳しく紹介しています。
▶Suica®やPASMO®を利用した経費精算の流れ!注意点や効率化の方法も解説
経路検索やICカードと連携できる経費精算システムを活用する
上述したICカードの履歴を入手しても、経理担当者は情報を手入力しなければいけません。経費精算業務を効率化するなら、システム導入が必要不可欠です。経費精算システムを導入すると、電車の経路検索機能との連携などによって入力作業のように手間がかかる業務を自動化でき、入力ミスも防げます。ICカードなどと連携できる経費精算システムなら、交通費精算業務をさらに効率化できます。データを連携すると領収書がない交通費でも困らずに済み、計算ミスも減らすことが可能です。交通費精算をミスなく効率化して、企業全体の生産性を高めましょう。次の段落では、おすすめの経費精算システムを紹介します。
交通費の経費精算を効率化するなら「バクラク経費精算」
バクラク経費精算は、電車代などの経費精算を効率化します。バクラク経費精算の機能やメリットを解説します。
バクラク経費精算とは?
バクラク経費精算は、面倒な経費精算を効率化するサービスです。多くの企業で導入されており、2024年2月時点でシリーズ累計導入社数は10,000社に達しました。また、サービス継続率は99%以上を誇ります。初期費用は無料で、月額費用は2万円です。状況に応じて最適なプランを提案するため、お気軽にお問い合わせください。
バクラク経費精算の機能・メリット
バクラク経費精算には、経費精算業務を効率化させる機能が豊富です。申請者はスマートフォンアプリで複数枚の領収書を自動で読み取り、一括アップロードできます。検索履歴からのレコメンド機能を使えば、クリックするだけで交通経路を検索可能です。また、定期区間控除機能により、自動的に適切な電車代が算出されます。
会計ソフトAPI連携や電子帳簿保存法対応など、機能が豊富に搭載されている点も、バクラク経費精算の魅力の1つです。無料で利用できるサポート体制が充実しているため、安心して導入・運用していただけます。
まとめ
電車代などの交通費精算では、金額が3万円以上で領収書が必須となります。ただし、少額の電車代でも、不正や税務署からの指摘を避けるためには領収書があると有利です。交通費の領収書がない場合は、出金伝票や交通費精算書で対応しましょう。なお、経費精算業務の効率化には、経費精算システムの導入がおすすめです。
バクラク経費精算は、申請者や経理担当者のミスを防止し、経費申請全体を効率化します。また、電子帳簿保存法にも対応しています。交通費精算を効率化させたい人は、ぜひバクラク経費精算をご検討ください。
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