請求書処理の業務フローとは?受領から支払い・保管まで詳しく解説

取引先から届く請求書の処理は、企業の支払いに関わる重要な業務です。

本記事では、基本的な請求書処理のフローについて、請求書の「受領」から「保管」に至るまでの7つのステップを具体的に解説します。
請求書処理の全体像と効率化のポイントを押さえて、日々の業務にお役立てください。

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請求書処理の業務フローとは?受領から支払い・保管まで詳しく解説

請求書処理の業務とは

請求書の処理業務は、取引先から受領した請求書の内容確認や支払い、管理など、請求書に関する一連の作業を指すものです。このプロセスは、正確な支払いと債務の管理を確保するために重要です。

請求書の処理業務にあたって、一つ残らず正確であることが求められます。さらに期日までの処理が必要で、処理後は必要なときにいつでも目的の請求書を出せるよう保管・管理しなければなりません。

請求書処理の主な業務フロー

請求書には決まった受領処理のフローがあります。代表的な請求書の受領処理フローは以下をお読みください。

請求書を受領する

請求書処理の最初のステップは、取引先から請求書を受領することです。請求書の受け取り方は多様化しており、従来の郵送だけでなく電子メールの添付ファイルや、指定されたURLからダウンロードする形式があります。

また、請求書は必ずしも経理担当者に直接届くとは限りません。営業担当者など、請求書処理を直接行わない担当者や部署が受け取った場合は、速やかに経理部門へ提出するルールを社内で徹底する必要があります。

受領漏れや提出遅れは、後の支払い遅延につながるため注意してください。

受領した請求書の内容を確認する

請求書を受領したら、内容に不備がないか確認します。請求書の内容に誤りがあると、後の支払い処理に支障をきたし、修正や再発行の手続きで手間が発生するため、受領した段階でのチェックは重要です。

具体的には、請求書と納品書や注文書を突き合わせ、取引内容や金額に相違がないかを検証します。間違いを発見した場合は、速やかに取引先に連絡し、必要に応じて請求書の再発行を依頼しましょう。確認すべき主な項目は、以下のとおりです。

チェック項目確認すべき内容
請求書の宛名正しく自社の名称、住所、連絡先になっているか
請求書の発行元取引先の名称が正確か
請求書の発行日いつ発行された請求書か
取引年月日請求内容に該当する取引がいつ行われたのか
取引内容・金額商品やサービスの内容、単価、数量、合計金額
消費税税率や税額が正しく計算されているか
支払期限いつまでに支払うべきか
振込先・手数料など金融機関名、口座番号、口座名義、振込手数料の負担者
添付資料との整合性添付資料がある場合、請求書の内容と相違がないか

支払依頼書が必要な場合は作成して申請する

請求書の内容確認後、社内規定によっては支払いのために「支払依頼書」を作成し、承認を得る手続きが必要です。支払依頼書の作成は、複数の部署が関わる場合や、内部統制を重視する企業で用いられるプロセスです。支払依頼書には、一般的に以下の項目を記載します。

  • 支払先
  • 支払金額
  • 支払期日
  • 請求書番号
  • 勘定科目など

記載が終わったら、請求書原本や関連書類を添付し、上長や経理担当者に提出しましょう。承認フローを経ることで、支払い内容の妥当性や正当性を組織として確認できるためです。

ただし企業の規模や体制によっては、請求書を直接経理部に回付するだけで、支払依頼書の作成が不要な場合もあります。自社の社内ルールをよく確認し、定められた手順に従って手続きを進めましょう。

取引を起票する

請求書の内容を確認し、支払いの承認が得られたら取引内容を会計システムに入力し「起票」します。起票とは、取引を仕訳帳に記録する作業であり、起票によって会計帳簿に取引が反映されます。

起票作業は、企業の財務状況を正確に把握するための基礎となるものです。また、インターネットバンキングなどで振込を行う際に使用するFB(ファームバンキング)データが必要になる場合があります。

FBデータを作成するために、会計システムへの入力とは別に、一時的にExcelなどの表計算ソフトに情報を入力・整理するケースもあります。

請求金額を支払う

支払いの申請が承認され、会計システムへの起票も完了したら、取引先へ請求金額を支払いましょう。支払い方法は、銀行振込が一般的ですが、手形や小切手、口座振替などが用いられる場合もあります。

支払いを行う際には、振込先の口座情報や金額に誤りがないか、再度確認してください。

不正防止のために、起票担当者と実際に支払い操作を行う担当者は、分けるのが望ましいでしょう。しかし、人員が限られる小規模な企業などでは、一人の担当者が兼任している実情もあります。

消込作業をする

請求金額の支払いが完了した後は、消込作業を行う必要があります。消込作業とは、支払いをした事実と、会計システム上に計上されている買掛金や未払金などの債務データを紐づけ、記録上で消していく作業です。

消込作業を行うと、どの請求に対して支払いが完了したのかが明確になり、未払いの債務残高を正確に把握できます。消込作業を怠ったり、誤ったりすると、二重払いや支払い漏れといったミスが発生するリスクが高まるでしょう。

誤った消込は月次決算や年次決算の数字にも影響を与え、修正に多大な時間を要することになるため、支払いごとに確実に行う必要があります。

請求書原本を保管する

支払いと消込作業が完了した後も、請求書は原本または電子データを一定期間保管する義務があります。なぜなら、税務調査が行われた際に、取引の証拠書類として必要となるからです。

請求書の保管期間は法律で定められています。法人の場合は原則として7年間、個人事業主の場合は原則5年間の保存が必要です。

また電子帳簿保存法の改正により、電子データとして受け取った請求書は電子データのまま保存するのが基本となりました。紙で受け取った請求書も、一定の要件を満たせばスキャナ保存が可能です。

電子データでの保存は、検索性の向上や保管スペースの削減にもつながります。

電子帳簿保存法については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:請求書は破棄していい?紙(原本)の保管や電子帳簿保存法のルールも解説

請求書処理の業務フローでよくある課題点

請求書処理は企業にとって不可欠な業務ですが、そのフローの中には効率化を妨げるいくつかの典型的な課題が存在します。具体的な課題点を理解することが、業務改善に向けた第一歩となるでしょう。

それぞれの課題について詳しく解説します。

受領の取りまとめに手間がかかる

請求書処理の課題として、受領と取りまとめの煩雑さがあります。これは、取引先ごとに請求書の受領方法やフォーマットが異なることに起因する問題です。

郵送で届く紙の請求書、メールに添付されるPDFファイル、特定のシステムからダウンロードするものなど、受領チャネルが多岐にわたると、集約し内容を確認する作業が複雑化します。

さらに、各部署に直接送付された請求書を経理部門へ集めるプロセスも、時間と手間を要する要因となるでしょう。

承認を得るまでに時間がかかる

請求書の支払い承認プロセスに時間がかかるケースも、多くの企業が抱える課題の一つです。

特に、紙の支払依頼書を用いた運用では、この問題が顕著に現れます。紙の申請書では、手書きでの記入や押印が必須となるため、申請書類を作成するだけでも相当な工数がかかるでしょう。

また、承認者が不在の場合は、プロセスが完全に停滞してしまう恐れがあります。たとえば出張やテレワークなどで承認者がオフィスにいない場合、支払いまでのリードタイムが長期化するのが課題です。

承認者が複数いる場合は、この問題はさらに深刻化し、支払い遅延のリスクを高める要因となるでしょう。

請求書の管理や閲覧がしにくい

請求書の保管方法によっては、後の管理や必要な際の閲覧が困難になるという課題も存在します。

特に、紙の請求書をファイリングして物理的に保管している場合、過去の特定の請求書を探し出すのに多くの時間を要する場合があります。キャビネットや段ボール箱の中から目的のファイルを探し、さらに一枚ずつ確認するといった手間が発生するでしょう。

また、電子帳簿保存法への対応が十分でないと、紙と電子データの二重で保存することになり、管理に手間や時間がかかってしまいます。

請求書処理フローの課題解決には管理システム導入がおすすめ

請求書処理フローにおける課題を解決する有効な手段として、請求書管理システムの導入が推奨されます。システム導入による具体的な効果について、詳しく解説しますのでお読みください。

効率的に業務が進む

請求書管理システムを導入するメリットの一つは、業務プロセス全体の効率化です。システムは、請求書の受け取りからデータ入力、仕訳業務といった一連の流れを電子化・自動化する機能を有しています。従来の手作業による時間や手間を大幅に削減することが可能です。

紙の請求書が完全になくならない場合でも、電子帳簿保存法に対応したシステムであれば、スキャンした電子データを原本として扱い、処理を進められます。

一部作業の自動化は、人為的な入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーの削減にもつながり、業務の正確性向上にも貢献するでしょう。

オンラインで申請・承認が可能になる

請求書管理システムなら、支払い申請から承認までのプロセスをオンライン上で完結できます。従来のような紙の支払依頼書を作成し、印刷して押印、そして社内で回覧するといった一連の手間が不要となります。そのため、申請業務が大幅に簡略化されるでしょう。

さらに、承認者はパソコンやスマートフォンから、時間や場所に縛られることなく承認作業ができます。出張中や、リモートワークを実施する場合でも、承認プロセスの停滞がなくなり、支払いまでのリードタイム短縮に大きく貢献するでしょう。

データの管理・検索が容易になる

請求書管理システムの導入は、請求書データの管理と検索性を飛躍的に向上させます。システム上で請求書データを一元管理するとペーパーレス化が進み、物理的な保管スペースが不要になるだけでなく、付随業務からも解放されます。

過去の請求書を確認したい場合は、検索機能を利用すれば、取引先名などの条件で瞬時に目的のデータを探し出すことが可能です。

システム導入によって、問い合わせ対応や監査時の資料提出などもスムーズに行えるようになります。また、紙の請求書を保管するためにかかっていた倉庫費用などのコスト削減効果も期待できるでしょう。

「バクラク請求書受取」で毎月の請求書処理を効率化

請求書処理のフローには受領・取りまとめの手間など、課題がつきものです。請求書処理業務の課題を解決し、効率化を図りたい企業は多いでしょう。

請求処理の課題解決に取り組むならバクラク請求書受取をご利用ください。バクラク請求書受取は、Webサイトやメールから送られてくる請求書PDFを自動で回収する機能を備えており、受領の手間を削減します。

さらに、搭載された高精度AI-OCRが請求書情報を読み取り、自動でデータ化するため、手入力作業はほぼ不要となり、入力ミスの防止にもつながるでしょう。

電子帳簿保存法やインボイス制度といった最新の法制度にも標準対応しているため、法令遵守の観点からも安心してご利用いただけます。毎月の請求書処理フローを効率化するために、ぜひバクラク請求書受取の詳細をご確認ください。

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