請求書に電子印鑑は利用できる?従来の印鑑との違いや使い方を解説します
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-07-27
ビジネスにおいては、請求書に印鑑を押すことが慣習となっています。近年では、請求書をはじめとした書類の電子化が進んでおり、電子印鑑の使用可否について気になっている担当者も多いでしょう。
本記事では、請求書に電子印鑑は使えるのか、また従来の印鑑との違いや注意点、押印方法などを解説します。電子印鑑の使用を検討されている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
請求書に電子印鑑は利用できる?従来の印鑑との違いや使い方を解説します
電子印鑑とは?
電子印鑑とは何か、またどの文書に採用できるのかを解説します。
電子印鑑とは何か
電子印鑑とはデータ化された印鑑のことで、電子文書に対応するものです。紙の文書の場合、一度プリントアウトしてから押印する必要がありますが、電子印鑑はPDFやExcelなどの電子文書にそのまま押印できます。電子化が認められている文書とは、電子帳簿保存法、e-文書法で電子保存することが定められた以下の文書です。
電子帳簿保存法で電子化が認められた文書
電子帳簿保存法で電子化が認められている文書は、税務署への申告に必要な以下のようなものが挙げられます。
- 請求書
- 注文書
- 帳簿類
- 決済関係書類
e-文書法で電子化が認められた文書
e-文書法で電子化が認められた文書とは、会社法・商法において、企業が原本を保存することが義務付けられている文書を指します。たとえば、以下のような文書です。
- 注文書
- 見積書
- 領収書
- 名簿
従来の印鑑との違い
電子印鑑には従来の印鑑と同等の法的効力があり、物理的な印鑑と同じように本人確認や日付確認に使用可能です。民事訴訟法では、「本人の著名もしくは押印がある契約書などの文書は偽造ではないと推定する」とされています。
電子著名法によって、「電子著名も従来の印鑑と同じ効力がある」と定められていることから、民事訴訟法の条文は電子印鑑にも適応されます。
電子印鑑が普及する背景
従来では、プリントアウトした紙の文書に押印したものを、スキャンして保存することが主流でした。電子印鑑を活用することで、プリントアウトやスキャンの工程を省略できるうえ、押印の手間も軽減されるため業務効率化の促進に役立ちます。
また、令和2年より、資本金額等が1億円を超える法人における法人税・消費税の電子申告が義務化されました。所得税の確定申告や年末調整手続きなどにおいても電子化が進んでおり、それにともない電子印鑑の普及も進んでいます。
電子印鑑は請求書に使用できる?
請求書においても、他の文書と同様に電子印鑑を使用できます。前述したように、そもそも請求書への押印は法的義務があるわけではなく、ビジネス上の慣習によるものです。しかし、印鑑が「認証された文書」であることの証明になるケースは多く、文書に印鑑を押すことは一般的といえます。電子化された請求書へ押印する際は、電子印鑑を利用することが可能です。
電子印鑑の種類
電子印鑑には、単純に印影をデータ化したものと、識別情報データを含むものの2種類があります。印影とは印鑑を押した跡のことです。画像データのみを電子印鑑として使用する場合、印影をスキャナーなどで取り込み、データ化したものを電子請求書に貼り付けます。
識別情報データを含む電子印鑑とは、印鑑の作成者や押印者、押印日時などの情報を含む電子印鑑のことです。
電子印鑑の作成・押印方法
ここでは、電子印鑑の作成方法と押印方法をそれぞれ解説します。
電子印鑑の作成方法
前述した2種類の電子印鑑のうち、印影をデータ化したものは社内で作成することが可能です。印影をデータ化するには、WordやExcel、専用システムなどを利用しましょう。たとえば、Excelの図形挿入機能を使って電子印鑑をデザインし、電子印鑑を作成する方法があります。
電子印鑑に識別情報を付与したい場合は、Adobe Acrobat ReaderのデジタルID を獲得することで、作成者や押印日付などの情報を加えることが可能です。
電子印鑑の押印方法
請求書へ電子印鑑を押印する際は、作成した印影の画像データを貼り付けるのみで完了します。電子印鑑は複雑な操作もなく、インクや印鑑の準備も必要ないため、手間や経費の大幅な軽減に役立つでしょう。PDFに直接押印する場合は、を使うことで、簡単に電子文書への押印が可能です。
自社作成の電子印鑑のデメリット
自社での電子印鑑が手軽に作成できる一方で、デメリットもあります。たとえば、不正アクセスやサイバー攻撃の危険性、文書改ざんや文書偽造の危険性などがあげられます。その他、簡単に作成できてしまうことから、文書の信頼性に欠けるといったデメリットもあるでしょう。
信頼性の高い電子印鑑を使うなら、専門サービスを利用し、識別情報を含む電子印鑑を作成することをおすすめします。
識別情報を含む電子印鑑の作成方法
識別情報を含む電子印鑑を作成するには、識別情報の付加に対応している電子決済サービス、もしくは電子印鑑サービスを利用しましょう。誰がいつ押したのかを情報として加えられれば、セキュリティ対策や信頼性の増加につながります。
また、電子印鑑の電子証明書を発行しておくことで、より信頼度の高い電子印鑑を作成することが可能です。費用はかかりますが、文書の改ざんや偽造のリスクを考えれば、識別情報を含む電子印鑑を作成することが望ましいでしょう。
まとめ
請求書をはじめ、電子文書には電子印鑑を使用することが可能です。電子印鑑は請求書のプリントアウトやスキャンなどの手間を省けるうえ、インクや印鑑を購入する経費も削減できます。信頼性の高い電子印鑑を作成するなら、識別情報を加えられる電子印鑑を作成するとよいでしょう。
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