「事務用品費」とはどんな勘定科目?消耗品費との違いや仕訳例を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-27
- この記事の3つのポイント
- 「事務用品費」は、事務作業に関する物品に用いる勘定科目で「消耗品費」の一部である
- 購入金額が10万円以上20万円未満、または耐用年数が1年以上の物品は「備品」に該当する
- 事務用品費は購入時や処分時だけでなく、翌事業年度へ在庫を振り替える際も仕訳が必要
事務用品を購入した際、どの勘定科目で仕訳をすべきか悩む方も多いでしょう。
本記事では「事務用品費」と「消耗品費」「備品」の違いや使い分け、具体的な仕訳方法を紹介します。本記事を参考にし、今後の経理業務にぜひお役立てください。
「事務用品費」とはどんな勘定科目?消耗品費との違いや仕訳例を解説
事務用品費とは?含まれる物品の具体例
文房具 | ボールペン、鉛筆、消しゴム など |
事務用品 | のり、はさみ、クリップ など |
OA用品 | コピー用紙、トナーカートリッジ など |
伝票類 | 領収証、請求書 など |
その他 | 印鑑、朱肉、スタンプ台、封筒、ファイル、バインダー、名刺 など |
消耗品費・備品との違いや使い分け
事務用品費と混同しやすい勘定科目に「消耗品費」「備品」があります。事務用品費との相違点や使い分けのポイントを解説しますので、理解を深めて正しい仕訳を行いましょう。
消耗品費とは
「消耗品費」とは、購入金額が10万円未満または耐用年数が1年未満の物品に用いる勘定科目のことです。消耗品費で計上できる物品の具体例は、以下のとおりです。
事務用デスク・チェア、パソコン本体・周辺機器、時計、携帯電話、カメラ、加湿器、ホワイトボード、ロッカー、スリッパ、タオル、電池・電球、清掃用品、洗剤、ゴミ袋、ティッシュ など |
事務用品費と消耗品費には「事務作業に関わる物品か否か」の違いがあるものの、要件は同じです。そのため、事務用品はどちらで計上しても税法上問題ありません。
ただし、以下の場合は事務用品費と消耗品費を分けて計上するのが望ましいです。
- 消耗品費の総額が高額な場合
- 勘定科目ごとの費用を明確に把握したい場合
事務用品費で計上可能な物品を消耗品費にまとめると、消耗品費がほかの勘定科目に比べて高額になり、経費の使い方に不審点があるとして税務調査が入るかもしれません。
正しく計上していれば問題ありませんが、対応に時間や手間を要して日々の経理業務に支障をきたす可能性があります。
また、勘定科目ごとの費用を明確に把握できると、コスト管理がしやすくなります。
たとえばペーパーレス化の推進でコピー用紙や封筒代を削減できた場合、事務用品費のコスト減になったことを容易に把握できるでしょう。
消耗品費の具体例や、ほかの勘定科目との違いについて知りたい方は以下の記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:「消耗品費」とはどんな勘定科目?具体例の一覧と他の費用との違いを解説
備品とは
「備品」は購入金額が10万円以上20万円未満または耐用年数が1年以上の物品のうち、消耗品費に該当しないものを指します。
備品の具体例は以下をご覧ください。
冷暖房機器、冷蔵庫、電子レンジ、応接セット、じゅうたん、カーテン(1部屋分で1組)、コピー機、パソコン、カメラ、美術品、看板、検査工具、測定工具 など |
備品は、事務用品費や消耗品費と要件が異なります。パソコンやカメラなどの消耗品費にも該当しうる物品を購入した際は、金額に応じて適切な勘定科目で仕訳を行いましょう。
事務用品費の仕訳例
事務用品費の仕訳は、主に以下の場面で必要です。
- 事務用品を購入したとき
- 一括購入した事務用品を決算時に貯蔵品へ振り替えたとき
- 不要な事務用品を処分したとき
それぞれ、どのような仕訳が必要か具体例とともに解説します。
事務用品を購入した
購入時の事務用品費の仕訳は、購入取引が成立した時点で行うのが原則です。
たとえば「3,000円のコピー用紙を購入した場合」は、以下のように仕訳を行います。
〈現金で支払った場合〉
借方 | 貸方 | ||
事務用品費 | 3,000円 | 現金 | 3,000円 |
〈オンラインで購入し、送料1,000円との合計金額を事業用カードで決済した場合〉
借方 | 貸方 | ||
事務用品費 | 4,000円 | 未払金 | 4,000円 |
〈オンラインで購入し、届いた請求書をもとに商品代+送料の振込処理を行った場合〉
借方 | 貸方 | ||
事務用品費 | 4,000円 | 預金 | 4,000円 |
まとめ買いした事務用品を決算時に貯蔵品に振替えた
まとめ買いした事務用品の在庫が決算時に残っている場合は、未使用分を貯蔵品に振り替える必要があります。
ただし、一定の数量を毎年度消費している物品は例外です。たとえばコピー用紙を毎年度継続購入している場合、貯蔵品に振り替える必要はありません。
例として「1本100円のボールペンを50本まとめて購入した場合」の仕訳方法を、一連の流れで以下に紹介します。
〈購入時:代金を現金で支払った場合〉
借方 | 貸方 | ||
事務用品費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 |
〈決算時:30本の在庫が残った場合〉
借方 | 貸方 | ||
貯蔵品 | 3,000円 | 事務用品費 | 3,000円 |
〈翌期首:貯蔵品に振り替えた在庫の再振替仕訳〉
借方 | 貸方 | ||
事務用品費 | 3,000円 | 貯蔵品 | 3,000円 |
仕訳漏れは現金過不足の発生につながるため、決算時や翌期首は特に慎重な処理を心がけましょう。
不要になった事務用品を処分した
不要になった事務用品は、処分完了後に以下のような仕訳を行いましょう。
〈不要になったカメラを、回収業者に依頼して3,000円で処分した場合〉
借方 | 貸方 | ||
雑費 | 3,000円 | 現金 | 3,000円 |
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「事務用品費」は事務作業に関する物品に用いる勘定科目で、購入金額が10万円未満または耐用年数が1年未満のものが対象です。
消耗品費と要件は同じため、事務用品はどちらで計上しても問題ありません。しかし消耗品費の総額が高額になる場合や、勘定科目ごとの費用を明確に把握したいときは使い分けるのがおすすめです。
事務用品費で計上した物品は購入時だけでなく、決算時に在庫が残っている場合や処分時も仕訳が必要な点をあわせて理解しておきましょう。
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