レシートや領収書の再発行は基本的にできない!紛失した場合の対応や代替手段
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-20
経費精算に必要な領収書を紛失してしまった際は、経費精算ができなくなるのではないかと心配になるかもしれません。しかし、適切に対処することで、領収書やレシートの再発行ができることもあります。
本記事では、レシートや領収書を紛失した場合の対応や代替手段について解説します。領収書やレシートの再発行が可能かどうか、また、再発行を頼まれたときの対応や再発行時の注意点などもあわせて紹介しますので、参考にしてみてください。
レシートや領収書の再発行は基本的にできない!紛失した場合の対応や代替手段
レシート・領収書を失くしてしまった場合の対処法
最初に、レシートや領収書を失くしてしまった際にとるべき6つの対処法をご紹介します。
経理担当として経費精算の処理をしている際に、レシートや領収書を紛失したと従業員から申告されるケースは珍しくありません。もし従業員がレシートや領収書を紛失してしまった場合には、以下のいずれかの方法で対処しましょう。
なお、領収書やレシートの再発行については、こちらの記事も参考にしてください。
領収書の再発行を依頼された時に「二重発行」のリスクを避ける書き方と対応策
お店に再発行を依頼する
領収書を紛失した際は、領収書の再発行を依頼してみましょう。しかし、領収書の再発行を承諾するかどうかは、事業者の判断に委ねられます。なぜなら、領収書の再発行に法的な義務はないためです。
基本的に、領収書の再発行は拒否される傾向にあります。理由は、経費の水増しに繋がりかねなかったり、脱税の加担を疑われたりする可能性があるからです。
なかには、悪用を防ぐための手順を施した上で再発行に応じてくれる会社もあります。そのため、再発行の依頼が失礼に当たる相手でなければ、まずは再発行の可否について聞いてみましょう。ただし収入印紙が必要な領収書の再発行は、先方に負担をかける可能性があります。
なお、公共交通機関の領収書は、乗車券やクレジットカードの利用票を提示することで、発行してもらえることがあります。
領収書(レシート)で代用する
領収書がない場合はレシートでも、レシートがない場合は領収書でも、どちらでも証憑としての役割を果たすため、十分代用できます。
しかし、レシートには宛名がないため、税務調査が入った際に、該当する支払いが事業の経費支払いのために行われたのか証明が難しい場合もあるため注意が必要です。特に、高額の場合はレシートより領収書の方が、信頼感があるとされています。
また、感熱紙のレシートは時間が経つと文字が消えやすいため、風通しの良い冷暗所に保管するなど、変色・退色してしまわないよう保管方法に気を付けましょう。
利用明細や購入証明書で代用する
クレジットカードの利用明細や購入証明書なども、領収書の代わりになります。
支払いにクレジットカードを利用していれば、利用明細の記録そのものが領収書として機能します。なぜなら、クレジットカードの利用明細は、第三者による公式記録として税務調査にも対応しているからです。
また、一部の事業者は、購入証明書や支払証明書の発行に対応しています。購入証明書や支払証明書は、領収書と同じく支払いの証明としての機能を持ちます。
そのため、購入証明書や支払証明書は領収書を紛失した場合に、領収書の代替として使用可能です。しかし、購入証明書や支払証明書を発行する際は、一定の費用が発生することが一般的です。
通帳記録や振込明細で代用する
通帳記録やATMの振込証明書、インターネット通販の購入確認メールなども、証憑として有効です。通帳記録や振込明細は支払者が改ざんできないため、支払いを証明できるものとして認められます。
なお、決済の記録やメールでのやり取りの履歴なども残しておくと、より支払いの証明に有効です。1つだけでは証憑にならなくても、振込明細書+メールのやり取りなど複数の履歴を組み合わせることで支払いの証明になります。
領収書やレシートを紛失してしまった際には、通帳記録や振込明細を探した上で、決済の記録やメールでのやり取りも確認してみましょう。
出金伝票で支払の裏付けを証明する
出金伝票を活用することで、領収書やレシートの紛失に対応できる可能性があります。
出金伝票とは、現金を支払った際に起こす書類(冠婚葬祭のご祝儀、香典など領収書が出ない場合)です。出金伝票を領収書の代わりとするためには、以下の項目を書きましょう。
- 支払先
- 日付
- 領収書の但し書きに相当する内容
- 金額
- 領収書を紛失した旨
ただし、出金伝票は宛名がなく、自分で書いているため、領収書やレシートよりは信頼性は劣ります。複数の証憑で支払いを裏付けるために有効的なので、決済の記録やメールでのやり取りの履歴などを確認してみましょう。
領収書・レシートの再発行は基本的に難しい理由
領収書やレシートの再発行は、以下の2つの理由から基本的に困難です。
1.悪用されるリスクがある
領収書やレシートを再発行すると、実際に決済したのは1回だけなのに、経費として二度請求されてしまうなど悪用されるリスクがあります。
税務調査で二重請求が発覚すれば、再発行に応じた企業や店舗側も脱税を疑われかねません。意図せず不正に加担するリスクがあるため、再発行に応じていないケースが多いです。
2.法的に応じる義務がない
領収書やレシートは支払われた方が発行する義務はありますが、再発行については法律で義務付けられていません。そのため、リスクやデメリットを考えて、領収書やレシートの再発行に応じない企業は多いです。
領収書を再発行する際に気を付けてほしいこと
ここまで解説してきたように、領収書の再発行は悪用されるリスクや、意図せず不正に加担するリスクがあります。極力リスクを回避するためにも、領収書を再発行する際は細心の注意が必要です。
領収書を再発行する際の注意点については、こちらの記事も参考にしてください。
領収書の再発行を依頼された時に「二重発行」のリスクを避ける書き方と対応策
最初の領収書があれば必ず回収する
以前発行された領収書があるなら、それを返却してもらってから再発行しましょう。領収書を回収するのは、領収書を悪用されたり不正利用されたりするのを防ぐためです。
返却された領収書は、証拠として機能するため保存・保管しておきましょう。再発行した領収書についても、番号や日付を記録しておくと管理しやすくなります。これらの対応によって、再発行の過程で正確な記録を付けたり、整合性を保持できたりします。
紛失した場合は、出てきたら速やかに破棄してもらうよう伝えることも重要です。
再発行した経緯を記載する
領収書を再発行した経緯を記載しておくことも大切です。
取引先が紛失を理由に再発行を依頼してきても、紛失の理由の真偽は分かりません。再発行を依頼する理由が、二重発行からの不正使用を目的としている可能性もあります。
将来的なトラブルに備えたり、税務署からの疑いを晴らしたりするために、再発行に至った理由を正確に説明できるようにしましょう。
具体的には、紛失した旨の申し出があったことや、オリジナルの領収書を回収できなかったことを記録すると効果的です。
再発行した領収書も収入印紙が必要である
領収書に5万円以上の金額が記載される際は、金額ごとに適切な収入印紙と割り印が必須です。そして、この条件と対応は再発行される領収書にも適用されます。
最初の領収書を発行した際に印紙代を払っていたとしても、再発行時には改めて印紙代を支払うことが求められます。
なお、金額が5万円を超える領収書に収入印紙を貼っていないと、印紙税法違反になるため注意が必要です。
証憑の紛失を防ぐには経費精算システムの導入がおすすめ
証憑の紛失を防ぐには、経費精算システムの導入がおすすめです。
「バクラク経費精算」では、複数枚のレシートや領収書をシステム上にアップロードすると、AI-OCR機能によって一括で自動読み取りできます。領収書の使いまわし自動判定などの機能も搭載されているため、人為的なミスの防止にも効果的です。
また、タイムスタンプの付与により原本を保存する必要がなくなるため、領収書原本の紛失や再発行の問題も防げます。
まとめ
お伝えしてきたように、領収書やレシートを紛失した場合の対処法はいくつかあります。
事業者側に再発行を依頼したり、通帳記録や振込明細で代用したりとさまざまな方法がありますが、基本的に領収書やレシートの再発行は悪用防止などの理由で応じていないことが多いです。再発行を断られてしまったら、他の方法を試してみましょう。
バクラク経費精算は、手作業を自動化できる経費精算システムです。領収書を電子データとして保管・管理できるため、原本の紛失や破損によるトラブルを防げます。請求書の発行についてお悩みを抱えている方は、ぜひ以下もご参照ください。