経費精算でありがちなミス10選とミス防止に有効な5つの対策
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-13
「必要な領収書が添付されていない」「申請書の合計金額と領収書の合計金額が一致していない」など、経費精算のミスが経理担当者の大きな負担になっている企業も多いのではないでしょうか。効率的な業務の妨げとなる経費精算のミスは、業務フローのシンプル化や自動化を進めることで最小限にできます。
この記事では、経費精算でありがちなミスを10個紹介するとともに、ミスを減らすために有効な5つの対策を紹介します。
経費精算でありがちなミス10選とミス防止に有効な5つの対策
経費精算でありがちなミス10選
経費精算は従業員が個人で申請を上げるケースが多く、上司による承認も必要なため、手続き中にミスが起こりやすくなっています。まずは、よくある10個のミスを見ていきましょう。
(1)必要な領収書を貼付し忘れる
経費精算にあたっては、金額や支払い目的を示す証拠書類の添付が必要です。しかし、従業員が申請時に領収書等を貼付し忘れることがよくあります。
このミスがあると、貼付忘れによる申請の差し戻しや領収書の回収など、従業員・経理担当者ともに負担が増えてしまうでしょう。
(2)交通費申請で定期区間を含めてしまう
通勤手当などで自宅からオフィスまでの定期券代を支給している従業員の場合、定期券に含まれる区間分の運賃は経費から除いて申請しなければなりません。
従業員がこのことを十分に認識せず、定期券の区間も含めて申請していると、差し戻しや費用再計算の手間が余計にかかってしまいます。
(3)交際費申請で相手先を記入し忘れる
経費計上できるのは企業の事業運営にかかわる費用のみです。交際費で計上できるのは、取引先や得意先との接待時の飲食代や、手土産代などが該当します。
支払った費用が事業運営に関係していることを示すため、交際費申請では相手先の企業名や氏名、参加人数などを記入する必要があります。これらの項目を記載し忘れると、上の項目と同様に差し戻しや再確認の手間が生じるでしょう。
(4)費用科目を誤って記入してしまう
従業員が経費精算を申請するときには、申請する費用ごとに正しい費用科目を設定しなければなりません。
しかし、費用科目は細かく分けられているために把握しきれていない従業員も多く、費用科目を誤ったまま申請を上げてしまうことがあります。誤って振り分けられていると、申請の差し戻しや科目設定の訂正に手間がかかってしまいます。
(5)誤った合計金額を記入してしまう
申請内容においては、添付した領収書等の合計額と申請額の合計が一致していなければなりません。
2つの合計額が一致しない場合、領収書の貼り忘れや過少もしくは過大な申請である可能性があります。こうしたミスが頻発すると、申請が来るたびに金額を細かくチェックする必要が生じ、経理担当者の手間が増えてしまいます。
(6)必要項目を埋めずに申請してしまう
申請時は、上の5つの項目以外にも記載しなければならない項目が設定されています。社内規定で記載項目を周知していても、従業員が十分に理解していないと、必要項目の記載漏れが起こりやすくなるでしょう。
必要項目の記載漏れが一つでもあると、経理担当者によるチェックや差し戻しの手間が生じ、経理業務が増大してしまいます。
(7)承認者のチェック漏れがある
経費申請の業務フローは企業によって異なるものの、ほとんどの場合、あらかじめ定められた承認者の承認を経て、経理担当者のチェックへと進みます。
承認者が経費申請のルールを理解していれば、経理担当者に上がる前にミスを発見でき、全体の業務負担を軽減できるはずです。
しかし、承認者の経費精算に関する理解が甘いケースではチェック機能が十分に機能せず、結局経理担当者の負担が増えてしまいます。
(8)承認者の承認忘れで申請期限を過ぎてしまう
社内規定において「経費は発生した日から1ヵ月以内に精算すること」など、一定の申請期限を設けているケースも多いでしょう。申請期限を過ぎた場合には、期限を超過した理由を示すなど新たな手間が発生します。
申請者本人は決められた期限前に申請していても、承認者の承認が遅れて期限を過ぎてしまうパターンもあるでしょう。特に年度末にこうしたミスがあると、会計上の問題が発生するなど、経理担当者の手間が余計にかかるため注意が必要です。
(9)経理担当者が領収書を紛失してしまう
申請者による書類の貼り付けがしっかりおこなわれておらず、書類が処理される間に領収書等が剥がれてしまい、経理担当者が紛失してしまうというミスも起こり得ます。
証拠書類がなくなってしまうと精算自体が難しくなるケースもあるため、紛失しないよう細心の注意が必要です。
(10)経理担当者が入力内容を誤ってしまう
経理担当者は全社員からの申請をチェックし、会計システムなどに情報を転記しなければなりません。申請内容に不備がなかったとしても、転記時に入力内容を誤るというのはありがちなミスです。
入力ミスを見逃していると決算時に金額が合わず、原因を突き止めるのに時間と手間を要するおそれがあります。
経費精算でのミスが起こる5つの理由
上記のよくあるミスが起こるのには大きく5つの理由があると考えられます。以下の原因を一つずつ解消することで、経費精算におけるミスは低減できるでしょう。
(1)経費精算のルールが周知徹底されていないから
経費精算のミスの多くは申請者や承認者が引き起こします。そもそも経費に関する社内規定が従業員にしっかり周知されていないと、認識違いが生まれてミスの増加につながります。
ミスを減らすには、承認者を含む全従業員がルールをしっかりと理解したうえで、そのルールを遵守する意識を醸成する必要があるでしょう。
(2)経費精算の手続きが煩雑でわかりにくいから
ワークフローの煩雑さがミスにつながっている可能性もあります。経費精算は企業会計において重要な処理であり、申請手続きは慎重かつ確実におこなわれる必要があるのは確かです。
だからといってワークフローが複雑だと、多忙な従業員が独自のやり方を取るようになってしまい、ミスが増えるでしょう。
経費計上の正確性を保ちつつも、従業員の負担を増やさないよう、手続きは極力シンプルにすることが大切です。
(3)紙ベースで管理しているから
すべてを紙ベースで管理しているとミスが起こりやすくなります。紙ベースの経費精算の場合、従業員があらかじめ定められたフォーマットにしたがって自ら申請額を計算。記入した申請書を印刷して領収書を貼付するという流れになります。
すべてを手作業や手入力でおこなう必要があるため、どうしても人為的なミスが発生しやすいのです。
ミスを減らすには、精算業務のペーパーレス化と自動化を進め、手作業や手入力そのものを減らす工夫が求められます。
(4)経理担当者の業務が多すぎるから
経費精算では申請者や承認者によるミスだけでなく、経理担当者によるミスも見られます。経理担当者の業務は精算に関するものだけではありません。請求書業務、給与計算、決算業務など企業経理に関するあらゆる業務を担当しており、多忙なケースも少なくないでしょう。
ただでさえ多忙にもかかわらず、経費精算のミスが重なると余計に業務量が増えてしまいます。その結果、経理担当者自身のミスにつながります。
(5)月末や締日に精算が集中するから
紙ベースや企業の内部システムでしか申請・承認ができない場合、オフィスに出社しないと精算業務ができません。リモートワークや外回りが多い企業や部署では、精算業務による出社手間を少しでも減らすため、都度ではなくまとめて精算する従業員が多くなります。
まとめての精算が増えると、月末や経理の締日に精算が集中してしまい、繁忙になった経理担当者のミスを招いてしまうでしょう。また、申請者や承認者も細かなミスに気付きにくくなります。
経費精算のミスを減らすのに有効な対策5選
経費精算におけるミスには、大きく5つの要因があると紹介しました。5つの要因を解消し、ミスを軽減するためにはどのような方法が求められるのでしょうか。ミスを減らすのに有効な5つの対策について解説します。
(1)社員へのルールの周知を徹底する
ミスを減らすには、経費精算に関するルールを検討し、明確化することはもちろん大切です。過去に実際あったミスに対応する内容を取り入れておくと、同じようなミスが繰り返されるのを防ぐことができます。
ただ、それ以上に重要なのが、定めたルールの内容を従業員一人ひとりに周知することです。社内メンバーの入れ替わりもあるので、一度きりではなく繰り返し定期的に発信を続ける必要もあるでしょう。
ルール変更があった際は、後に紹介する経費精算システム上で発信すると、全従業員へ漏れなく伝達できます。
(2)経費精算の手続きをシンプルにする
よくあるミスの項で紹介したとおり、ワークフローが複雑だと従業員が独自の方法で申請するようになり、ミスを引き起こす可能性があります。手続きをできるだけシンプルにすることで、従業員の負担軽減とミス防止につながるでしょう。
ワークフローを簡易化するといっても、経費計上の正確性は維持しなければなりません。手続きのわかりやすさと正確性を両立させるのにも、経費精算システムの導入が有効です。
(3)ペーパーレス化を進める
手作業が増えるほど、人為的なミスが発生するリスクが高まります。申請内容をフォーマットに入力し、領収書等と照らし合わせながら合計金額を入力するという流れには、ミスを起こしやすい要素が多数あります。こうした従業員による手入力を減らすことがミス防止につながるのです。
領収書等のデータ化、申請の電子化などペーパーレス化を進めれば、人為的なミスの減少が期待できるでしょう。
(4)キャッシュレス化を進める
ペーパーレス化と併せて進めたいのがキャッシュレス化です。従業員が経費を立て替えて支払うと精算業務が複雑になり、ミスが起こりやすくなります。領収書等の証拠書類の管理も必要になるので、紛失のリスクも高まるでしょう。
費用支払いをキャッシュレス化して立て替え精算を不要にすれば、精算業務がシンプルになり、こうしたリスクを軽減できます。
キャッシュレス化の例としては、従業員が支払いに利用できる法人カードの導入、交通系ICカードとの連携による交通費精算の自動化などが挙げられます。法人カードやICカードを使用すると金額や支払い情報が自動でシステムに入力されるため、手作業によるミスを防ぐことが可能です。
(5)経費精算システムを導入する
経費精算のミスを減らすのに大きな効果を期待できるのが経費精算システムの導入です。クラウド管理で一連の精算業務を一元化できる経費精算システムを導入すれば、ミスを引き起こしやすいあらゆる業務を自動化できます。
領収書のデータ取り込みやデータ申請ができるシステムを選べば、必然的にペーパーレス化の実現が可能です。法人カードや会計ソフトと連携することで、経費にまつわるキャッシュレス化もかなえられます。
ワークフローを自動化して人為的要素をできるかぎり減らすことで、経費精算でありがちなミスを最小限に抑えられるでしょう。
「バクラク経費精算」でミスを減らした3つの事例
経費精算でありがちなミスを防ぐには、経費精算システムの導入が有効と紹介しました。ここでは「バクラク経費精算」の導入によりミスの軽減に成功し、業務の効率化を実現した3つの事例を見ていきましょう。
(1)シンプルな運用で社員のミスを低減
株式会社アンドパッド様は「バクラク請求書」「バクラク申請」と併せて「バクラク経費精算」を導入しています。
従来は支払い申請にSlackを用い、精算業務は別のシステムでおこなっていました。この方法だと、各従業員がそれぞれにアップロードしたデータを経理担当者が拾ったうえでチェックしなければならず、担当者の負担が大きいのが課題でした。
「バクラク申請」と「バクラク経費精算」を併用することで、申請を含む精算業務がすべて自動化。作業しやすいUIにより、実際に利用する従業員への展開もスムーズにできたといいます。
その結果、もともと9営業日かかっていた月次決算が5営業日で締められるようになり、全社的な効率アップを実現しました。
月次決算を4営業日短縮!アンドパッドの業務効率化は「精度」と「速度」を同時に高めること
(2)手入力の排除でケアレスミスを防止
事業拡大期に際してコーポレート部門強化に取り組む中で、「バクラク経費精算」「バクラク請求書」「バクラク申請」を導入した株式会社Morght様を紹介いたします。
同社が高く評価するのが、AI-OCRによる自動読み取りの精度の高さです。読み取りだけでなく、ファイル名の自動作成や、頻繁に使用する科目を見つけやすくするなど細かな部分も自動化できるため、従業員による入力作業を徹底的に簡略化できています。
社員数が少ないうちから経費精算システムによるワークフローを確立することで、組織が成長しても、ミスの起きにくい運用が可能になるでしょう。
月次決算の工数が10分の1以下に!バクラクでミスを減らし、処理時間を大幅短縮
(3)月2〜3時間の申請時間短縮でミスを低減
Byside株式会社様も、AI-OCR機能による工数削減の効果を強く感じています。
担当者の前職では交通費申請や立て替え申請が多く、申請作業が従業員の負担になっていました。この負担を最小化するため、同社では創業期から「バクラク経費精算」を導入。従業員の申請作業にかかる手間を大きく軽減しています。
その結果、前職では月3〜4時間かかっていた申請業務を2〜3時間ほど短縮でき、申請におけるミスの低減にもつながっているようです。
創業期にバクラク経費精算を導入。AI-OCRの力で申請者の負担を最小限に抑えられるように
まとめ:経費精算システムの導入でミスを減らし業務効率化を実現しよう
経費精算におけるミスは、申請者、承認者、経理担当者それぞれの人為的なものが大半です。ワークフローを極力自動化し、手作業による入力や計算を減らすことで、ミスの削減と業務効率化を実現できるでしょう。
精算業務の効率化には経費精算システムの導入がおすすめです。新たなシステムの導入時には社員教育や周知が必須になりますが、「バクラク経費精算」ならUIがシンプルで、使うのが初めてでも直感的に使い方が理解できます。
スムーズに導入できて、業務効率化に効果的な経費精算システムを探しているなら「バクラク経費精算」をぜひご検討ください。