代引き手数料の勘定科目とは!3つのケースに沿って詳しく解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-08-21
経理の担当になると、勘定科目の複雑さに頭を抱えることも少なくないでしょう。特に、代引きの手数料はケースによって勘定科目が異なるため、注意が必要です。この記事では、適切に仕訳を行うために、代引き手数料の勘定科目について詳しく解説します。
代引き手数料とは
代引きとは、ECサイトやECモールなどで購入した商品について、受け取りとともに商品代金の支払いができる決済方法です。商品の販売店の代わりに配送業者が代金を集金します。どの配送業者を利用するかにもよりますが、現金だけでなくクレジットカード決済やキャッシュレス決済も選択できます。
代引き手数料とは、代引きを利用するために配送業者へ支払う料金です。集金を依頼するための手数料であるといえます。代引き手数料は基本的に配送料とは別に設定されており、それぞれ料金を支払う必要があります。代引き手数料の勘定科目については後で詳しく解説するため、あわせて参考にしてください。
着払いとの違い
すでに触れたとおり、代引きの場合、受け取りの際にやり取りされるお金は商品代金です。一方、着払いの場合、商品の受け取りの際に配送業者へ支払われるお金は送料のみです。商品代金は事前に決済されており、受け取りの際には請求されません。着払いに手数料はかかりませんが、元払いよりも送料そのものが高く設定されている場合が多いです。
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代引き手数料の勘定科目は3種類ある
代引き手数料の勘定科目はケースによって異なるため、注意が必要です。商品を販売して相手に商品代金、送料、代引き手数料を請求した場合、代引き手数料の勘定科目は売上高になります。それに対し、仕入の際の送料と代引き手数料を請求された場合、代引き手数料の勘定科目は仕入高となります。
また、社内で使用する消耗品を代引きで購入した場合、代引き手数料の勘定科目は消耗品費です。
それぞれのケースでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、勘定科目の売上高、仕入高、消耗品費の詳細について解説します。
【勘定科目】売上高
売上高は、実現主義の原則で計上する必要があります。売上高として計上できる内容は、商品の販売または役務の給付によって得た収入などです。商品の販売の場合、商品が実際に引き渡されたタイミングで計上します。役務の給付については、役務を提供したときに計上が必要です。
売上高の基準は発生主義であり、取引が行われた時点で計上しましょう。また、出荷基準や検収基準などが計上基準になりますが、合理性があるものを選ぶ必要があります。
【勘定科目】仕入高
仕入高とは、販売する商品の売上高に対応する原価の仕入分を表しています。仕入高を計上するタイミングは、商品を仕入れたときです。仕入高を計上する際は、計上基準に注意しましょう。仕入高の計上基準は、実務的には検収基準と支払基準があります。
検収基準は、発注分を確認した際に支払債務を確定する考え方です。発注分であると確認できなければ支払債務の確定は行いません。一般的には、検収基準を計上基準とします。支払基準は、商品や材料の購入代金を支払った際で仕入債務を計上する考え方です。ただし、事故やミスなどにより発注分が届かなくても経費を計上してしまう恐れがあるため注意しましょう。
【勘定科目】消耗品費
消耗品費は、鉛筆、コピー用紙、伝票類の作成費など、主に事務処理に関する費用です。消耗品費は、取得した際に処理します。期末に未使用のものは貯蔵品に計上するとされていますが、重要性が低いものについては取得した時点で処理しても構いません。細々とした消耗品について期末にすべて計上するとなると手間がかかりすぎ、現実的ではないからです。
代引き手数料を支払手数料に仕訳できる場合もある
自社で商品などの仕入れや購入をした場合には、代引き手数料の勘定科目を支払手数料として計上しても問題はありません。商品に合わせて計上することが一般的ですが、価格の管理がしにくくなる場合は、代引き手数料を「支払手数料」として仕訳してもよいでしょう。
支払手数料については、以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】主な配送業者の代引き手数料
ここでは、参考として主な配送業者の代引き手数料を紹介します。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の各社に代引きを依頼した際にかかる代引手数料は、以下のとおりです。
代金引換額 | 代引き手数料(税込) | |
ヤマト運輸 | ~9,999円 | 330円 |
~29,999円 | 440円 | |
~99,999円 | 660円 | |
~300,000円 | 1,100円 | |
佐川急便 | ~10,000円 | 330円 |
~30,000円 | 440円 | |
~100,000円 | 660円 | |
~300,000円 | 1,100円 | |
~500,000円 | 2,200円 | |
~600,000円 | 6,600円 | |
600,000円超は100,000円増すごとに | 1,100円を加算 | |
日本郵便 | ‐ | 一律290円 |
ヤマト運輸の1回の代金引換額の上限は300,000円です。佐川急便の上限は、500万円となっています。日本郵便の代引き手数料は、代金引換額によらず一律です。なお、消費税を除く代金引換額が5万円以上であり、それを現金で支払う場合、印紙代も必要です。
※参考:
まとめ
代引き手数料の勘定科目は複数あり、状況に応じて処理する必要があります。それぞれの違いを理解したうえで、適切に仕訳を行いましょう。
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