法人カードの審査基準と審査に落ちないための対策
法人カードの申し込みには、個人向けクレジットカード同様に審査があります。ただし、法人カードの審査対象と審査基準は、各カード会社とカードの種類・ランクによって異なります。
この記事では、法人カードの審査基準や、法人カードの審査に落ちないようにするための対策などをお伝えしていきます。
法人カードの審査対象
法人カードの審査対象は、カードの種類によって異なります。法人カードには、従業員が20名以上の企業に発行される「コーポレートカード」、20名以下の企業に発行される「ビジネスカード」、法人だけでなく事業部ごとに発行する「パーチェシングカード」の3つに分けられます。
このうち、「コーポレートカード」と「パーチェシングカード」の審査対象は、カードを使用する個人ではなく、法人と法人の代表です。これは法人カードの支払いが、法人口座からの引き落としになるためです。「ビジネスカード」は個人事業主でも申し込めるカードになので、法人と法人の代表の他、個人の信用情報に依存します。
法人カードの審査基準

法人カードの審査は、カード会社独自の審査基準に則って行われており、詳しい基準は公開されていません。
ただし、法人カードの審査は、カードを作成する法人に支払い能力があるかを調べるためにおこなわれるものです。そのため、法人の経営実績や財務情報のほか、過去のローンの借り入れ状況をはじめとした法人代表者の信用情報などは重視されると考えられます。そのほか、カードのランクによっても審査を通過する難易度は変わります。
法人カードは、一般的に「一般カード」「ゴールドカード」「プラチナカード」「ブラックカード」の順にランクが上がっていきます。ランクが上がれば上がるほど、利用限度額が高くなるため、審査も厳しくなる傾向にあります。
法人カードの審査に落ちる可能性があるケース
法人カードの審査では、法人の経営状態や、法人の代表者の信用情報が重視されると考えられます。それらの状態が芳しくないと、法人カードの審査に落ちる可能性があります。法人カードの審査に落ちるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
法人代表者本人に2カ月を超える長期延滞がある
法人カードの審査では、法人代表者の信用情報も考慮され得ます。たとえば、法人代表者本人に2カ月を超える長期延滞があると、信用情報に登録され、ローンの借り入れや法人カードの発行が難しくなる可能性があります。
過去に返済の遅延があったかどうか知りたい場合は、以下の信用情報機関に確認することができます。
過去に債務整理をしている
債務整理とは、債権者に対して借金の減額や返済方法の決め直しを交渉することです。債務整理には、債権者に直接交渉する「任意整理」や、裁判所に申し立てをして借金を大幅に減額してもらう「個人再生」、裁判所に申し立てをして借金を免責にしてもらう「自己破産」などがあります。
これらの債務整理は、支払い能力の有無を判断する基準の一つとされ、信用情報に登録されます。そのため、法人または法人代表者が過去に債務整理をしていると、法人カードの審査に通りにくくなる可能性があります。
会社を設立したばかりで実績がない
法人カードの審査では、会社の経営実績も参照され得ます。そのため、会社を設立したばかりで判断できる実績がないと、審査に通りにくくなる可能性があります。
ただし、審査で確かめたい条件の一つは、返済能力があるかどうかです。そのため、会社を設立したばかりであっても、貸し倒れのリスクが小さいと判断されれば、審査に通ることもあります。
法人カードの審査に落ちないための対策

法人カードの審査では法人としての経営実績や財務状況をチェックされる可能性があることから、法人を創設して事業を運営していることが外から見てわかる事実を用意しておくことが大切です。
開業届の提出
開業届とは、個人が事業を立ち上げたことを示すために提出する書類で、正式名称は「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」と呼ばれます。事業の開始1カ月以内に税務署に提出することが義務付けられています。提出しなかった場合に罰則はありませんが、法人としての信用を担保するために、開業届を提出することは大切です。
法人名義の銀行口座を創設
法人カードの引き落とし口座は、基本的に法人名義の口座となります。カード会社によっては法人代表者の個人名義の口座でも申し込みできるケースもありますが、法人と個人の資産の違いが不明瞭で、審査が通りにくくなる可能性があります。法人格を持った企業であれば、法人名義の銀行口座をつくっておいたほうが無難です。
自宅ではない場所に事務所を構える
事務所が自宅にある場合は、法人として事業を行っていることが外から見てわかりにくく、審査に時間がかかったり、通らなかったりする可能性があります。自宅ではない場所に事務所を構えたほうが法人としての信頼を得やすくなり、法人カードの審査がスムーズに進むこともあります。
