休日出勤手当とは?発生するケースと割増率・計算方法を解説

休日出勤手当は、休日の種類や深夜労働の有無で割増率が変動するため、計算が煩雑になりがちです。手当の未払いは法律違反であり、企業にとっては罰則などのリスクが生じます。

本記事では、休日出勤手当が発生するケースから具体的な計算方法、未払いの場合の罰則まで、労務担当者が抑えるべきポイントを詳しく解説します。

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休日出勤手当とは?発生するケースと割増率・計算方法を解説

休日出勤手当とは?

休日出勤手当とは、法律で定められた休日に従業員が労働した際に支払われる割増賃金です。休日出勤手当を正しく理解するには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。

  • 法定休日の労働に対して支払われる
  • 割増率は35%以上
  • 36協定の締結・届出が前提

企業が独自に定める「法定外休日(所定休日)」に働いた場合は、休日出勤の割増賃金は発生せず、時間外労働として扱われます。一方、法定休日に働いた場合は、企業は通常の賃金の35%以上を割増した支払いが必要です。

また、従業員に法定休日労働を命じるには、事前に労働組合などと36協定を締結し、所轄の労働基準監督署長へ届け出る必要があります。

法定休日や36協定については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。

関連記事:法定休日とは?法定外休日との違いや割増賃金の計算例を解説

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休日出勤手当が発生するケース

休日出勤手当は、法定休日に労働した場合に基礎賃金の35%以上の割増率で支払われます。休日出勤は時間外労働と区別されるため、週40時間を超えても割増率は35%以上のままです。

ただし、労働が深夜(22時〜翌5時)に及んだ場合、深夜割増25%以上が加算され、合計で60%以上の割増賃金を支払う必要があります。

また、休日の扱いによっても手当の有無は異なります。振替休日と代休の違いについては下の表をご確認ください。

区分

手当の支払い

補足

振替休日

不要

事前に平日と休日を入れ替えていた場合
→その日は法定休日でなくなるため割増不要

代休

35%以上の手当必要

法定休日に勤務
→後日休暇を与え、割増賃金も支払う必要あり

なお、労働基準法上の管理監督者に該当する管理職は、休日労働に関する規定が適用されないため、休日出勤手当の対象外です。

以下は、深夜手当についてさらに詳しく解説した記事です。本記事と併せてお読みください。

関連記事:深夜手当の計算方法を解説!残業・休日出勤がある場合はどうなる?

残業時間の概要や計算方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

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休日出勤手当の計算方法

休日出勤手当の計算方法は以下のとおりです。

1時間あたりの基礎賃金×休日労働時間×割増率

労働基準法により、法定休日に労働した場合は1.35倍の割増率の適用が必要です。たとえば、1時間あたりの基礎賃金が2,000円の従業員が法定休日に5時間勤務した場合の、休日出勤手当は以下のように計算します。

2,000円×5時間×1.35=13,500円

また、休日労働が深夜に及んだ場合は、該当時間に休日割増35%と深夜割増25%を合算した60%の割増率(基礎賃金の1.6倍)を適用します。

前述の条件に深夜労働が含まれていた場合の手当額は、日中の労働時間と深夜労働の時間で適用する割増率が異なるため、分けて計算した後に合算します。休日出勤手当の計算式は以下のとおりです。

(2,000円×3時間×1.35)+(2,000円×2時間×1.6)=14,500円

正確な勤怠管理に基づいて休日出勤手当を計算しましょう。

休日出勤手当が支払われない場合は違法になる?

休日出勤手当の支払い義務があるにもかかわらず、支払わない行為は労働基準法違反です。

労働基準法第37条では、使用者が従業員に法定休日労働をさせた際は、35%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。規定に違反した使用者には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることがあります。

従業員は未払いの賃金を請求する権利があり、請求権の時効は3年です。未払い期間が長引くほど、企業が支払うべき遅延損害金も増えていきます。

休日出勤手当の未払いは企業にとって法的なリスクが大きいため、勤怠状況を正しく把握し、確実に支払う体制を構築しなければなりません。

参考:e-GOV法令検索「労働基準法

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休日出勤手当は、法定休日の労働に対して発生し、深夜労働が重なると割増率が加算されます。また、代休と振替休日の違いによって手当の有無が変わるため、未払いを防ぐには正確な勤怠管理が不可欠です。

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