資金繰り表の作り方|無料エクセルテンプレートでわかりやすく解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-08-10
- この記事の3つのポイント
- 資金繰り表とは、事業運営で生じる資金(現金)の入出金予定をまとめた一覧表のこと
- 資金繰り表を作成することで、未来のお金の流れを可視化でき、円滑な資金繰りを図れる
- 資金繰り表は必要なデータを用意すれば、無料のテンプレートを用いて簡単に作成できる
資金繰り表とは、取引で生じる資金の動きを可視化できるツールです。入出金予定を一覧化することで「いつ・いくらの支払いや入金があるのか」を把握でき、資金ショートや黒字倒産などの防止に役立ちます。
本記事では、資金繰り表の作り方をテンプレート付きで解説します。作成時に必要なものやポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
資金繰り表の作り方|無料エクセルテンプレートでわかりやすく解説
資金繰り表とは?
資金繰り表とは、事業運営で生じる資金(現金)の動きをまとめた表のことです。一定期間の入金・出金における期日や金額を一覧化することで、円滑な資金繰りに役立ちます。
資金繰りの安定化を図る上で、資金繰り表は欠かせないツールの一つです。エクセルでも簡単に作成できるため、資金繰り表の役割を理解し、作り方を習得しましょう。
資金繰り表が必要な理由
資金繰り表が必要とされる主な理由は以下のとおりです。
- 黒字倒産の防止
- 資金ショート対策
- 経営判断の迅速化
企業間取引では、商品やサービス提供から実際の入金までに空白期間が生じるのが一般的です。売上が確定した時点で帳簿上は「売掛金」として処理し、入金後に消込作業を行います。
売上確定後、入金前に仕入れ先への支払いが生じるケースも珍しくありません。現時点でどの程度の売上・資金があり、いつ入金されるのか、それまでにいくらの支払いがあるのかを把握していないと、資金ショートや黒字倒産につながる可能性があります。
資金繰り表を作成して正しく運用すれば、将来の資金不足といった危機があったとしても、早期に発見し、黒字倒産や資金ショートの防止対策を講じることが可能です。また、資金の動きを可視化できれば、経営判断の迅速化も図れます。
黒字倒産の原因や対策を知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
関連記事:黒字倒産はなぜ起こる?原因やリスク発見方法、対策をわかりやすく解説
キャッシュフロー計算書との違い
資金繰り表と混同しやすい帳票に「キャッシュフロー計算書」があります。キャッシュフロー計算書とは、過去一定期間の資金の流れを記録するための帳票です。
資金繰り表とキャッシュフロー計算書との主な違いは以下のとおりです。
- 資金繰り表:将来の資金の動きを予測し、資金繰りを管理する計画書
- キャッシュフロー計算書:過去の資金の動きと要因を示す報告書
資金繰り表は社内向けの資料ですが、キャッシュフロー計算書は財務諸表に分類される決算書の一つです。金融商品取引法に基づき有価証券報告書を提出する会社には、キャッシュフロー計算書の作成が義務化されています。
資金繰り表やキャッシュフロー計算書を活用することで、過去から未来における資金の動きを可視化できます。黒字倒産や資金ショートの防止、融資審査の説得力向上に役立つため、作成・開示の義務がない企業も作成するのがおすすめです。
資金繰り表を作成するのに必要なもの
本章では、実際に資金繰り表を作成する際に必要なものを紹介します。
現金出納帳
現金出納帳とは、会社の現金管理に用いられる帳簿の一つです。現金でのやり取りを1円単位で記録することで、帳簿の残高と現金残高の照合が容易になるほか、取引内容や用途などの可視化で不正防止にも役立ちます。
資金繰り表を活用し、かつ将来の予測精度を高めるためには、過去の実績数値を把握できる現金出納帳が欠かせません。記載された残高と実際の現金残高が一致している現金出納帳を用いることで、より正確な資金繰り表を作成できます。
預金出納帳
預金出納帳とは、口座預金の入出金と残高を管理するための帳簿です。預金口座を介した取引の内容や用途などを正確に記録し、帳簿上の残高と実際の預金残高が一致しているかを可視化します。
正確な資金繰り表を作成する上で、現金出納帳と同様、預金出納帳も重要な資料の一つです。複数の法人口座を持つ場合は、まとめて管理するのではなく、口座ごとに預金出納帳を作成し、それぞれの取引内容を記録するのがポイントです。
月次試算表
資金繰り表の作成には、月次試算表も役立ちます。月次試算表は、企業の1カ月ごとの財務状況を示す中間報告書であり「帳簿の内容は正しいか」「貸方・借方の合計はいくらか」などを可視化できます。
月次試算表の数値を基に自社の資金・経営状況を正確に把握することで、より実情に即した資金繰り表の作成が可能です。
無料エクセルテンプレートでの資金繰り表の作り方
資金繰り表を作ったことがない方でも、テンプレートを活用することで容易に作成可能です。
本章では、無料でダウンロードできるエクセルテンプレートを用いた資金繰り表の作り方を紹介します。
無料テンプレートは、以下の日本政策金融公庫サイトの「2.経営計画策定参考資料」を開き「2-1.資金繰り表」からダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
各種書式ダウンロード 中小企業の方【中小企業事業】|日本政策金融公庫
前期繰越現金・当座預金
「前期繰越現金・当座預金」の欄には、前期(または前月)から繰り越した現金および預金残高(当座預金・普通預金など)を金融機関・口座ごとに記載します。
当欄の金額は、決算書や試算表などを基に記載します。必ず、月次試算表の現金預金の合計額と一致しているかを確認しましょう。
収入計
「収入計」には、現金預金の収入額を記載します。まずは、収入源を以下の項目に細分化します。
- 現金売上
- 売掛金現金回収
- 手形期日落
- 手形割引
- その他の収入
上記の合計額を算出したものが収入計です。
また、資金繰り表の「収入計」には、営業活動で実際に生じた現金・預金の入金額を記載するほか、売掛金や受取手形は月次試算表の残高減少分を回収額として反映させます。
たとえば、売掛金の減少が現金回収による場合は、減少分を「売掛金現金回収」欄に記載し、現金預金の増加として処理します。ただし、減少要因が値引きや返品、貸倒処理など、入金を伴わない減少分は、資金繰り表には計上しません。
支出計
「支出計」は、一定期間ごとの支出額を合計したものです。当該月に現金で支払った仕入れ代金を、以下のうち該当する欄に入力しましょう。
- 現金仕入
- 買掛金現金支払
- 手形決済
- 賃金給与
- 支払利息・割引料
- 上記以外の経費
一方、買掛金や未払費用といった後払いの債務は、月次試算表の残高の動きを基に計算し、反映させます。
たとえば、試算表上で買掛金の残高が前月末の300万円から15万円増加し、当月末に315万円になった場合は「本来支払うべき代金の決済を先延ばしにした」ことを意味します。
試算表上で買掛金残高が前月末から15万円増加した場合、当月に計上された仕入のうち15万円分はまだ支払われていないことを意味します。
試算表から支払額を推計する際は、当月の仕入高から買掛金の増加額を差し引いた金額を『買掛金現金支払』欄に記載しましょう。この際、残高が減少した場合は減少額を加えます。
未払費用も同様に、残高の増減を加味して実際の支払額を算出します。
財務収支計
「財務収支計」は、直接事業に関連のない収支を記載する欄です。一般的には、借入金による資金調達額や短期・長期借入金の返済額などを記載します。
たとえば、当月に100万円を借り入れ、10万円を返済した場合の財務収支計は90万円です。
翌月繰越現金・当座預金
「翌月繰越現金・当座預金」は、翌月に繰り越す現金預金の金額を記載する欄です。以下のとおり、前述した項目の金額を算出します。
「前期繰越現金・当座預金」+「収入計」-「支出計」+「財務収支計」 =翌月繰越現金・当座預金 |
|---|
翌月繰越現金・当座預金の金額は、月次試算表の「現金預金金額」と一致していることが重要です。
なお、算出した翌月繰越現金・当座預金は、そのまま翌月の「前期繰越現金・当座預金」に反映されます。
資金繰り表の作成・運用のポイント
資金繰り表を作成・運用する際のポイントは以下のとおりです。
- 売上計上日ではなく実際の入出金日で管理する
- 借入金の元本と利息を分けて記載する
- 予算は厳しめに見積もる
- 毎月更新する
資金繰り表を正しく運用するためには、実情に即した数値の管理が欠かせません。入金・出金は「売上が確定した日」ではなく「実際に入金・出金される日」で管理します。
「利益と現金の動きが異なること」を明確にするため、借入金の元本と利息は分けて記載するのもポイントです。
また、資金繰りの安定化を図るために、予算は厳しめに見積もるとよいでしょう。予算をやや引き締めて計上することで、資金難を防ぎ、安全な経営を目指しやすくなります。資金繰り表は毎月更新し、現状に合わせて都度修正することも大切です。
以下の記事では、資金繰りが悪化したときの対策を紹介しています。資金繰りが悪化する原因と資金繰り表の活用方法も解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:資金繰りが悪化したときの対策は?悪化する原因や資金繰り表も解説
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資金繰り表は、健全な事業運営を継続させる上で有効なツールです。実績数値に基づく予測を立て、資金の動きを可視化することで、資金ショートや黒字倒産の防止に役立ちます。
資金繰りの安定化を図りたい場合は、資金繰り表を作成・運用するのがおすすめです。無料のエクセルテンプレートを活用すれば、専門知識が浅い方でも簡単に作成できます。
また、資金繰り表の作成だけでなく後の運用まで効率化したい企業は、債権管理システムの導入も検討するとよいでしょう。「バクラク債権管理」なら、請求書の送付・入金消込・仕訳作成・残高管理・督促業務を一気通貫で対応可能です。
入金状況の把握が容易で、資金繰り表に必要な情報も整理しやすくなります。未回収債権や入金遅延も可視化できるため、資金ショートのリスク軽減にもつながります。
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