システム利用料の勘定科目は?仕訳方法を具体例とともに解説

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システム利用料の勘定科目は?仕訳方法を具体例とともに解説

システム利用料は、サービス形態により勘定科目や仕訳方法が変わります。通信費や消耗品費、ソフトウェアなど正しく区分しなければ、経理処理に影響することも否定できません。 本記事では、仕訳例や会計上の注意点を解説し、経費精算を効率化する方法も紹介します。

1.システム利用料とは

システム利用料とは、会計ソフトや予約システム、グループウェアなどを利用するために支払う料金で、以下のものが含まれます。

  • システムの運用費
  • 維持管理費
  • ライセンス料
  • メンテナンス費用など

支払い方法には月払いや年払い、複数年一括払いがあり、サービス形態も買い切り型からサブスクリプション型までさまざまです。システム利用料は業務に欠かせないコストであり、正しく理解することが重要です。

2.システム利用料に使用できる勘定科目

ソフトウェアの年間使用料の勘定科目には、法的に決められたものはありません。一般的には通信費、消耗品費、ソフトウェアなどがあります。ここからは、それぞれの勘定科目について解説します。

2-1.通信費

システム利用料を通信費で処理するのは、クラウド型ソフトウェアを利用する場合です。通信費は業務上必要な通信にかかる費用を処理する勘定科目で、以下のものが含まれます。

  • 電話料金
  • 切手代
  • インターネット利用料 など

クラウド型の会計ソフトやグループウェアの利用料は、インターネット経由で提供されるため、通信費に仕訳するのが一般的といえるでしょう。

通信費については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:勘定科目「通信費」とは?ネット代や携帯電話代などの仕訳例、注意点を解説

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2-2.消耗品費

システム利用料を消耗品費で計上するのは、買い切り型のソフトを購入した場合です。消耗品費は使用可能期間が1年未満、または取得価額が10万円未満の備品や事務用品に用いる勘定科目です。

たとえばインストール型の会計ソフトを購入し、金額が10万円未満なら、消耗品費として処理できます。一方で、10万円以上のソフトウェアを購入した場合は、無形固定資産として扱い、減価償却の対象です。

消耗品費について詳しくは、以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

関連記事:「消耗品費」とはどんな勘定科目?具体例や雑費との違い・仕訳例を解説

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2-3.ソフトウェア

ソフトウェアの勘定科目を使用するのは、買い切り型ソフトの購入金額が10万円以上の場合です。この場合、ソフトウェアは無形固定資産に区分され、減価償却が必要です。

たとえば、業務用の高額な会計ソフトを導入する際は「ソフトウェア」で計上し、法定耐用年数に基づいて毎期償却していきます。さらに中小企業では「少額減価償却資産の特例」や「一括償却資産制度」を適用できる場合もあります。

金額や企業規模によって処理方法が異なるため、制度の確認も欠かせません。

2-4.支払手数料・諸会費

クラウド型システムの更新料やサポート費用は、支払手数料や諸会費で処理できます。支払手数料は、業務委託やサービス利用に伴う手数料に用いる勘定科目で、会計ソフトのサポート料やバージョンアップ料も含まれます。

一方で諸会費は、業務に関連する団体やサービスの年会費などに利用される勘定科目です。システム利用料の内容によって、どちらを選ぶかを判断するとよいでしょう。

支払手数料についての仕訳例は以下のページで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:支払手数料になる経費と仕訳例5選|雑費や租税公課など迷いがちな勘定科目や注意点も解説

3.インストール型ソフトウェアの仕訳

インストール型ソフトウェアを導入した場合、金額や利用期間によって勘定科目や仕訳方法が異なります。ここからは、取得価額が10万円未満の場合と、10万円以上の場合に分けて処理方法を見ていきましょう。

3-1.10万円未満のソフトウェアを導入した

取得価額が10万円未満のインストール型ソフトウェアは、一般的に「消耗品費」で処理します。

消耗品費は、事業で使用する消耗品や短期間で消耗する資材を計上する勘定科目で、ソフトウェアについても取得価額が10万円未満かつ耐用年数が1年未満の場合に該当します。

たとえば、5万円のソフトウェアを現金で購入した場合の仕訳は以下のとおりです。

借方

貸方

消耗品費

50,000円

現金

50,000円

一方で、同じ金額をクレジットカードで支払った場合は、まずは未払金を計上します。

借方

貸方

消耗品費

50,000円

未払金

50,000円

その後、クレジットカードの引き落とし時に次のように仕訳を行います。

借方

貸方

未払金

50,000円

普通預金

50,000円

支払い方法によって仕訳の流れは異なりますが、いずれも「消耗品費」で処理する点は共通です。金額が10万円未満であるかどうかを判断基準とし、正しく区分しましょう。

3-2.10万円以上のソフトウェアを導入し減価償却した

取得価額が10万円以上のインストール型ソフトウェアは「ソフトウェア」という勘定科目を選びます。長期間にわたって使用できるため無形固定資産として計上し、毎期、減価償却をしなくてはなりません。

ソフトウェアの場合の耐用年数は一般的には5年です。そのため年間の減価償却費は「ソフトウェアの費用÷5年」となります。

15万円のインストール型ソフトウェアの購入費用を、普通預金から支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

<支払い時>

借方

貸方

ソフトウェア

150,000円

普通預金

150,000円

<年間の決算時>

借方

貸方

減価償却費

30,000円

ソフトウェア

30,000円

10万円以上のソフトウェアでも、条件に合えば「一括償却資産の損金算入制度」や「中小企業等の少額減価償却資産の損金算入制度」を適用できる場合があります。

固定資産の詳細や基準、特例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:固定資産の対象となるものは?基準や特例、固定資産税についても解説

また、ソフトウェアの購入や導入時の仕訳については、以下をご覧ください。

関連記事:ソフトウェア購入・導入時の仕訳は?ソフト形式ごとに勘定科目や減価償却を解説

4.クラウド型ソフトウェアの仕訳

クラウド型ソフトウェアはインターネットを通じて利用するサービスで、利用料は「通信費」として処理するのが一般的です。インストール型と異なり、10万円以上の支払いでも資産計上は不要で、全額を費用処理できます。

ここからは、月払いと一括払いの場合の仕訳を見ていきましょう。

4-1.クラウド型のシステム手数料を月払いで支払った

クラウド型ソフトウェアの月額利用料の勘定科目は、基本的に「通信費」です。通信費はインターネット回線費用や電話代などに加え、クラウド型サービスの使用料も含まれます。

たとえば月額6,000円の利用料を支払った場合、現金払いとクレジットカード払いで仕訳が異なります。

<現金で支払った場合>

借方

貸方

通信費

6,000円

現金

6,000円

<クレジットカードで支払った場合(支払い時)>

借方

貸方

通信費

6,000円

未払金

6,000円

<クレジットカードで支払った場合(引き落とし時)>

借方

貸方

未払金

6,000円

普通預金

6,000円

4-2.2年分のシステム利用料を一括で支払った

複数年分の利用料をまとめて前払いする場合は「前払費用」で処理します。たとえば、年額24万円のクラウド型ソフトを2年分一括で支払ったときの仕訳は、以下のとおりです。

<支払い時>

借方

貸方

通信費

480,000円

普通預金

480,000円

<決算時(翌期分を振替)>

借方

貸方

(長期)前払費用

240,000円

通信費

240,000円

<翌期首(再振替)>

借方

貸方

通信費

240,000円

(長期)前払費用

240,000円

複数年分をまとめて支払った場合、決算時に翌期分を前払費用に振り替える処理が必要です。

5.年会費やサポート費用の勘定科目と仕訳例

年会費やサポート費用などの勘定科目には「支払手数料」や「諸経費」が使用できます。

ただし、購入・導入・環境構築がセットになったサービスや、月額にサポート料金を含むプランを利用する場合は「消耗品費」「通信費」「ソフトウェア」などの勘定科目に含めて計上します。

以下は、3000円のサポート手数料を現金で支払った場合の仕訳例です。

借方

貸方

支払手数料

3,000円

現金

3,000円

6.システム利用料を会計処理する際の注意点

システム利用料は、勘定科目に明確な法律の定めがなく、各企業が判断して処理します。そのため一度決めた方法を継続して適用することや、インボイス制度への対応を確認することが重要です。ここからは、代表的な注意点を解説します。

6-1.勘定科目は途中で変更しない

システム利用料の勘定科目は、税法で細かく決められていないため、企業ごとに判断して選択します。しかし一度決めた勘定科目は、継続して用いることが原則です。

これは「継続性の原則」に基づいており、同じ取引にもかかわらず担当者や事業年度によって処理を変えると、経営状況を正しく把握できなくなるためです。さらに、不自然な変更は税務調査で不正計上を疑われるリスクもあります。

これを防ぐには、社内であらかじめ使用する勘定科目をルール化し、担当者間で共有しておくことが重要です。安易に変更せず一貫性を保つことが、信頼性の高い会計につながります。

6-2.インボイスの取り扱いがあるか確認する

令和5年10月からスタートしたインボイス制度では、仕入税額控除を受けるために適格請求書の保存が必要です。システム利用料は毎月定額で、請求書が発行されないケースもあり、その場合には、契約書や覚書と振込記録を組み合わせて保存する方法も認められています。

重要なのは登録番号など、適格請求書発行事業者による記録を確実に保管していることです。インボイス対応が整っていなければ、消費税の仕入税額控除を受けられない可能性があります。

システム利用料の処理にあたって、契約内容や請求書の有無を確認し、証憑を適切に管理しておきましょう。

7.簡単で正確な経費精算を実現する「バクラク経費精算」

システム利用料はクラウド型やインストール型など、形態により仕訳が異なり、勘定科目を通信費・消耗品費・ソフトウェアなど複数から適切に選ぶことが重要です。また、処理方法を途中で変更しないことやインボイス制度への対応など、会計上の注意点も見逃せません。

このような経費処理を効率化するには「バクラク経費精算」の導入がおすすめです。バクラク経費精算は、法人カードの明細データと証憑を自動で紐づけできます。

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