売上高営業利益率とは?数値の計算方法や利益率を上げる方法を解説!

売上高営業利益率とは、企業の売上高に対して営業利益がどのくらいの割合を占めているかを示す指標です。企業の収益力や経営効率などを把握するために用いられます。この記事では、売上高営業利益率の詳細や、その重要性について解説します。また、売上高営業利益率を上げる方法や、他の利益率との違いについても解説するので、参考にしてください。

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売上高営業利益率とは?数値の計算方法や利益率を上げる方法を解説!

売上高営業利益率とは?

売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。また、営業利益とは、本業から得られる利益の大きさを示しています。営業利益は、企業が本業で得た売上から売上原価、販売費および一般管理費など営業に関連する費用を差し引いて算出されます。

つまり、売上高営業利益率は、企業が売上から得た利益に対し、本業でどのくらい利益が出ているかを示す指標です。売上高営業利益率が高いほど収益性が高く、逆に低いほど経費がかかりすぎて利益が出にくい状況といえます。

売上高営業利益率の計算方法

売上高営業利益率は、以下の計算方法で算出できます。

売上高営業利益率(%) = (営業利益 ÷ 売上高) × 100

営業利益の計算方法は以下の通りです。

営業利益 = 売上高 – 売上原価 – 販売費および一般管理費

それぞれの用語の詳細は以下の通りです。

  • 営業利益: 本業から得られる利益の大きさ
  • 売上高: 商品やサービスの提供によって得た売上総額
  • 売上原価: 売上高に対応する商品の原価
  • 販売費: 広告宣伝費や発送費など、商品やサービスの販売に関わる費用
  • 一般管理費: 管理業務にかかる費用

売上高営業利益率を把握するべき理由

売上高営業利益率を把握することで、本業の収益力や経営効率の程度を分析できます。たとえば、業界や業種の目安より売上高営業利益率が低い場合、収益力や経営効率を改善すべきと判断することが可能です。そのため、経費の使い過ぎを防止し、コスト管理をしやすくするほか、利益を意識した価格戦略を立てやすくなります。

売上高営業利益率が高い会社の特徴

売上高営業利益率が高い会社には、いくつかの共通した特徴があります。以下は、その代表的な特徴とそれぞれの詳細です。

高品質な商品やサービスを提供している

高品質な商品やサービスは付加価値があるため、高い価格でも売れやすいでしょう。また、付加価値が高いことで他社の商品やサービスと差別化が図れます。高価格の商品やサービスが多く売れれば、売上が増加し、売上高営業利益率も高まります。

効率的な営業ができている

売上高営業利益率を高めるためには、コストを削減して営業利益率を向上させることが重要です。具体的には、効率的な営業を実現し、販売費や一般管理費を抑制することが挙げられます。インターネット販売など、実店舗を必要としない販売方法やリモートシステムの導入も効果的です。

売上高営業利益率を上げる方法

売上高営業利益率を上げる方法はいくつかあります。ここからは、具体的な方法とその詳細について解説します。

単価を上げる

商品やサービスの単価が上がれば、売上高が増えやすくなり、利益も増加させることが可能です。しかし、単純に単価を上げるだけでは、顧客が離れて売上が減少する可能性があります。そのため、顧客が納得できる範囲で値上げを行ったり、付加価値を付けたりする工夫が必要です。

販売量を増やす

販売量を増やせば売上が伸びやすくなり、営業利益の増加が期待できるため、売上高営業利益率の向上も見込めます。さらに、販売量の増加に伴って仕入れ量が増えると、1つあたりの仕入れ単価を引き下げられる可能性があります。仕入れにかかるコストが低下すれば、売上高営業利益率を向上させることも可能です。

固定費を削減する

固定費とは、売上に関係なく毎月発生する支出を指します。固定費に該当する費用は以下の通りです。

  • 家賃
  • 各種リース料
  • 支払利息
  • 減価償却費
  • 水道光熱費の固定契約料
  • 人件費

固定費を削減できれば、その分無駄な費用が減り、売上高営業利益率を上げることができます。

変動費を削減する

変動費とは、さまざまな要因によって毎月金額が変動する支出を指します。変動費に該当する費用は以下の通りです。

  • 仕入れ費
  • 消耗品費
  • 水道光熱費
  • 販促費
  • 人件費

変動費には、商品やサービスの質に影響を与えるものも含まれます。そのため、変動費は安易に削減すべきではありません。

利益率の高い商材に注力する

商品やサービスによって原価やコストが異なるため、営業利益率も異なります。したがって、全体の売上に対して利益率の高い商材に注力することが効果的です。商品やサービスごとに営業利益率を計算し、売上に占める割合を把握したうえで、適切な施策に取り組むことが推奨されます。

売上高営業利益率がマイナスの場合の懸念点

売上高営業利益率がマイナスの状態は、赤字が出ていることを意味します。会計上の収益の計上時期と資金の流出時期は異なるため、マイナスになった瞬間に経営に影響が出るというわけではありません。

しかし、利益が出ていないと金融機関からの融資が受けにくくなるほか、赤字が続くと倒産に繋がる可能性もあります。そのため、経営戦略の見直しや経営改善を実施し、売上高営業利益率を向上させることが重要です。

売上高営業利益率を経営に生かす方法

売上高営業利益率を経営に生かす方法はいくつかあります。ここからは、その代表的な方法とそれぞれの詳細について解説します。

昨年度の自社の業績と比較する

昨年度と今年度の業績を比較する際には、売上高営業利益率の活用が有効です。また、半期、四半期、月次などの単位で分析すると、より詳細な自社の経営状況が見えてきます。業績の推移や変動した理由を分析できるほか、売上高営業利益率の傾向が分かれば、適切な売上高目標を逆算することも可能です。

業界の平均と比較する

業界によって平均的な売上高経常利益率は異なります。そのため、業界の平均と自社の数値を比較することで、業界における自社の立ち位置を把握することが可能です。特に平均よりも低い場合は、改善を目指すことが推奨されます。

競合他社と比較する

売上高営業利益率は、競合他社との比較に役立ちます。他社の売上高営業利益率は、企業が作成している財務諸表から確認することが可能です。収益構造や費用の構成などを比較することで、自社の収益を改善するための施策を立案することにもつながります。

その他の利益率との違い

売上高営業利益率には、さまざまな種類があります。以下は、売上高営業利益率とその他の利益率の違いについての説明です。

売上総利益率

売上総利益率とは、売上高に対する売上総利益の割合です。なお、売上総利益は「粗利」とも呼ばれます。売上高営業利益率との違いは、商品やサービスの利益率の高さを測れる点です。また、商品やサービスの質や原価率が適正かどうかを判断するためにも役立ちます。

売上高経常利益率

売上高経常利益率とは、売上高に対する経常利益の割合です。経常利益とは、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を減算した利益額を指します。売上高営業利益率は、本業による利益率のみを参考に算出します。一方、売上高経常利益率は、本業に加えて経常的に発生する収益や費用も計算に含めることが特徴です。

税引前当期純利益率

当該期に納める税金を支払う前の利益を示す指標が、税引前当期純利益率です。具体的には、経常利益に該当する事業年度に突発的に発生した特別利益を加算し、特別損失を減算した利益額を指します。つまり、税引前当期純利益率は法人税などの税金以外で、すべての計算を終えた後の利益です。そのため、本業の利益を主とする売上高営業利益率とは、性質が異なります。

売上高当期純利益率

売上高当期純利益率とは、売上高に対する当期純利益の割合です。なお、当期純利益は、税引前当期純利益から法人税などを差し引いた最終的な利益額を指します。当期純利益率は、法人税などを考慮した最終的な利益を示す一方で、売上高営業利益率は本業の利益を見る指標である点で異なります。

まとめ

売上高営業利益率をプラスにするためには、経費を削減し、余計なコストを減らすことが推奨されます。たとえば、請求業務に関する負担を減らして効率化できれば、ほかの業務にリソースを割きやすくなり、売上高営業利益率にもよい影響を与えやすくなります。

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