入金不足・過入金への対応方法は?仕訳や金額がズレる主な原因も解説

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入金不足・過入金への対応方法は?仕訳や金額がズレる主な原因も解説

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商取引を行ううえで、請求金額より少なく、もしくは多く入金されるケースは珍しくありません。

しかし、実際に請求金額とズレが生じた場合に、どのように対応すべきか判断に迷うこともあるでしょう。

本記事では、入金不足・過入金が発生する主な要因と状況別の対応方法、仕訳例を解説しています。請求金額と入金額が合わないときに慌てずに済むよう、必要な対応を把握しておきましょう。

請求金額と入金額が異なる主な原因

請求金額と入金額が異なる要因として、よく挙げられるのは以下の5つです。

振込金額の誤認・ミスによる金額ズレ

取引先からの入金差異は、振込時の金額入力ミスや桁間違いなど、単純な操作誤りで起こることがあります。振込先の口座番号や口座情報自体を間違えていると、そもそも振り込まれないといったトラブルもあるでしょう。

誤認やミスは、取引先も間違いに気付いていないケースがあり、早急な連絡が必要です。

先方の誤認ではなく、自社の請求書情報が間違っていた場合には以下の記事で紹介している対処法が有効です。併せてご確認ください。

関連記事:請求書でミスした場合はどうする?訂正やお詫びなど対処法、再発予防策を解説

振込手数料の差し引きによるズレ

数百円程度など少額の入金不足があった場合は、銀行振込における振込手数料が取引先から差し引かれている可能性があるでしょう。少額の入金差異としてはもっとも多い要因です。

振込手数料は一般的に支払う側が負担するのがマナーとされていますが、受領側が負担すると認識している相手先もなかにはいます。どちらが振込手数料を負担するかを事前に決めておかないと、取引先が差し引いてしまうこともあるため、注意が必要です。

値引き・前受金など個別対応によるズレ

クレーム対応などで取引先が一方的に値引き対応して入金すると、入金額が少なくなることがあります。

また「一部のみ前入金」とする特殊な取引契約をしている場合も、入金額が少なくなり、会計上の売掛金額とのズレが生じます。

所得税の源泉徴収によるズレ

所得税の源泉徴収対象となる取引に該当すると、税額分が差し引かれて入金されるため、請求金額より少なくなるでしょう。たとえば、原稿料・デザイン料・講演料・士業報酬などが該当し、個人事業主(フリーランス)で比較的多く見受けられる事例です。

他の請求書との合算入金によるズレ

請求金額より多く入金される要因の一つとして、複数の請求書を合算して入金するケースが挙げられます。また、別の取引で生じた返金分や相殺に伴う処理も、入金額の不一致につながります。

複数の取引が発生している相手先だと、どの金額がどの請求書に対応しているのかについて誤認しやすく、ズレが生じやすいでしょう。

請求金額より少なく入金された場合の取引先への対応

請求金額より少なく入金されたときは、自社側の請求内容や消込に誤りがないか事実確認し、不足がある事実を電話やメール、必要に応じて書面にて取引先へ伝えます。

新規の相手先であれば、不足分の速やかな入金を依頼し、継続取引先なら合意のもと次回請求に差額を上乗せして精算してもらう方法も可能です。

合算であれば、振込手数料の負担や請求回数が増える手間を軽減でき、互いの実務を妨げません。なお合算する場合は、消込管理を適切に行うようにしましょう。

また、差額を値引きとして処理することも可能です。ただし、税込1万円以上の減額は、インボイス制度に則って適格返還請求書の交付が原則必要です。税込1万円未満であれば、少額特例を満たせばに交付義務が免除されます。

督促しても支払いに応じてもらえない場合は、記録を残せる内容証明郵便で督促を行い、それでも解決しない場合かつ請求金額が60万円以下なら少額訴訟も検討できます。

なお、事案が複雑な場合や相手先が通常訴訟を求めた際には、通常の民事訴訟手続に移行する可能性もあるでしょう。

入金されない場合の対処法については、以下の記事をお読みください。

関連記事:請求書を送ったのに未入金のまま!再発行すべき?正しい対処方法を解説

請求金額より多く入金された場合の取引先への対応

過入金が判明した場合は、まず請求書の金額、入金記録、二重請求の有無などを点検し、自社・先方のどちらに原因があるのかを確認することが必要です。

状況を確認し、原因を調査したら、すぐに電話やメールで取引先へ情報共有します。自社に原因がある場合には、丁寧な謝罪と返金の旨を伝え、信頼を失わない姿勢を心がけましょう。

返金時には、振込手数料を差し引いた差額を振り込む対応がよくみられるものの、負担方法は一方的に決めず、相手の了承を得てから処理を進めるのが得策です。

継続取引がある相手なら、次回請求額との相殺で調整して双方の手間を減らす方法もあります。相殺は、双方の合意を得てから別途相殺通知書や領収書を発行するなど、慎重に進めることが大切です。

なお、過入金が数百円程度と少額の場合には「返金しない」という選択をするケースもなかにはあり得ます。ただし、相手先と相談・合意したうえで返金・相殺するのが基本の対応であるため、返金せず放置してトラブルを招かないよう注意しましょう。

請求金額より少なく入金された場合の仕訳方法

請求金額より少なく入金された場合には「不足分の請求」「翌月との合算」「値引き」の対応が一般的です。

それぞれの仕訳方法について解説します。

不足分を入金してもらう場合

不足分のみを別途請求する場合は、通常の売掛・消込処理に加え、不足分の入金について追加で仕訳すれば問題ありません。

ここでは、7万円の売上が発生し売掛処理をしたものの、65,000円しか入金がなく、不足の5,000円を請求し後で入金された場合の仕訳を紹介します。

借方

貸方

売上発生時

売掛金

70,000円

売上

70,000円

入金時

普通預金

65,000円

売掛金

65,000円

不足分入金時

普通預金

5,000円

売掛金

5,000円

摘要欄に「◯月◯日◯◯社入金不足分」などと記載しておくと、どの取引に対する入金なのかが分かりやすくなるため安心です。

翌月の請求と合算する場合

継続取引がある相手先の場合には、次回請求との合算も可能です。たとえば、8万円の売掛に対し、5万円の入金だった場合には、翌月に差額の3万円を上乗せして請求します。

仕訳処理上は、入金時の消込で不足があるまま保留状態とするのが一般的です。

借方

貸方

売上発生時

売掛金

80,000円

売上

80,000円

入金時

普通預金

50,000円

売掛金

50,000円

翌月売上時

売掛金

翌月分+30,000円

売上

翌月分+30,000円

入金時・翌月請求時の仕訳摘要欄には「◯月◯日◯◯社売上分30,000円入金不足:◯月と合算」などと記載しておくとよいでしょう。

自社で値引き処理する場合

不足分が少額であれば、今後の信頼関係構築のために自社で値引き対応するケースもあります。値引きの際は「売上値引」の勘定科目を用いて、値引きの仕訳を別途行います。

例として、7万円の請求に対し69,500円の入金があり、500円を値引き処理する場合の仕訳を見てみましょう。

借方

貸方

売上発生時

売掛金

70,000円

売上

70,000円

入金時

普通預金

69,500円

売掛金

69,500円

値引き時

売上値引

500円

売掛金

500円

入金・値引き時の摘要欄には「◯月◯日◯◯社売上分500円入金不足:値引きで対応」などと入れておきます。

請求金額より多く入金された場合の仕訳方法

反対に、請求金額よりも多く入金された場合には「差額返金」「全額返金」「翌月と相殺」と、3パターンの対応がよく見受けられます。

それぞれの仕訳方法について確認しておきましょう。

差額のみを返金する場合

過入金があった場合は、入金仕訳時に貸方へ「仮受金」を入れて差額を計上します。そして、返金時に仮受金を借方へ入れ仕訳するのが基本のやり方です。

振込手数料を先方の負担としている場合には、手数料を差し引いた額を先方へ返金します。

たとえば、7万円の請求に対し9万円の入金があった場合(取引先が330円の振込手数料を負担)は、以下のように仕訳します。

借方

貸方

入金時

普通預金

90,000円

売掛金

70,000円

仮受金

20,000円

差額返金時

仮受金

20,000円

普通預金

19,670円

雑収入

(自社で適切な勘定科目を設定)

330円

なお、振込手数料を自社負担とする際には「支払手数料」の勘定科目で仕訳しましょう。

借方

貸方

差額返金時

仮受金

20,000円

普通預金

22,330円

支払手数料

330円

摘要欄には「◯月◯日◯◯社20,000円過入金:返金」と記載しておくと把握しやすいです。

全額返金する場合

全額を返金する場合には、差額返金と同じく過入金を一度「仮受金」で計上してから、仮受金を全額返金し、正しい金額が振り込まれたら売掛を消込むと迷いません。

3万円の請求に対し先方の誤りで10万円の入金があり、振込手数料(330円)を引いた全額を返金する場合には、以下のように仕訳すればよいでしょう。

借方

貸方

売上発生時

売掛金

30,000円

売上

30,000円

入金時

普通預金

100,000円

仮受金

100,000円

全額返金時

仮受金

100,000円

普通預金

99,670円

雑収入

(自社で適切な勘定科目を設定)

330円

再入金時

普通預金

30,000円

売掛金

30,000円

摘要欄は差額返金と同様に返金の旨を記録しておくとよいでしょう。

翌月の請求と相殺する場合

継続取引がある相手なら、翌月の請求と相殺することも可能です。

相殺時には過入金分を「仮受金」で処理し「前受金」に振り替えてから精算後に正式に「売上」として計上するとスムーズです。

ここでは、5万円の請求に対し6万円の入金があり、1万円分を翌月精算する事例を見てみましょう。

借方

貸方

売上発生時

売掛金

50,000円

売上

50,000円

入金時

普通預金

60,000円

売掛金

50,000円

仮受金

10,000円

相殺決定時

仮受金

10,000円

前受金

10,000円

翌月売上時

売掛金

10,000円

売上

10,000円

前受金

10,000円

売掛金

10,000円

仮受金を前受金に変更する際には「◯月◯日◯社過入金10,000円を◯月分と相殺する」などと記載しておきます。翌月売上発生時には「◯月の過入金を当月分にて精算」と入れておくとよいでしょう。

請求金額と入金額がズレてしまうトラブルを防ぐためのポイント

入金不足や過入金を防ぐには、受領側・支払側のどちらの立場であっても、請求書の作成から承認、振込確認までの運用を見直すことが重要です。

たとえば、請求内容のダブルチェック、担当者ごとの判断差を減らすマニュアル整備が推奨されます。請求書送付後に確認メールを送信し、取引先に確認依頼をすると、入力ミスや誤認の早期発見につながります。

また、請求管理システムを活用して請求書発行・仕訳・入金消込を自動化し、手作業に伴うミスを抑える方法も有効です。特に、取引状況を可視化できるツールなら、どこで確認が止まっているのかも把握しやすく、フロー全体の効率化も期待できます。

請求書発行システムの機能や種類、選び方については以下の記事で解説していますので、ぜひお読みください。

関連記事:請求書発行システムを導入するメリットは?主な機能や種類・選び方も紹介

請求・入金トラブル防止にはバクラク請求書発行がおすすめ

請求金額と入金額の不一致は、入力ミスや確認漏れ、複数取引の合算など日常業務で起こり得るよくあるトラブルです。

差額が生じた際は、取引先への速やかかつ丁寧な連絡はもちろん、不足分の請求、返金、次回との合算など、柔軟に対応できるよう社内体制を整えておくことも必要です。ミスの抑制や効率化を図るなら、請求管理システムを用いて管理するのもよいでしょう。

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