インボイス制度による簡易課税事業者への影響と2割特例について

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インボイス制度による簡易課税事業者への影響と2割特例について

簡易課税制度は消費税を計算する方法のひとつで、中小事業者や個人事業主が多く採用しています。しかし、インボイス制度の開始に伴って適格請求書発行事業者への登録を求められる場面も増えてきました。 本記事では、インボイス制度が簡易課税事業者に与える影響について解説します。2026年9月末まで適用される2割特例についても載せていますので、簡易課税制度と2割特例の選択をされる際にご活用ください。

1.インボイス制度の導入による簡易課税事業者への影響はない

インボイス制度の導入によって、簡易課税事業者が納税方法の変更を強いられるといった影響は特にありません。これまでと同様の内容や要件で、納税することが可能です。

そもそも簡易課税は、売上時に受け取った消費税と業種別のみなし仕入率のみで納税額を算出します。そのため、インボイス制度で求められる適格請求書の発行依頼や保管をする必要がなく、制度開始以前と同様に経理負担を軽くしながら納税が可能です。

2.原則課税(一般課税)の仕入税額控除に影響がある

簡易課税制度ではなく、原則課税(一般課税)を選択している場合だと、仕入税額控除の計算に影響があります。

仕入税額控除は、取引段階が変わる度に仕入にかかる税金が上乗せされて、各事業者が負担する納税額が増えてしまうことを防ぐ仕組みです。原則課税制度における納税額の算出方法は以下のとおりです。

納税額 = 課税売上に対する消費税額 - 課税仕入れに対する消費税額

上記の「仕入れに対する消費税額」の算出について、適格請求書でないと控除を認めないとする要件がインボイス制度開始に伴って追加されました。そのため、原則課税を選択している事業主は、適格請求書を用いた取引が原則求められます。

仕入税額控除の仕組みについては、以下の記事をご確認ください。

関連記事:消費税の「仕入税額控除」とは? 計算方法・仕組み・要件をわかりやすく解説

3.簡易課税事業者であっても適格請求書発行事業者への登録が必要になる場合も

簡易課税事業者以外が、インボイス導入後に仕入税額控除の適用を受けるには、適格請求書を用いた取引が必要です。そのため、取引先から適格請求書の発行や送付を求められた場合、簡易課税事業者であっても適格請求書発行事業者の登録を検討しなくてはなりません。

登録は任意のため、必ずしも応じる必要はありません。ただし、未登録のままだと取引先から報酬を下げられるなど契約条件を見直される可能性もあるので、よく検討しましょう。

登録方法には、e-Taxを活用したオンライン申請と、郵送申請の2つがあります。e-Taxの場合は、マイナンバーカードやe-Taxソフト、利用者識別番号、暗証番号(場合によってICカードリーダー)が必要です。

なお、適格請求書発行事業者になっても、簡易課税をこれまでどおり選択できます。

適格請求書発行事業者の概要や詳細な登録方法については、以下の記事をご確認ください。

関連記事:「適格請求書発行事業者」とは?税務署への登録手続きと消費税納付の義務を解説

4.インボイス制度を機に課税事業者になると2割特例の対象になる

免税事業者が制度開始後に課税事業者の登録を行った場合には、2割特例の適用を受けられます。2割特例は、原則課税、簡易課税と同じ納税方法のひとつで、税負担額を2割に軽減できる期間限定の制度です。

インボイス制度以前から簡易課税制度や原則課税を選択している人も、以下で解説する適用条件に当てはまれば2割特例を選択できます。

4-1.適用条件

2割特例の対象となるのは、以下の事業者です。

  • インボイス制度対応のために新たに課税事業者となった人
  • 適格請求書発行事業者の登録をした人
  • 前々年度(法人は前々事業年度)の課税対象売上が1,000万円以下だった人
  • 新規に法人を設立し、資本金1,000万円未満の企業

また適用期間には限りがあり、2023年10月1日から2026年9月30日までとなっています。

2割特例を選択する際は、特に事前の届出を行う必要はありません。消費税の確定申告時に2割特例を適用する旨を追記するだけで、そのまま適用を受けられます。

すでに原則課税や簡易課税制度の申請を行っている人であっても、同じように申告書に記載するだけで2割特例へ転換することが可能です。

4-2.消費税額の計算例

2割特例を選択した場合の、納税額算出方法は以下のとおりです。

納税額 = 課税売上に対する消費税額 × 20%

たとえば売上が600万円だった場合には、以下の納税額です。

課税売上に対する消費税額:600万円 × 10% = 60万円

納税額:60万円 × 20% = 12万円

上記事業者が簡易課税を選択している場合、みなし仕入率50%の30万円を60万円から引いて30万円となるため、2割特例のほうが18万円も税負担を軽減できます。

4-3.対象期間終了後の対応

2026年9月末に2割特例の適用期間が終了したあとは、簡易課税制度の届出をすることで、翌課税年度から適用を受けられます。

ただし一度届出を行うと、その後2年間は簡易課税を選択しなくてはなりません。

赤字となった場合には、原則課税のほうが節税につながるため、数年後の事業状況まで見越して届出を行うようにしましょう。

5.簡易課税と2割特例はどっちが得?

簡易課税と2割特例では、簡易課税制度の事業区分で第1種となっている卸売業以外の事業者は、2割特例を選択したほうがお得です。

卸売業では、みなし仕入率が90%と定められているため、2割特例を選択するとかえって税負担が増してしまいます。

一方他の業種では、業種にかかわらず売上に対する税額の2割が負担額です。簡易課税と比較すると、互いに同等もしくはそれよりも低い額となるため、2割特例を選択するほうがよいでしょう。

6.インボイス制度による請求書発行を効率化するなら「バクラク請求書発行」

インボイス制度の導入によって、簡易課税事業者が大きな影響を受けることはありません。しかし、取引先からの依頼によっては適格請求書発行事業者への転換が必要になることもあります。

適格請求書発行事業者となった場合であっても、簡易課税制度や2割特例の適用は受けられるため、取引先とも相談しながら登録を検討しましょう。

もし適格請求書の発行が必要となった場合には、要件を満たした適切な請求書の作成が必要です。バクラク請求書発行では、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応した請求書の発行や保管が可能です。

また、取引先に応じて電子送付・郵送代行ができるため、送付業務も大幅に削減できます。インボイス制度に合わせて、請求書関連業務を見直したいのであれば、バクラク請求書発行にお任せください。

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