
給与計算の誤りが発覚したときのお詫び文例と対処方法を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-02-17
- この記事の3つのポイント
- 給与計算の誤りに気付いたらすぐにお詫びをして、ミスの原因と今後の対応、再発防止策を伝える
- 正しい給与明細の作成・再発行後、従業員に修正箇所を提示して過不足分の給与を調整する
- 再発防止には給与計算のルール・スケジュールの見直しやチェック表作成、システム導入などが有効
給与計算の誤りが発覚したときのお詫び文例と対処方法を解説
給与計算の誤りは看過できないミスの一つで、発生した場合は迅速な対応が求められます。誤りの放置や頻発は、賃金の未払いによる罰則や是正勧告を受ける可能性があるため注意が必要です。 本記事では、給与計算の誤りで従業員にお詫びをするときのポイントや文例、ミスが発生したときの対処方法、再発防止策などを解説します。
1.給与計算の誤りをお詫びするときのポイント
給与計算の誤りが発覚した際は、対象の従業員に迅速かつ丁寧なお詫びをすることが重要です。本章では、お詫びのときに注意すべき3つのポイントについて詳しく解説します。
1-1.給与計算の誤りに気付いたらすぐにお詫びをする
給与計算の誤りに気付いたら、すぐにお詫びをすることが重要です。直属の上司や人事部門の責任者が、速やかに対応しましょう。
誤りの発覚後、企業側は正しい給与明細の作成や過不足分の調整が必要ですが、謝罪を後回しにすると従業員の不快感や怒りが増大する可能性があります。従業員の気持ちに寄り添い、まずはお詫びをしましょう。
1-2ミスが起きた原因と今後の対応を伝える
お詫びをする際は、謝罪の言葉だけでなく、ミスが起きた原因と今後の対応方針を伝える必要があります。説明が長いとわかりにくく、言い訳と捉えられかねないため、要点を簡潔に伝えることを意識しましょう。
今後同じミスをしないように、再発防止策にも言及することが重要です。対象従業員に安心感を与えるとともに、信頼回復を目指しましょう。
1-3.誤りが複数人に発生した場合はお詫び状の送付を検討する
給与計算の誤りが発生した場合は直接謝罪するのが基本ですが、対象者が複数人の場合は対応が困難です。ミスの対象が複数人に及ぶ場合は、書面やメールによるお詫び状の送付を検討しましょう。
文面には、誤りの内容と原因、今後の対応方針、再発防止策を謝罪の言葉とともに記載します。書面やメールは作成者の表情が見えないため、文面が形式的になりすぎないように注意が必要です。
自社の責任を認めて、情報を明確かつ丁寧に説明することが、企業の誠意を示すことにつながります。従業員が状況を理解し、企業の対応に納得できるような対応を心掛けましょう。
2.給与計算の誤りをお詫びするメール文例
給与計算の誤りをメールでお詫びする際は、以下の文例を参考にしてください。
【件名】給与計算の誤りに関するお詫びと今後の対応について |
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○○ ○○様 お疲れ様です。人事部の△△です。 このたび、xxxx年x月分の給与計算において以下の誤りが発生いたしました。 ○○様に、多大なるご不便とご心配をおかけして申し訳ございません。 (誤りの内容を説明) 深くお詫びを申し上げるとともに、以下の対応をとらせていただきます。 (対応の内容を説明) 今後は同様のことが起こらないように再発防止に努め、一層丁寧な業務遂行を心がけてまいります。何卒ご容赦いただきますようお願い申し上げます。 |
誤りの内容例は、以下のとおりです。誤りが生じた経緯を簡潔に記し、給与支払額の不足・過払いのいずれかも明確にしましょう。
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給与支給額が不足していた場合、以下のような対応を提案します。
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給与の過払いがあった場合は、従業員に返金を求めて同意を得る必要があります。以下のような文面で、返金日や返金方法の意向を確認しましょう。
x月xx日までに過払い額を計算し、ご返金いただきたい金額をお伝えいたします。返金のタイミングや方法につきましては、ご希望をお聞かせください。 次月給与からの控除・お振込・現金書留など、○○様のご都合が良い方法をお選びいただけます。 |
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3.ミスをしたときの対処方法
給与計算に誤りが発生した際は、迅速かつ適切な対処が求められます。どのような対処が必要か、具体的な流れを4つのステップで見ていきましょう。
3-1.正しい給与明細を作成する
まずは、給与を再計算して正しい給与明細を作成します。基本給や各種手当、欠勤などによる控除、非課税項目を修正する場合は、所得税や雇用保険料にも影響する可能性があるため注意が必要です。
また、健康保険料や介護保険料などの控除項目を修正する場合は、所得税額に誤りがないかを確認しましょう。二度目の誤りは許されないことを理解した上で、慎重に進めることが重要です。
なお、誤りのある給与明細は、改善策の立案時などに使用する可能性があるため、破棄せず保管しておきましょう。
3-2.正しい給与明細を再発行し、修正箇所を提示する
正しい給与明細を再発行して、修正した箇所を対象従業員に提示します。給与明細は原則手渡しをして、差額分の支払いまたは返金の方法を説明しましょう。
複数の従業員が対象の場合は、給与明細に説明の用紙を添えて郵送する方法でも問題ありません。
3-3.過不足分を調整する
給与の過不足分は、当月内に調整するのが基本です。どのように調整するか、不足時と過払い時の対応を詳しく解説します。
3-3-1.給与が不足していた場合
給与が不足していた場合は、不足分を速やかに支給する必要があります。
手渡しが可能な場合は、すぐに従業員のもとを訪れて不足分の給与を渡し、領収書に捺印してもらいましょう。対象者が複数の場合は振込で対応するのが一般的ですが、翌営業日の振込みにならないように注意が必要です。
当月中の対応が難しい場合は、従業員の同意があれば翌月の給与に上乗せできます。ただし、次月に持ち越すには就業規則や労使協定への記載が必要なため、極力避けましょう。
3-3-2.給与を過払いしていた場合
給与を過払いしていた場合、当月内に現金で払い戻しを受けて、過払い金額を記載した領収書を渡すのが一般的な流れです。ただし、従業員が同意した場合や労使協定の規定がある場合は、翌月の給与から差し引いて調整できます。
従業員が返金に応じない場合は、不当利得返還請求と呼ばれる法的な手続きの検討が必要になることを知っておきましょう。
3-4.ミスの原因を調査し、対策を検討・共有する
給与計算の誤りを二度と起こさないためには、原因の調査と対策の検討を行い、共有することが重要です。
再発防止策の例として、以下の取り組みが挙げられます。
- 給与計算のルールと手順を再確認する
- 給与計算にダブルチェックを取り入れる
- 法改正に関する情報を定期的に確認する
- 給与計算システムを導入する
ダブルチェックや給与計算システムの導入は、人的ミスの削減に有効です。給与計算システムは導入・運用に費用がかかりますが、法改正に対応しているものが多く、業務効率化と正確性の向上を図れます。
今後どのような再発防止策を講じるかは、対象の従業員に極力口頭で説明しましょう。複数の対象者がいる場合など、対面による説明が難しいときは、書面やメールで伝えても問題ありません。
4.給与計算ミスの原因
給与計算ミスが発生する原因を理解しておかないと、再発防止策を講じても同じ誤りを繰り返す可能性があります。給与計算ミスに多い3つの原因を、詳しく見ていきましょう。
4-1.手動で給与計算をしている
手動で給与計算をしている場合、人的ミスが発生しやすくなります。たとえば、紙のタイムカードを集計して勤怠データを手入力する、電卓で給与を算出する、給与明細を手書きで作成するといったケースです。
近年は給与計算を自動化できるシステムが普及していますが、導入が難しい場合は、ダブルチェック体制を導入して人的ミスを防ぎましょう。
4-2.働き方が従業員によって異なる
近年は柔軟な働き方ができるようになりましたが、給与計算は複雑化しています。パート・アルバイトや契約社員といった多様な雇用形態、フレックスタイム制や裁量労働制などを導入している企業の場合、従業員一人ひとりに合わせた給与計算が必要です。
勤怠管理システムを導入していない企業では、管理がより難しく、給与計算ミスにつながる可能性があるため注意しましょう。
以下の記事では、時短勤務の給与計算方法と具体例について解説しています。時短勤務で給与が減額の対象にならないケースも紹介していますので、参考にしてください。
関連記事:時短勤務の給与計算方法と具体例、減額の補填となる給付金について
4-3.社会保険料の反映を誤る
社会保険料の反映を誤ったことが、給与計算ミスにつながるケースもあります。
まず、雇用保険料や健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料は、給与から控除して納付しなければいけません。それぞれ個人と企業の負担割合が異なるほか、介護保険料は40歳以降に支払い義務が生じるため、給与計算ミスが生じやすくなります。
また、社会保険制度は定期的に改正されます。健康保険や介護保険の料率変更、月額変更届の反映などに対応できていない場合、給与計算ミスが起こるだけでなく、法令違反に該当する可能性もあるため注意しましょう。
社会保険料の計算方法と注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
関連記事:社会保険料の計算方法を解説!毎月の給与と賞与に分けて算出
5.給与計算の誤りによって生じるリスク
給与計算を誤ると、企業は従業員からの信頼を失う以外にも多くのリスクが生じます。どのようなリスクがあるかを理解し、給与計算の誤りが生じないように日々の業務に取り組みましょう。
5-1.正しい納税額が算定できない
給与計算を誤ると、正しい納税額を算定できない可能性があります。税金や社会保険料の納付額を誤った場合、罰金や延滞金の発生、企業の評判が落ちるリスクが懸念されます。
脱税の疑いをかけられることもあるため、正しい給与計算を行い、適切な額の税金を納めましょう。
5-2.罰則や是正勧告を受ける可能性がある
給与計算の誤りが頻発すると、罰則や是正勧告を受けることがあります。たとえば給与支払額の不足が続いた場合、故意か否かに関わらず、賃金未払いで企業が罰則を受ける可能性を否定できません。
所轄の労働基準監督署に注目された結果、税務調査の回数が増えるなど、取り締まりを強化されることもあるでしょう。必ずしも司法処分が下されるとは限りませんが、対応に追われる担当者の負担増大が懸念されます。
5-3.遅延損害金が生じる可能性がある
遅延損害金は、従業員が適切なタイミングで給与を受け取れなかった場合に、本来の給与に上乗せする形で発生する損害賠償金です。遅延損害金の額は支払いが遅れるにつれて大きくなるため、給与計算の誤りを放置しないように注意が必要です。
なお、遅延損害金の請求権は、在職中だけでなく退職後も行使できます。退職した従業員とのトラブルを避けるためにも、日頃から正しい給与計算を行いましょう。
6.正確に給与計算をするための対策
続いては、正確に給与計算をするための対策を5つ紹介します。すぐに取り入れられるアイデアもあるため、給与計算の仕組みを早急に改善したい方は参考にしてください。
6-1.チェックリストを作成する
給与計算のプロセスごとに、誤りが生じやすい項目をチェックリストにまとめる方法があります。作成したリストを使用し、複数人でダブルチェックをすることによって単純なミスを防げます。人事異動の際は、業務の引継ぎにも役立つでしょう。
社会保険料の改定時期や各種手当の適用などは、重点的に確認すべき事項としてリストに記載しておくのがおすすめです。法改正などを考慮し、定期的に内容の見直しも実施しましょう。
6-2.給与計算のルールを策定する
給与計算の正確性を向上するには、給与計算のルールを策定または見直すことが重要です。複雑な基準や手当は担当者の誤解を招きやすいため、ルールはできるだけシンプルにするのが理想です。
従業員の給与を計算する手順やポイント、注意点について理解を深めたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:給料計算のやり方とは?手順やポイント・注意点をわかりやすく解説
6-3.給与計算のスケジュールに余裕をもつ
締め日から給与支給日までの日数が少ないと、気持ちの焦りなどからミスが生じやすくなります。
毎月、時間的な余裕がない状況で支給日間際まで給与計算をしている企業は、20日程度の猶予を目安にスケジュールの変更を検討しましょう。十分な日数を設けることで業務の正確性が向上し、給与計算のミスが生じにくくなります。
6-4.給与計算をアウトソーシングする
給与計算を専門の業者にアウトソーシングすると、業務の正確性向上に加えて効率化も期待できます。
利用に費用がかかりますが、一定の知識を有する第三者が業務を請け負うため、人的リソースの削減が可能です。業者によっては、給与計算のほかに、社労士による相談ができる場合もあります。
6-5.給与計算システムを導入する
業務の正確性と効率を上げる選択肢として、給与計算システムの導入も効果的です。計算や入力の自動化で人的ミスを防げるほか、法改正にスムーズに対応できるメリットがあります。
また、Excelなどを使ったフォーマットの作成や、専門知識の早急な習得も必要ないため、担当者の負担を軽減できます。サービスの内容や料金形態はシステムごとに異なるため、複数のシステムを比較の上で選定しましょう。
7.正確かつ効率的に給与計算をするにはバクラク勤怠の活用がおすすめ
給与計算の誤りに気付いたら速やかにお詫びをして、ミスの原因と今後の対応、再発防止策を対象従業員に伝える必要があります。正しい給与明細の作成・発行後、従業員に修正箇所を提示して過不足分の給与を調整することも忘れてはいけません。
給与計算のルールやスケジュールの見直し、チェック表の作成などの対策を講じて、再発防止に努めましょう。
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