
休憩時間に関する法律とは?労働基準法のルールと違反した場合の罰則
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-10-07
- この記事の3つのポイント
- 労働時間が6時間を超える場合は最低45分、8時間を超える場合は最低1時間の休憩が必要である
- 休憩の3原則(途中付与の原則・一斉付与の原則・自由利用の原則)に沿って休憩を付与する
- 労働基準法に違反した場合、雇用主に6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられる
企業は従業員に対して、適切な休憩時間を与えることが法律で義務付けられています。不十分な理解により対応を誤ると、労働基準法違反で罰則が科せられるリスクがあるため、注意が必要です。
本記事では、労働基準法における休憩時間の規定や休憩の3原則、法律に違反した場合の罰則について詳しく解説します。残業中の対応や、労働時間と判断されるケースも解説していますので、理解を深めるのにお役立てください。
インボイス制度の概要を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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休憩時間に関する法律とは?労働基準法のルールと違反した場合の罰則
労働基準法における休憩時間の規定
労働基準法第34条では、使用者は労働時間が6時間を超える場合に45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与える決まりがあります。
注意すべきは「6時間以上」ではなく「6時間を超える」とされている点です。そのため、労働時間が6時間ちょうどであれば、原則として法律上の休憩付与義務はありません。一方、6時間5分など少しでも6時間を超えて働かせる時点で、45分以上の休憩が必要です。
同様に、8時間ちょうどの労働時間では、必要な休憩時間は45分以上ですが、8時間を超えると1時間以上となります。
ただし、これらの時間はあくまでも法定上の最低基準であるため、就業規則で定めておけば、より長い休憩時間を設けても問題はありません。たとえば、1日おきに15〜16時間働き、勤務明けが休日となる隔日勤務などでは、60分の休憩を2回与えるケースもあるでしょう。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法 第34条」
就業時間の定義については、以下の記事でご確認ください。
休憩時間は原則として全従業員に提供する必要がある
休憩時間は、雇用形態に関わらず全従業員に付与するのが原則です。派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用者にも、労働基準法に従い、適切な休憩時間を与えなければなりません。
ただし、以下の従業員には適用が除外されます。
- 労働基準法第41条に該当する従業員
- 高度プロフェッショナル制度の対象従業員
労働基準法第41条に該当する従業員の例は、天候に左右される農業や水産業に従事する者、管理監督者、機密事務取扱者などです。守衛や炊事婦も該当しますが、労働基準監督署長の許可が必要な点に留意しましょう。
なお、業務委託・請負で働く人は労働者に該当しないため労基法の対象外です。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法 第41条」
残業時間の概要や計算方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:時間外労働とは?定義や法改正された上限規制内容、計算方法を解説
休憩時間を提供する際に守るべき「休憩の3原則」
従業員に休憩時間を与える際に、企業が守るべき決まりとして「休憩の3原則」があります。
この原則は、労働基準法で定められており、違反した場合は罰則が科せられます。
具体的にどのような決まりなのか、順に確認しましょう。
1.途中付与の原則
途中付与の原則とは、休憩を労働時間の途中に付与しなければならない決まりのことです(労働基準法第34条第1項)。従業員からの同意の有無にかかわらず、就業前や終業後に休憩を与えることは認められません。
たとえば、所定労働時間が8時間15分の従業員には、労働時間の合間に1時間以上の休憩を与える必要があります。
休憩は分割付与も可能で、30分の休憩を2回与えても問題ありません。まとまった休憩時間の確保が難しい場合は、数時間おきに15分の休憩を計4回与えるなどの工夫を凝らしましょう。
2.一斉付与の原則
一斉付与の原則とは、事業場内の従業員に対して、休憩時間を一斉に与えなければならない決まりのことです(労働基準法第34条第2項)。たとえば、一部の従業員のみ休憩をずらすことは、労働基準法違反に該当します。
ただし以下の業種は、休憩の一斉取得が難しいことから適用が除外されます。
- 商業
- 通信業
- 運輸交通業
- 金融・広告業
- 保健衛生業
- 映画・演劇業
- 接客娯楽業
- 官公署の事業
労使協定を締結していれば、上記の業種以外でも一斉付与の原則を適用除外することが可能です。その場合は、適用除外となる従業員の範囲や、休憩の付与ルールを明確化しましょう。
3.自由利用の原則
自由利用の原則とは、休憩時間の過ごし方を従業員の意思に委ねる決まりのことです(労働基準法第34条第3項)。従業員が休憩時間をどのように過ごすかについて、企業側は干渉できません。
そのため、休憩時間中に電話対応をさせる、休憩終了の10分前に着席を促すといった行為は、原則として労働基準法違反に該当します。
ただし、企業の規律保持の観点から、必要な制限を加えることは認められています。休憩中の外出時に許可を求めたり、制服から私服への着替えを指示したりしても、法的には問題ありません。
なお、自由利用の原則は、警察官や常勤の消防団員、児童と起居をともにする者など、一部の職種には適用されません。他にも、労働基準監督署長の許可があれば適用が除外される職種もあるため、事前に確認しましょう。
残業中の休憩時間はどうなる?
労働基準法には、残業時間の長さに応じて追加の休憩を設ける決まりはありません。
ただし、休憩時間は残業を含めた1日の労働時間で判断することが必要です。たとえば、6時間超8時間以内の勤務で45分の休憩を取った後、残業によって実労働時間が8時間を超過した場合は、合計1時間以上となるよう、少なくとも15分の休憩を追加する必要があります。
すでに1時間以上の休憩を与えていれば、残業で8時間を超えても法律上、追加付与は求められません。
なお、長時間勤務は従業員の心身の負担や集中力の低下につながるため、必要に応じて休憩を増やすなど、過度な長時間労働を防ぐ工夫も大切です。
休憩時間ではなく労働時間と見なされるケース
休憩時間は従業員が労働から完全に解放され、自由に過ごせる時間です。自由に過ごせていない場合、労働時間と見なされる恐れがあります。
たとえば、以下のようなケースで注意が必要です。
- 休憩中の電話・来客対応、軽作業
- 次の指示・業務のための待機時間
- ランチミーティング
- 労働中の仮眠、喫煙
電話や来客、軽作業は休憩時の片手間であっても、労働時間となります。また、業務に備えて事業場・出先で待機する時間や、指示があればすぐ業務に戻る必要がある手待ち時間も、実際の業務発生有無に関係なく労働時間に該当するため注意しましょう。
昼食を取りながら行うランチミーティングも、参加が義務付けられていたり、業務上の報告・打ち合わせを求められたりする場合は、労働時間と判断される可能性があります。
労働中の仮眠や喫煙については、労働から完全に解放されているか否かが判断のポイントです。従業員が使用者の指揮命令下にあり、状況次第で業務に戻る場合は労働時間と見なされます。
休憩時間の規定に違反した場合は罰則が科せられる
労働基準法による休憩時間の規定に違反した場合は、罰則の対象となるため注意が必要です(労働基準法第119条)。具体的には、雇用主に対して、6カ月以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金が科せられます。
たとえば、以下のようなケースは労働基準法違反に該当する可能性があります。
- 就業前または終業後に休憩を取得させた
- 休憩時間中に電話対応や軽作業をさせた
- 6時間を超える労働において、休憩を与えなかった
- 急な人員不足やトラブルにより、休憩を与えられなかった
やむを得ない理由があった場合も、企業側は従業員に適切な休憩時間を与えなければなりません。不測の事態が発生しても臨機応変な対応ができるように、従業員の勤怠管理を徹底しましょう。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法 第119条」
休憩時間も含め適切に勤怠管理するなら「バクラク勤怠」
企業は従業員に対して、労働時間に応じた休憩時間を与えることが労働基準法で定められています。違反した場合は、企業側に罰則が科せられるため注意が必要です。休憩の3原則も踏まえて、適切に休憩を付与しましょう。
休憩時間を含む従業員の勤怠管理には、勤怠システムの導入が効果的です。
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