食事代を経費にする際の勘定科目は?会食・会議・出張など状況別の仕訳を解説

食事代は、状況によって経費計上の考え方が異なるため、分かりにくいと感じている担当者も多いでしょう。この記事では、食事代を経費として計上できるのか、その際の勘定科目などを解説します。自社の経費精算を行うにあたり、食事代について分からないことがある際は、参考にしてください。

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食事代を経費にする際の勘定科目は?会食・会議・出張など状況別の仕訳を解説

飲食代を経費で落とせる条件

食事代には、経費にできるものと、できないものがあります。経費にできるかどうかを分けるポイントは、食事の目的です。具体的には、取引先との食事代のように、事業に関連するものは経費にできます。一方、金額や利用店舗などによっては経費として認められない可能性もあるでしょう。また、プライベートの食事代は経費にできません。

法人か個人事業主かで異なる

経費の扱いは、法人か個人事業主かでも異なります。法人の場合、飲食費は1人あたりの金額が5,000円を超えると交際費、5,000円以下であれば会議費となります。全体の金額を人数で割ってみて、個人単位の費用を割り出すと判断しやすいでしょう。

一方で個人事業主は、交際費すべてを経費とできるため、飲食費の分類は交際費でも会議費でも構いません。

食事の目的が仕事に関するものである

食事代を経費とするには、食事の目的が仕事に関するものでなければなりません。したがって、例えば取引先の人と親しくなり、個人的に食事を楽しんだ場合は、経費とはならない点に注意が必要です。食事の相手ではなく、食事の目的が重要であるという点に注目すると、間違いがなくなります。

食事代を経費にする際の勘定科目

事業に関係する食事代は経費にできますが、目的や金額によって用いる勘定科目が違います。食事代を経費に計上する際は、主に以下3つの勘定科目のいずれかです。ここでは、それぞれの分類や内容について解説します。

交際費

社外の人との食事は、会議費に該当するものを除き接待交際費で処理することが原則です。接待交際費とは、接待にかかわる費用のことです。1人あたりの金額が5,000円以上のときに限り、接待交際費の費目が利用されます。そのため、喫茶店での打ち合わせや、居酒屋などでの宴会は接待交際費になることが多いでしょう。

なお、法人と個人事業主とで、接待交際費を経費にできる範囲が異なります。個人事業主の場合は上限がなく、法人では資本金によって、資本金1億円以上では接待交際費の50%、1億円以下では50%もしくは800万円の上限があるため注意が必要です。

接待交際費について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。

接待交際費とはどんな費用?経費にできる範囲(上限金額・内容)や仕訳を解説

会議費

社内・社外での会議にかかった費用は会議費で処理します。会議費とは、会議のための経費で、1人あたりの金額が5,000円以下のときに使用される費目です。会議の場における飲み物やお菓子なども会議費となります。

会議のメンバーは自社内の従業員だけに限られず、社外の人がメンバーに含まれていても問題ありません。ただし、会議に付随しなければ会議費とはならないため、食事としては昼食程度の内容もしくは金額といえるでしょう。

会議費は交際費と違い、法人でも100パーセントを経費として計上できます。内容の説明を必要とする場合、領収書とあわせて会議メンバー、人数、内容をメモしておくことがおすすめです。

福利厚生費

自社の従業員との食事代は、基本的に福利厚生費で処理します。福利厚生費とは、従業員全員が対象で、現物支給ではないときに用いられる費目です。

従業員全員に対して実施するものは福利厚生の1つと判断できるため、経費計上する際の費目も福利厚生費で処理します。ただし、一部の従業員とのみ頻繁に食事に行くと、給与に該当すると判断される恐れもあります。福利厚生費の位置づけを理解したうえで計上しましょう。

場面別|経費で落とせる食事代とその勘定科目

経費で落とせるかどうか、勘定科目を何にするかは、食事をする背景によって判断できることもあります。ここでは代表的な場面における勘定科目をそれぞれ解説します。

喫茶店で仕事をする場合

状況によって、1人で喫茶店に立ち寄り、仕事をすることが必要なケースもあります。この場合は、食事代といっても仕事の場所代を意味するため、事業に関係する支出と判断でき、経費にすることが可能です。この場合のコーヒー代は雑費で処理します。福利厚生費や交際費にはならない点に注意しましょう。

また、仕事をしたといっても昼食がメインだったり、飲酒したりすると、プライベートの扱いとなり経費にできません。

取引先とのランチミーティングの場合

取引先とランチミーティングをする場合は、業務に関わるため経費に計上できます。勘定科目を判別するには、ランチミーティングの内容に焦点を当ててみましょう。食事をしつつ取引先と会議をする際は会議費、接待や宴会など高価なものであれば交際費に分類されます。

ただし、特定の従業員や取引先とばかり頻繁にミーティングをすると、必要性が疑われる恐れもあるため注意が必要です。

出張中の食事代の場合

出張中の食事代は、基本的に経費にできません。ただし、「朝食付き」のようにホテル代に含まれる場合は、旅費交通費として経費で計上できます。また、出張中の取引先との食事は、交際費や会議費として計上が可能です。交際費になるか、会議費になるかは、前出のランチミーティングと同じく内容によって判断しましょう。

オンライン会議時の弁当・飲み物の場合

近年はオンライン会議が増えており、オンライン会議にあたって弁当や飲み物を用意しなければならないことも多いでしょう。この場合、飲食物の購入費用も経費に計上できます。費目は会議費です。ただオンライン会議での出費はプライベートか仕事かが分かりにくいため、経費にするためには日時を明記した議事録に加え、弁当や飲み物を購入した記録を残しておきましょう。

夜のお店の場合

取引先や得意先と、キャバクラのような夜のお店に行くことも考えられます。これらも業務の円滑な進行につながるのであれば、経費として計上可能です。夜のお店で接待を行った場合、経費処理の勘定科目は接待交際費となります。一方、自社の従業員と行く際は仕事上で必要と判断することは難しいため、経費にならない可能性が高く注意が必要です。

食事代を経費にする際の注意点

食事代を経費にする際は、以下の点に注意して計上を行いましょう。

領収書やレシートを保管する

食事代を経費に計上するためには、食事の証拠となる、領収書やレシートを保管しなければなりません。領収書やレシートがなければ飲食の証拠がなく、経費とすることはできません。

なお、領収書を紛失した際の経費精算については以下で解説していますので、あわせてご覧ください。

領収書なしでも経費精算は可能?紛失や発行されない場合の対処法

食事の相手や目的をメモする

領収書やレシートの保管は経費とするために必要不可欠ですが、それだけでは情報が不足しています。領収書・レシートだけでは事業に関係する食事代か、プライベートの食事代かを判断できないためです。

したがって、食事した相手や目的についてメモをとり、後で食事について聞かれた場合も、なぜその食事代が必要だったかを説明できるようにしておきましょう。事業に関係する食事代と証明することで、経費として計上できます。

なぜ必要なのか説明できるようにする

先述のように、食事代がなぜ必要だったのか説明できるようにしておくことはとても大切です。経費にならない食事代を経費に計上した場合、税務署から税務調査が入る恐れがあります。このとき、説明が曖昧だと、経費として認められない可能性があるでしょう。また、虚偽申告が発覚した場合は、罰則が科せられる可能性もあります。

税務署の調査は確定申告の数年後に実施されることもあるため、時間が経過しても説明できるようにしておくことが大切です。

まとめ

経費精算において、食事代はプライベートとの見分けが難しく、経費として認められるかどうか、勘定科目には何を使うかで迷ってしまうことも多い分野です。この記事で紹介した、いくつかの見分けるポイントを覚えておき、正確な分類を心掛けましょう。食事の目的、メンバーなどをメモしておくことも忘れずに周知してください。

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