© 2024 LayerX Inc.
旅行代理店や宿泊サイトのインボイス（適格請求書）は出張時にどう発行するべき？
- 記事公開日：
- 最終更新日：2024-09-06
会社の出張手配の際に旅行代理店を利用した場合、インボイスは発行されるのでしょうか。基本的には旅行代理店からインボイスが発行されるものの、状況によっては注意点もあります。
この記事では、出張手配で旅行代理店を利用する際の影響や注意点などを詳しく解説します。インボイスを受け取って正しく処理するために、ぜひ参考にしてください。
旅行代理店や宿泊サイトのインボイス（適格請求書）は出張時にどう発行するべき？
インボイス制度において旅行代理店は適格請求書を発行する必要がある？
旅行代理店は、受託者として委託者の代わりに適格請求書を交付できます。旅行代理店は宿泊施設の代理で会社とやり取りするため、委託者の代わりに適格請求書の発行が認められている媒介者交付特例を利用できるからです。
媒介者交付特例により旅行代理店が会社へ適格請求書を発行するには、要件を満たす必要があります。まず、受託者である旅行代理店と委託者である宿泊施設がともに適格請求書発行事業者でなければなりません。
また、宿泊施設は旅行代理店に対し、適格請求書発行事業者として登録している旨を取引の前に通知する必要があります。そして、取引のたびに登録番号を通知する方法と、基本契約などにおいて登録番号を示す方法があります。
※参考：適格請求書の交付方法 | 国税庁
出張手配で旅行代理店・宿泊予約サイトを利用する際の注意点
出張の手配において旅行代理店・宿泊予約サイトを利用する場合、気をつけたいことがあります。具体的な注意点について解説します。
基本的に宿泊施設からのインボイス発行は不要
前述した通り、旅行代理店や宿泊予約サイトは宿泊施設から委託を受けており、媒介者交付特例が適用されます。この場合、 宿泊施設は委託者、旅行代理店は受託者です。よって、旅行代理店を経由して出張手配すると、インボイスは旅行代理店から発行されます。旅行代理店からインボイスを受領できれば、実際に泊まる宿泊施設から改めてインボイスの発行を受ける必要はありません。
外資系のホテル予約サイトは宿側の対応を要確認
海外の予約サイトを利用して出張手配をする場合、インボイスの取り扱いについて特に注意が必要です。海外の予約サイトは、日本のインボイス制度に対応していないところが多いからです。たとえば、Expedia（エクスペディア）やBooking.com（ブッキングドットコム）などは、インボイス制度に対応していません。
適格請求書発行事業者ではない海外の予約サイトで宿泊施設を手配して事前決済すると、インボイスを受け取れません。よって、海外の予約サイトを経由して宿泊施設の予約をとる際は、個々の宿泊施設の対応を確認しましょう。宿泊施設の対応によっては、公式サイトから直接予約したり、現地決済を選択したりすれば、インボイスを受け取れる可能性があります。
インボイス制度におけるホテル側の対応例
インボイス制度についてホテルの公式サイトを確認すると、以下の対応がとられているケースが多いです。
- 海外の予約サイトにおける事前決済を行えば、ホテルでは領収書を発行できない
- インボイスが必要な場合、ホテルの公式サイトから予約して現地決済する必要がある
- 旅行代理店がインボイスに対応しているなら、旅行代理店がインボイスを発行する
上記はあくまで一例であるため、ホテルによってインボイス制度への対応は異なります。確実にインボイスを取得するには、実際に泊まるホテルのルールを事前に必ず確認することが大切です。
あわせて知っておきたい出張旅費等特例・公共交通機関特例とは？
出張の手配をする際は、出張旅費等特例・公共交通機関特例についても知っておくとよいです。それぞれについて解説します。
出張旅費等特例
出張旅費等特例とは、出張に必要な経費として認められる金額についてはインボイスを保存しなくても仕入税額控除を受けられる制度です。たとえば、出張する従業員本人が自分で宿泊施設を手配し、費用を立替払いするケースで特例を利用できます。従業員に支給した出張旅費について、通常必要と認められる金額ならインボイスがなくても仕入税額控除の適用が可能です。
なお、会社が出張旅費を直接旅行代理店などに支払う場合、一般的に出張旅費等特例の対象にはならないとされています。
※参考：インボイス制度における特例②（出張旅費等特例） | 国税庁
公共交通機関特例
公共交通機関特例とは、公共交通機関の利用にかかった費用が3万円未満なら、インボイスを保存しなくても仕入税額控除を受けられる制度です。1回の取引が3万円未満である場合が対象です。出張において従業員本人が自分で支払った場合だけでなく、会社が直接支払をする場合も対象となります。
※参考：交付免除 | 国税庁
インボイス制度において請求書処理を効率化するには？
インボイス制度の開始に伴い、旅行代理店を利用して出張手配をした場合、一定のルールに基づく請求書の処理や保存が求められるようになりました。よって、旅行代理店を利用する出張手配が多いほど、会社の負担が大きくなります。負担をなるべく小さく抑えるには、請求書処理の効率化が重要です。
たとえば、インボイス制度に対応している会計システムや請求書管理システムを導入する方法があります。出張手配の際に受け取った請求書をスムーズに扱えるようになるため、ぜひ導入を検討してください。
請求書の処理を効率化するバクラク請求書受取
請求書の処理を効率化するには、バクラク請求書受取の利用がおすすめです。以下で詳しく解説します。
バクラク請求書受取とは？
バクラク請求書受取とは、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているクラウド請求書受取ソフトです。請求書の処理はミスなく対応する必要があり、対応する従業員にとって大きな負担となります。バクラク請求書受取を利用すると、請求書に関する業務について自動化や効率化を実現可能です。
また、自社が抱えている課題や状況に応じた最適な料金プランを選択できるため、無駄のない利用が可能です。
バクラク請求書受取のメリット・機能
バクラク請求書受取なら請求書を自動で読み取れます。適格請求書の要件も自動で判定できるため、確認の手間が省けます。AIの活用により、仕訳入力や振込データの作成も自動化が可能です。さらに、支払金額レポートや受取状況レポートなどの機能もあります。請求書の処理状況を可視化でき、対応漏れを防止できます。
また、バクラク申請と連携させると、内部統制の強化も可能です。手間や負担が大きい書類の処理や管理をスムーズに進めるために、ぜひ導入を検討してください。
まとめ
旅行代理店を利用して出張手配をする場合、宿泊施設ではなく旅行代理店からインボイスを受け取れます。海外の予約サイトを利用するとインボイスを発行できないケースもあるため、注意が必要です。宿泊施設によっても対応が異なる可能性があり、その都度確認すると安心です。今回解説した出張に関わる特例についても理解しておきましょう。
バクラク請求書受取は支払業務を自動化し、素早く正確に対応するためのツールです。稟議、仕訳、支払、管理といった一連のフローの連携も可能です。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しているため、導入すれば迷わず適切な対応を実現できます。請求書を手間なく適切に扱うために、ぜひ活用してください。