請求書の再発行が必要なケースとは?正しい対処方法やポイントを解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-12
ビジネス上の取引では、請求書が発行される場面が少なくありません。請求書の内容に誤りがあると、再発行が必要となります。請求書は金銭に関わる重要な書類なので、再発行は状況に応じて適切に対応する必要があります。この記事では、請求書の再発行が必要なケースや手順、押さえておくべき注意点を解説します。
請求書の再発行が必要なケースとは?正しい対処方法やポイントを解説
請求書の再発行が必要な場合
請求書の送付後に誤りが発覚した場合、取引先からの指摘を受けた場合についてそれぞれ解説します。
送付後に誤りが発覚した場合
請求書を送付してから内容の誤りに気づいた場合は、早急に取引先に連絡する必要があります。謝罪をしたうえで誤りがあった旨や箇所を明確に伝え、再発行した請求書を送付しましょう。再発行の場合でも、基本的に発行日や支払期日は変えず、初回発行と同じ内容にしてください。再発行した請求書には、謝罪文を同封すると丁寧な印象になります。
取引先から指摘された場合
内容の誤りに気づかず請求書を発行してしまい、後になって取引先から指摘を受ける場合があります。誤りを指摘された際は、まず事実確認を行いましょう。実際の取引と請求書の内容を照らし合わせます。確認が取れれば指摘箇所を修正し、取引先にも内容を伝えたうえで再発行します。この場合も謝罪文を同封しておけば丁寧な印象です。
請求書を再発行する理由
請求書の再発行が必要となる主な理由は、紛失や支払方法の変更です。以下でそれぞれ解説します。
請求書の紛失
請求書は定められた期間での保存が義務付けられています。保存期間中に請求書を紛失してしまうと再発行が必要です。紛失したにもかかわらず再発行をしない場合、保存義務を怠ったとみなされます。保存が必要となる期間は法人なら7年間、個人事業主なら5年間です。適格請求書では法人、個人事業主に関係なく10年間の保存が必要です。
支払方法の変更
取引において支払方法の変更が必要となった際は、請求書を再発行します。ただし、支払方法の変更に関しては慎重に行うことが大切です。たとえば、元々は代金の一括払いの契約だったとしても、取引先の資金不足によって履行できなくなれば、債務不履行として法的な措置が必要な場合もあります。支払方法を取引先から変更を求められても安易に承諾せず、まずは内容を精査しましょう。
請求書を再発行する手順
請求書の再発行を滞りなく進めるには、正しい手順で行うことが大切です。ここでは、請求書を再発行する際の手順を解説します。
請求書の誤りを確認する
まずは宛名や金額、日付などが実際の取引と合致しているか改めて確認します。特に取引先からの指定を受けた際は、指摘内容が正しいか精査が必要です。また、指摘された箇所以外にも誤りがないか確認しておきましょう。誤っている点と正しい内容が確認できれば再発行に取り掛かります。
訂正した請求書を再発行する
誤りが確認できた後は、取引先にも修正内容を共有して確認しましょう。たとえ再発行する場合であっても、記載する日付は初回発行と同日です。ただし、初回発行で記載した支払期日を過ぎてしまっている場合は、期日を新たに設定する必要があります。また、二重請求を防止するため、再発行した請求書には「再発行」と明確に記載しましょう。
再発行した請求書を送付する
再発行が完了したら、案内状とともに取引先へ送付します。発行元のミスが原因で再発行する場合は、謝罪文も添えておけばお詫びの気持ちが伝わるでしょう。再発防止策に関しても触れておけば誠意をアピールでき、信頼回復につながります。送付する際はすでに送付した初回発行の破棄を依頼し、二重請求を防止してください。
請求書の再発行における注意点
請求書の再発行は、注意するべきポイントが複数あります。正しく再発行するためにも以下の注意点を押さえましょう。
再発行したと分かるようにする
再発行した請求書は、再発行したものだと明確に分かることが重要です。書類のタイトルを「請求書(〇月〇分付請求分の再発行)」とするなど工夫しましょう。一目で再発行だと分かれば混乱を防止でき、トラブルになりやすい二重請求も防止できます。企業によっては再発行用のスタンプを用意し、業務を効率化しています。
管理番号を連番にする
請求書の管理番号は、再発行と初回発行とで連番にするとよいでしょう。連番にしておけば整理しやすく、経理上の混乱防止に役立ちます。請求書が再発行されたものだと分かりやすくなるため、二重請求の防止につながるでしょう。管理番号を連番ではなく枝番にする方法もあります。
- 連番の例:001、002、003、004…
- 枝番の例:001-1、001-2、001-3、001-4…
再発行の日付に注意する
請求書の再発行においては、日付の正確性が重要です。請求書は企業間の取引を証明し、経費計算で必要となる重要な書類です。そのため、日付の記載に関しては正確な情報が求められます。再発行した日付を記載するなら、初回発行の日付も一緒に記載しましょう。
支払期日を過ぎてからの再発行は要注意
支払期日を過ぎてからの再発行は慎重に進めましょう。基本的に、支払期日を過ぎてから再発行する際でも日付は変更しません。ただし、契約で延滞利息が定められているなら、利息に関する記載をしたうえで請求書の支払期日を変更します。支払期日の延長は、一般的に2週間~1か月程度が目安です。
請求書の再発行での項目別ポイント
請求書の再発行における項目別のポイントを紹介します。
請求書の宛名
宛先は、左上部に記載します。個人名や役職名がはっきりとしている場合には「社名+部署名+役職名+個人名+様」と記載しますが、個人名や役職名が不明な場合等には「社名+部署名+ご担当者様」または「社名+部署名+御中」と記載します。
「社名+部署名+御中+ご担当者様」や「社名+部署名+御中+役職名+個人名+様」というように「御中」と「様」を併用してしまうと二重敬語となってしまい、逆にマナー違反となるため、併用しないように注意しましょう。
発行側の情報
再発行でも発行側の会社名や氏名、住所、連絡先などの記載は必須です。宛名と同じく略称を使わず、正式名称を記載してください。振込先の金融機関名や支店名、口座番号、口座の種類、口座名義なども改めて記載します。
請求書の日付
再発行の請求書に記載する発行日は、原則として初回発行と同じ日付です。日付の間違いは自社と取引先の両方に迷惑がかかるので、再度のミスがないように初回発行の日付を確認したうえで対応しましょう。支払期日を記載する際も、初回発行と日にちを合わせます。ただし、延滞利息が定められた取引の場合は契約内容の確認が必要です。
取引内容・金額
再発行する請求書の商品またはサービス、数量、納品日などに誤りがないか再度確認します。たとえ指摘を受けていない箇所でも精査しておくと、万が一誤りがあった場合に追加で修正する事態を防止できます。請求書には合計金額だけでなく、商品またはサービスの単価、小計、消費税額などの詳細な記載が必要です。なお、源泉徴収額の記載は発行側の任意となります。
請求書番号
請求書番号とは、各請求書に割り振られた固有の番号のことです。付け方に法的な決まりはないものの、業務効率化のためにも管理しやすい工夫が必要です。たとえば、請求書の番号が「001」なら、再発行したものは「002」または「001-1」とすれば、整理のしやすさに加えミスの削減にもつながります。
再発行した請求書をメールで送る場合の例文
最後に、再発行した請求書をメールで送る場合の例文を紹介します。
(件名) 10月分請求書の再発行分送付
(宛先) 株式会社〇〇
担当〇〇様
(挨拶) いつもお世話になっております。株式会社△△の✕✕です。日ごろより弊社のサービスをご利用いただき、心より感謝申し上げます。
(メールの要件) 「◇◇◇」の件につきまして、10月分の請求書を再発行しましたので送付させていただきます。なお、紛失された請求書が見つかりました場合は、お手数ですが破棄いただくようお願い申し上げます。
(添付内容) 添付ファイル【abcd_efg_2022.02.02-1.pdf】
(請求金額) ご請求金額:¥〇〇〇
(支払期日) お支払期日:〇〇年〇〇月〇〇日
(送信者の連絡先) ご不明な点がございましたら、お手数ですが〇〇までお問い合わせください。
Tel:〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
mail:〇〇〇@〇〇.com
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
メール本文には再発行した請求書番号を含めておきましょう、また、初回発行の破棄を依頼し二重請求を防止します。
まとめ
請求書は納品した商品やサービスの代金を請求するだけでなく、企業間での取引を証明する重要な書類です。経費計算にも利用されるため情報の正確性が問われ、再発行の際は十分な確認が必要となります。
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