請求書でミスした場合はどうする?訂正やお詫びなど対処法、再発予防策を解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-11-12
請求書の発行業務は、ミスなく行うことが大切です。また、請求書のミスが発覚したときの対処法を知っておくことで、影響を最小限に抑えられます。本記事では、請求書のミスが起こりやすい項目や訂正方法、再発予防策などを紹介します。メールの例文についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
請求書でミスした場合はどうする?訂正やお詫びなど対処法、再発予防策を解説
請求書の訂正が必要なときの対処法
請求書の訂正方法は、ミスの種類によって異なります。まずは、4つのパターンごとに請求書の訂正方法を見ていきましょう。
自社の記載ミスを送付前に気づいた場合
自社の記載ミスを取引先に送付する前に気づいた場合は、間違った請求書を破棄したうえで、正しい請求書を発行します。ミスをした請求書を誤って送付することがないよう、シュレッダーなどで確実に破棄しましょう。
自社の記載ミスを送付後に気づいた場合
請求書を送付後、取引先からの指摘で間違いに気づいた場合は、修正済みの請求書を再発行して届けます。まずは、電話などでミスの事実を確認し、追ってメールや手紙でもお詫びの気持ちを伝えましょう。状況が落ち着いたあとは、チェック体制やチェック方法の見直しを行い、再発防止に努めます。
取引先のミスが送付前に発覚した場合
誤った請求書を発行してしまう原因としては、自社の記載ミスだけでなく、取引先のヒューマンエラーもあります。たとえば、発注書に記載されている商品やサービスの数量や価格が間違っていると、間違った金額で請求書が発行されてしまいます。取引先のミスが送付前に発覚した場合は、正しい発注書を書面で受け取ったあとに、請求書を訂正して発行・送付します。
取引先のミスが送付後に発覚した場合
請求書の送付後に、取引先が自身のミスに気づいて訂正を依頼するケースも少なくありません。取引先のミスが請求書送付後に発覚した場合は、迅速な対応を心がけましょう。発行側に問題がなかったとしても、丁寧に対応することで良好な関係性を維持しやすくなります。
取引先のミスで送付した請求書を紛失した場合
取引先が請求書を紛失した場合は、訂正がない限り送付済みの請求書を再度そのまま送付します。請求書に管理番号を振っているのであれば、前回発行した請求書の連番や枝番にしておくと、不正や混乱を避けられます。
また、自社の送付・発行漏れが発覚した場合は、取引先に事情を説明し、早急に請求書を発行・送付します。請求書によって債権を請求できる期限は「2020年3月以前」なら債権者が権利を行使できると知ったときから2年間です。「2020年4月以降」なら債権者が権利を行使できると知ったときから5年間が原則です。
時間が経つほど当時の状況を把握しづらくなるため「送付・発行漏れがないのかを定期的にチェックする」といった運用面での工夫を行いましょう。
請求書でミスが起こりやすい項目
ここでは、請求書でミスが起こりやすい項目や確認すべきポイント、注意点を解説します。
単価・数量・取引内容
再発行する請求書の商品またはサービス、数量、納品日などに誤りがないか再度確認します。たとえ指摘を受けていない箇所でも精査しておくと、万が一誤りがあった場合に追加で修正する事態を防止できます。請求書には合計金額だけでなく、商品またはサービスの単価、小計、消費税額などの詳細な記載が必要です。なお、源泉徴収額の記載は発行側の任意となります。
請求日の日付
再発行の請求書に記載する発行日は、原則として初回発行と同じ日付です。日付の間違いは自社と取引先の両方に迷惑がかかるので、再度のミスがないように初回発行の日付を確認したうえで対応しましょう。支払期日を記載する際も、初回発行と日にちを合わせます。ただし、延滞利息が定められた取引の場合は契約内容の確認が必要です。
送付先の住所
送付先の住所が間違っていると、情報漏洩などの大きな問題に発展するリスクがあるため、念入りな確認が必要です。請求書を誤った先に送付してしまうことで入金が遅れるだけでなく、企業としての信用も失墜します。
訂正印
請求書にミスがあった場合は、原則として再発行で対応します。二重線を引いて訂正印で処理した場合、マナー違反として捉えられる可能性があります。また、二重線と訂正印で処理してしまうと、申告時に取引先が改ざんを疑われるリスクも高まるため、避けた方が無難です。請求書を再発行する際は、二重請求にならないように注意しましょう。
その他訂正が生じやすい項目
その他、訂正が生じやすい項目は下記のとおりです。
- 振込手数料の負担先など支払条件を間違える
- 振込口座番号を間違える
- 消費税の変更時や海外の経費など税金関係を間違える
- 押印をし忘れる
請求書では、不明確な部分がないよう細かい条件まで記載しましょう、振込手数料の負担先や振込期日などの記載を怠ってしまうと、すれ違いからトラブルに発展しやすくなります。
請求書の訂正や再発行に関する注意点
自社のミスで請求書の訂正が必要となった場合は、再発行を早急に行い、お詫びの気持ちを伝えましょう。また、別の請求書を誤って破棄されないように「いつ発行した請求書のどの部分が間違っているのか」という情報を正しく伝えることも大切です。
取引先の業務への影響を最小限に抑えられるよう、謝罪とともに「正式な請求書をいつ届けられるのか」も報告します。一連の問題が解決したら、取引先の予定を確認したうえで、ミスの原因や再発防止策を説明する場を設けましょう。
請求書の訂正や再発行時のメールの例文
ここでは、請求書の訂正や再発行をする際のメールの例文を紹介します。
(件名) 10月分請求書の再発行分送付
(宛先) 株式会社〇〇
担当〇〇様
(挨拶) いつもお世話になっております。株式会社△△の✕✕です。日ごろより弊社のサービスをご利用いただき、心より感謝申し上げます。
(メールの要件) 「◇◇◇」の件につきまして、10月分の請求書を再発行しましたので送付させていただきます。なお、紛失された請求書が見つかりました場合は、お手数ですが破棄いただくようお願い申し上げます。
(添付内容) 添付ファイル【abcd_efg_2022.02.02-1.pdf】
(請求金額) ご請求金額:¥〇〇〇
(支払期日) お支払期日:〇〇年〇〇月〇〇日
(送信者の連絡先) ご不明な点がございましたら、お手数ですが〇〇までお問い合わせください。
Tel:〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
メール本文には再発行した請求書番号を含めておきましょう、また、初回発行の破棄を依頼し二重請求を防止します。
請求書の訂正・再発行を防ぐポイント
最後に、請求書の訂正・再発行を防ぐポイントを3つ解説します。
ダブルチェックの徹底
ダブルチェックできる体制を整えることで、請求書のミスを発見しやすくなり、訂正・再発行が防げます。ダブルチェックを行う人は、業務内容に精通した人や経験豊富な人が向いています。特定の人に負担が偏らないよう注意しながら、ダブルチェックを徹底していきましょう。
業務や書類管理の見直し
請求書の訂正・再発行が増加している組織では、業務や書類管理の見直しが必要です。業務プロセスや書類管理が煩雑だと請求書のミスが発生しやすくなります。ヒューマンエラーを最小限に抑える体制をつくり、業務の円滑な進行を目指しましょう。
請求管理システムの導入
請求管理システムを活用することで、請求書の自動発行・送付が可能となります。手作業での管理だったものをシステム化することで、ヒューマンエラーを減らし、業務の負担も軽減できます。自社に合ったシステムを導入し、業務効率化を実現しましょう。
まとめ
請求書の訂正が発生した際は、できるだけ早く再発行することが重要です。自社のミスが発覚した場合、取引先に状況を伝えたうえで、誠意ある対応を心がけましょう。請求書の訂正・再発行が頻繁に発生しているのなら、業務や管理体制の見直しが必要かもしれません。
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