ガソリン代を経費にする際の科目は?仕訳の注意点や金額の計算方法
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-09-20
業務で使用する車のガソリン代は、経費として計上できます。経費にガソリン代を計上したいけれど、ガソリン代の計算方法や仕訳で迷う担当者の方も多いでしょう。
この記事では、ガソリン代を経費で落とす方法などについて詳しく解説します。仕訳の方法、計上の注意点にも触れるので、参考にしてください。
ガソリン代を経費にする際の科目は?仕訳の注意点や金額の計算方法
ガソリン代は経費にできる?
通勤や営業で車を利用する場合、ガソリン代を経費に計上することができます。
自分で車を運転した際は、車の種類によって対応が変わります。社用車を運転した場合は、ガソリン代を全額経費として計上できます。
マイカーの場合はプライベートでの利用とガソリン代が混ざるため、業務で使用したことが計算上で認められる分のみ、経費計上の対象です。こうした方法をとることにより、業務上の移動にかかるコストを正確に把握できます。
ガソリン代を経費にする場合の勘定科目
ガソリン代を経費にする場合の勘定科目としては、以下のものが考えられます。これらの他、「消耗品費」もガソリン代を経費にする場合の勘定科目に含まれる可能性があるでしょう。「消耗品費」以外の勘定科目について詳しく解説します。
旅費交通費
「旅費交通費」は、業務上の移動にかかる費用に対して使われる勘定科目です。そのため、営業訪問や出張などの業務遂行のための移動で使用するガソリン代は、「旅費交通費」の対象となります。
ガソリン代以外にも、駐車場料金や、高速道路の通行料、レンタカーを借りた場合はレンタカー代金、移動先で宿泊した場合の宿泊費などが、業務のための移動に必要な経費として認められており、「旅費交通費」に含まれます。
車両費
「車両費」は、車両の維持にかかる費用として計上されます。
車両の維持に不可欠という意味では、ガソリン代だけでなく、車両に対する保険料、点検費などのメンテナンス費用に使用する勘定科目もまた「車両費」です。
業務用車両や社用車については、こうした費用が維持管理費用として分類され、経費として認められます。一方で、自家用車を通勤に使っている場合は、保険料や点検費を経費にすることはできません。
燃料費
「燃料費」は、直接的な燃料購入費用として計上するための勘定科目です。つまり社用車や業務用車両のガソリン代は、「燃料費」として計上することができます。
燃料費は、燃料の購入費用をそのまま反映したものになるため、社用車に関連する経費であっても点検費や保険料などは該当しません。
また事業所の暖房で灯油などの燃料を使っている場合、この費用は「燃料費」ではなく「水道光熱費」となります。
通勤費
従業員の通勤にかかるガソリン代は「通勤費」として計上されます。「通勤費」の対象は、従業員が自家用車で通勤する際のガソリン代など、一般的には通勤手当と呼ばれているものです。
通勤手当とは、従業員が勤務地へ通勤するためにかかる費用を企業が負担することです。電車やバスなどの公共交通機関だけでなく、自家用車のガソリン代も通勤手当の対象になります。
ただし自家用車はプライベートでも使うものです。したがって自家用車のガソリンが全て通勤費となるわけではありません。
ガソリン代の計算方法
業務で使用したガソリン代は、社用車の場合は給油の領収書で確認できます。しかし自家用車を業務に使用した場合など、ガソリン代を正確に把握しなければならないこともあるでしょう。ここでは、業務で使用したガソリン代の計算方法を解説します。
1.業務で使用した車の走行距離を測定する
まず、業務で使用した車の走行距離を測定します。このとき、車の走行距離計やGPSを使って、正確な距離を確認することが大切です。これにより、燃料消費量を計算するための基礎データが得られます。
例えば、出発地点で走行距離計をチェックし、メモを取るなどで記録します。次に、到着地点や帰社した時点で走行距離計を再度チェックする、といった方法で、増加分を走行距離として正確に把握することが可能です。
2.走行距離に対する燃料消費量を算出する
次に、車の燃費を確認し、走行距離に対する燃料消費量を算出しましょう。1.で算出した距離を、燃費の数値で割り算することで、燃料消費量を算出できます。
例えば、車の燃費が10km/Lの場合、100km走行すると10Lのガソリンが消費されることになります。つまり車の燃費がわかれば、ガソリンの消費量を正確に把握できるということです。
燃費は、車のマニュアルやメーカーの情報から確認する方法が一般的です。近年製造された車であれば、運転席のモニターで直接、走行時の平均燃費を確認できる機能がついているものもあるため、活用しましょう。
3.ガソリン代を算出する
最後に、2.で確認した燃料消費量に1リットル当たりのガソリン価格を掛けて、ガソリン代を算出します。
例えば、消費量が10Lでガソリン価格が150円/Lの場合、ガソリン代は1,500円です。
この計算により、業務で使用したガソリン代を正確に把握できます。
マイカー通勤のガソリン代を計算する方法
マイカー通勤でガソリン代を計算したい場合は、まず自宅から会社までの片道距離を測定し、これを2倍して往復距離を割り出します。
さらに、往復の距離に月間の出社日数を掛けて総走行距離を算出しましょう。
最後に、その総走行距離を車の燃費で割り、ガソリン価格を掛けることで、1ヵ月のガソリン代を算出できます。
例えば、片道10kmの距離を月に20日通勤した場合、車の燃費が10km/L・ガソリン価格が150円/Lであれば、往復20kmに日数の20をかけ、燃費10で割り、150円を掛けるため、1ヵ月のガソリン代は6,000円の計算となります。
ガソリン代を経費計上する際の注意点
ガソリン代を経費計上する場合は、次のようなポイントに留意しましょう。
業務使用分と個人使用分を明確に区別する
ガソリン代を経費として計上する場合、業務使用分と個人使用分を明確に区別することが重要です。
例えば、社用車を業務と私用の両方で使用している場合は、業務で使用した分のみを経費として計上しなければなりません。これには、使用目的や走行距離を正確に記録することが必要です。
社用車であっても、私用で消費したガソリン代まで経費に計上していると、税務調査の際に問題となることがあります。業務使用分を明確にすることで、税務調査時の問題を避けられます。
一度決めたガソリンの計上科目は変更しない
ガソリン代を経費として計上する際は、使用目的に応じて正しい勘定科目を使用することが必要です。
例えば、出張や業務上の移動にかかる費用は「旅費交通費」、社用車の維持管理に関する費用は「車両費」、燃料の購入費用は「燃料費」として計上するといったような正確性が問われます。使用目的に応じた適切な勘定科目を選ぶことで、経理処理が正確になり、財務状況の把握が容易になるのです。
また、上記で述べた通り、ガソリンの計上科目としては複数の科目が該当します。財務上の混乱を防ぐため、一度決めたら継続して勘定科目を使用することが大切です。
ガソリン購入時の領収書を確認する
正確な経費処理のためには、ガソリン購入時の領収書をきちんと確認することが大切です。
領収書には、購入日、購入場所、購入金額などの詳細が記載されています。これらの情報は、経費計上の証拠として必要なものです。
なお、領収書の代わりにレシートを使う場合もあります。領収書と同じく、購入日や購入場所、購入金額が記載されていれば支払いの事実が証明でき、経費処理においても領収書と同じように処理が可能です。
まとめ
ガソリン代を経費で処理する場合、経費になる分と、そうでない分とをしっかりと分け、正しく経費に計上することが大切です。また自社でのガソリン代がどの勘定科目に計上すべきかを見極め、1つの勘定科目を継続して使用することも欠かせません。内容を精査し、正確な記録につなげてください。
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