法人カードの領収書は支払いを証明できない?

企業が取引を行った場合、その取引を証明する書類を「証憑書類」と呼びます。法人カードを利用する場合、クレジット売上票が支払いを証明する書類となるので、支払いを証明する意味において領収書を使うことはできません。この記事ではなぜ支払いを証明できないのか、支払いを証明するには何が必要なのか、領収書は不要なのか、について解説します。

法人カードの領収書は支払いを証明できない? 

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法人カードで決済したときの領収書は支払いを証明できない

クレジットカードでの決済は信用取引です。カードを決済した時点で相手にお金は入りません。お金が入っていない、言い換えるとお金を受け取ったという事実がないので、取引した業者や店舗が領収書をサービスで発行してくれることはあっても、発行義務はありません。仮に領収書を発行されたとしても、税務上支払いを証明する書類としては使うことができないのです。

証憑書類となる条件は?

証憑書類として認められるためには、取引をした業者が利用者に対して発行している書類であること、消費税法第30条で規定される項目が記載されていることの2つの要件を満たす必要があります。

<支払いを証明するために必要な項目>
・購入した日付(取引がいつ行われたかを示す情報)
・購入者の名前や会社名(誰が、またはどの組織が取引を行ったかを示す情報)
・購入金額(取引の金額を示す情報)
・購入した商品やサービスの内容(取引の内容や目的を示す情報)
・但し書き(支払いの条件や特定の注意事項を示す情報)
・領収書を発行した会社、人、住所(取引を行った相手方の情報)

決済の時に渡されるクレジット売上票はこの要件を満たすため、証憑書類に該当します。
一方で、カード会社が提供する利用明細書は、取引をした業者が利用者に対して発行した書類ではなく、何を購入したかも書かれていないため、証憑書類として認められません。

ちなみに5万円以上のものを現金で購入したときの領収書には、通常収入印紙が必要です。しかしクレジットカード払いの場合、その場で金銭の授受が行われていない(信用取引になる)ため、収入印紙の貼り付けの必要はありません。

法人カード決済では領収書をもらう必要はない?

ここまで説明したとおり、法人カードを使って決済した場合、領収書は証憑書類にはなりません。ですが、それ以外で領収書が役立ったり必要となったりする場合があります。

取引関連書類はすべて保管しておくと安心

証憑書類であるクレジット売上票とあわせてレシートや領収書を保管しておくと、税務調査に役立つ可能性があります。

クレジット売上票には、取引された商品やサービスが「商品区分コード」として記載されますが、詳細な内容までを確認することはできません。一方で、クレジット売上票と一緒に発行される領収書やレシートなどの取引関連書類には、何を買ったのかが具体的に書かれているため、クレジット売上票の情報を補完することができます。
納税者が提出した申告内容が正しいかを確認する税務調査では、情報があるに越したことはないので、法人カードの取引関連書類をすべて保管しておくと安心です。

ただし、クレジット売上票と領収書等を別々の場所に保管しておくと、それぞれを別の経費として計上してしまう可能性があります。二重計上は会計処理に支障をきたす上、税務署に不正と判断されてしまうので、注意しましょう。ホチキスなどでまとめて保管しておくと、会計処理の際の二重計上のリスクを軽減できます。

インボイス制度の対応に必要

また、2023年10月1日からインボイス制度が始まります。クレジット売上票はインボイス(適格請求書)に該当しないため、取引先が発行した領収書やレシートなどを回収しなければ、消費税が増える可能性もあるのも理由のひとつです。

なお、インボイス(適格請求書)には以下の項目の記載が必要になります。このインボイスには、法律で定められた様式はなく、以下の項目が記載されていれば、請求書や納品書、レシートなどでも問題ないとされています。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

※参考:国税庁

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