
病欠を後から有給にできる?企業が注意したいポイントとあわせて解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-02-16
- この記事の3つのポイント
- 急な病欠は当日分の給料を差し引くのが一般的だが、企業によっては事後申請でも有給が認められる
- 病欠で有給を使いたくないときは、欠勤・振替出勤・特別休暇の扱いとする
- 企業が病欠対応する際は、本人へ連絡し、休みがどのような扱いになるのか明確に伝えることが必須
病欠を後から有給にできる?企業が注意したいポイントとあわせて解説
急に体調が悪くなり、やむを得ず病欠することもあるでしょう。しかし、病欠した際は、後からでも有給扱いに変更できるのか不安に感じる方もいるかもしれません。 本記事では、病欠時における有給消化のルールや、有給を使いたくない場合の対応、病欠連絡の伝え方を解説します。病欠した従業員に対する企業側の対応ポイントについてもまとめていますので、病欠時のトラブル防止対策としてご活用ください。
1.会社が認めれば事後申請でも有給にできる
年次有給休暇は原則として事前申請が前提の休暇であり、急な体調不良で休んだ場合は、欠勤扱いで当日分の給与が減額されるのが一般的です。ただし、企業の判断によっては、事後の申請であっても有給に振り替えられるケースがあります。
たとえば急病で連絡が遅れた場合には、復帰時に有給扱いとする旨を希望すれば認められることもあります。ただし企業の就業規則や運用方針によって異なり、診断書の提出を条件としているケースも少なくありません。
なお、付与された有給を使い切ってしまった場合や、特別休暇などの他の制度が利用できない場合には欠勤となり、給与は支払われません。病気休暇制度や柔軟な特別休暇を設ける企業もあり、病欠時の取り扱いは企業ごとに大きく差があります。
病欠は原則として「欠勤」「減額」の扱いであることを、まずは念頭に入れておきましょう。
有給休暇の概要や付与ルールについては、以下の記事にまとめていますので、あわせてお読みください。
関連記事:有給休暇とは?法律上の最大付与日数やタイミング・ルールについて解説
2.病欠で有給を使いたくないときは?
病欠が有給に振り替えられる状況であっても、有給を消化したくないと感じることもあるでしょう。有給を使わないときは、他にどのような扱いが可能かについて解説します。
2-1.欠勤
体調不良などで休む際、有給を消費せず「欠勤」として処理することが可能です。欠勤扱いにすると給与は発生しないものの、有給日数を消化せずに温存しておけます。欠勤にしたい場合は、上司や人事担当者にその意思を伝え、合意を得ます。
ただし、病欠分の日給が差し引かれる他、企業によっては欠勤日数が評価や勤怠記録に影響することもあるため、就業規則を事前に確認して判断することが望ましいでしょう。
2-2.振替出勤
有給消化もしたくなく、病欠による給与の減額も避けたいときは、休んだ代わりとして別日に勤務する方法も有効です。たとえば、休日予定日に出勤して調整すれば、病欠で休んだ日を公休扱いに変更できます。
また、フレックスタイム制を採用している企業では、同月中の他の日に勤務時間を補填することで調整が可能な場合もあるでしょう。
ただし、振替出勤するには企業の承認が不可欠です。多くの場合、就業規則に具体的な手続きが定められているため、よく確認しておきましょう。
2-3.特別休暇
企業によっては、病気やケガの療養のための特別休暇を設けている場合もあります。名称は「病気休暇」「傷病休暇」「感染症休暇」などさまざまで、内容も「有給とは別に毎年一定日数付与」「有給消化後に追加で認める」など会社ごとに運用ルールも異なります。
特別休暇を使えば給与をもらいつつ、有給消化なしで療養することが可能です。近年はインフルエンザや新型コロナ対策として導入する企業も増えています。
利用を希望する際は、まず就業規則や人事部に確認し、必要書類を揃えて速やかに申請しましょう。また、長期療養となる場合には健康保険の傷病手当金を活用できる可能性もあります。
3.病欠の連絡をするときの伝え方・文例
体調不良で出勤できないときは、できるだけ早めに職場へ連絡するのが原則です。多くの企業では始業前、可能なら1時間前までに上司へ知らせるのが望ましいとされています。
連絡は社内規定に従った方法で行います。電話必須の場合もあれば、メールやチャットツールでの報告が認められている場合もあるでしょう。
連絡手段にかかわらず、伝える際は「所属と氏名」「体調不良である旨」「症状や見込みの休養期間」「業務引き継ぎの必要性」「連絡可否」を簡潔にまとめると相手も状況を把握しやすくなります。
例として、電話では「おはようございます、〇〇部の✕✕です。高熱のため本日は休ませていただきます。明日以降は体調を見て判断いたします。」といった伝え方が適切です。
メールであれば「件名:【欠勤報告】◯月◯日/本文:お疲れ様です、〇〇部の✕✕です。本日は発熱による体調不良で勤務が難しいためお休みを頂戴いたします。回復状況を見て次回出勤日をご相談いたします。」などがよいでしょう。
引き継ぎ事項を伝えると業務への影響を最小限に抑えられますが、体調不良時には難しいため、無理のない範囲で行いまずは回復を優先しましょう。
4.病欠で診断書の提出が必要になるのはどんなとき?
病欠時に診断書が必要かどうかは企業の規定によってさまざまです。厚生労働省のモデル就業規則でも「欠勤何日以上で医師の診断書を提出させるかは、各事業場で決めることです」と記載されており、提出要否は各企業の判断に委ねられています。
一般的には、3日以上連続で病欠する場合や頻度が多い場合に診断書の提出が必要になることが多いでしょう。また、インフルエンザや新型コロナなどの感染症にかかった場合も、職場内での二次感染を防ぐ目的で「治癒証明書」の提出を指示されることがあります。
企業側から要請があった場合は速やかに診断書を準備するようにしましょう。拒否すると仮病を疑われるかもしれません。診断書は、通院先の医師に依頼すれば発行してもらえます。また、事前に就業規則を確認し、必要書類の有無や提出方法も把握しておくと安心です。
参考:厚生労働省「モデル就業規則 (令和5年7月)」
5.社員の病欠に関して企業が注意したいポイント
ここからは、従業員の病欠対応をする際に、企業側が気をつけるべきポイントを解説します。
5-1.お見舞いの連絡を忘れずに入れる
従業員の病欠が長引く際は、上司や経営層から真心を込めたお見舞いの連絡を入れることも必要です。特に社内のトップ層から直接寄せられる温かい言葉は、療養中の不安を和らげ、従業員にとっても大きな励みとなります。
また、お見舞いを伝える際には形式的な対応ではなく、相手を思いやる姿勢を誠実に示すことが重要です。会社に支えられていると実感できると、病欠中の従業員も安心して療養でき、円滑な復帰につながります。
社内全体の信頼関係や結束力も高めるためにも、お見舞い連絡は必須と捉えるのが望ましいでしょう。
5-2.休みの種類を明確にする
病欠が「有給休暇」「特別休暇」「欠勤」「休職」のどの区分に当たるのかを明確にすることも重要です。有給休暇は理由を問わず取得可能で、使い切った後は欠勤、さらに長期化すれば休職と段階が変わっていくのが一般的です。
しかし、従業員自身が休みの内容を理解できていないと、給与処理や勤怠記録に誤解が生じ、会社に対して不信感を抱く恐れがあります。
そのため、病欠した時点で会社と従業員が同じ認識を持っていることが大切です。病欠時の対応や手続きについて双方があらかじめ理解しておくと、円滑な労務管理や信頼関係の構築につながります。
5-3.社内手続きのルールを周知する
病欠で休む際の連絡手段や担当窓口を明確にし、全社員に周知しておくことも欠かせません。電話・メール・社内チャットなど手段やルールは企業ごとに異なるものの、「誰に、どの方法で、いつまでに伝えるか」を統一しておけば、急な欠勤時でも混乱を防げます。
たとえば、症状や休養期間の見込み、引き継ぎが必要な業務を簡潔に含んで連絡する旨を規定で定めておくとスムーズです。
さらに、病欠時の休暇申請フローや復帰時における診断書提出の有無、復帰後のフォロー体制をあらかじめ示しておけば、認識のズレもなくなり、安心して療養・復帰できる環境が整います。
5-4.社員の同意なしに有給扱いにしない
従業員が病気で欠勤した際、企業側が本人の了承なく自動的に有給休暇として処理することは認められていません。
有給休暇は労働基準法で保障された労働者の権利であり、取得日を決めるのはあくまで本人です。企業には「時季変更権」が認められているものの、繁忙期などに時期をずらせるだけで、強制的に有給を消化させることは禁止されています。
したがって「病欠=自動的に有給」といった運用は違法となる可能性があります。有給扱いにする場合は、従業員の意思を確認し、必ず同意を得たうえで処理するようにしましょう。
参考:e-GOV法令検索「労働基準法(第三十九条)」
5-5.有給の積立制度を検討する
未消化の有給休暇は原則2年で失効しますが、特別休暇として積み立てられる制度を導入している企業もあります。積立制度を利用すれば、失効した有給を療養や長期入院などに充てられ、安心して休養を取ることが可能です。
さらに、家族の看護など利用範囲を広げている企業もあり、従業員の働きやすさや福利厚生の充実を図るうえで有効です。
6.「バクラク勤怠」なら休暇の管理もスムーズ
病欠による休みを有給に置き換えても問題ないとする企業はよく見られます。また、振替出勤や療養のための特別休暇取得を認めるケースもあります。
しかし、原則は給与の減額や欠勤、長引く際は休職の対応を取るのが一般的です。労使間での認識が曖昧だと病欠時にトラブルとなる可能性もあるため、社内規定を明確に定め、休みの扱いについて周知徹底するようにしましょう。
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