
男性の育休制度とは?義務化や育休期間・取得率、メリットを解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-02-17
- この記事の3つのポイント
- 男性が利用できる育児休業制度は、通常の育児休業、産後パパ育休、パパ・ママ育休プラスの3つ
- 男性の育休取得に関する法改正で、従業員への不利益な取り扱いやハラスメントは禁止されている
- 男性の育休取得を促す際は就業規則の改定と内容の周知、相談窓口の設置などによる環境整備が必要
男性の育休制度とは?義務化や育休期間・取得率、メリットを解説
育児休業は、男女を問わず取得が可能です。育休制度に関する法改正もあったことから、近年は多くの企業で男性も育休を取得できる環境が整いつつあります。 本記事では、男性が利用できる育休制度の種類と概要、男性が育休を取得することによる従業員側・企業側のメリットを解説します。法改正の内容や男性の育休取得率・平均育休期間も紹介しますので、今後にお役立てください。
1.男性の育児休業の支援制度
男性が利用できる育児休業制度は、以下の3つです。
- 通常の育児休業
- 産後パパ育休
- パパ・ママ育休プラス
それぞれどのような制度か、詳しく見ていきましょう。
1-1.通常の育児休業
通常の育児休業は、原則1歳未満の子どもを養育する目的で一定期間休業できる制度です。
育児休業は法律に基づいて取得できるため、企業は申し出を拒否できません。就業規則に育児休業の規定がない場合も、従業員から申し出があれば、労務提供義務を一定期間消滅させる必要があります。
育児休業を利用できるのは、原則として子どもが1歳になるまでの連続した期間です。ただし、入所を希望した保育所に入れなかったなど、特別な事情がある場合は最長2歳まで延長が認められます。
参考:厚生労働省「育児休業」
以下の記事では、育児休業制度について詳しく解説しています。育児休暇との違いや取得条件・期間・給付金について理解を深めたい方は、併せてご覧ください。
関連記事:育児休業制度とは?育児休暇との違い、取得条件・期間・給付金を解説
1-2.産後パパ育休
産後パパ育休は、2022年10月に開始した制度で、子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日間)の休業を2回に分けて取得できます。労使協定の定めがある場合、従業員からの申し出があれば一定の条件下で就業できる点が特徴です。
通常の育児休業とは別枠のため、4週間以上の育休取得を希望する場合は、産後パパ育休の取得後に通常の育児休業を取得しても問題ありません。
参考:厚生労働省「産後パパ育休」
1-3.パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスは、育児休業を子どもが1歳2カ月になるまでの期間に延長できる制度です。両親がともに育休取得をした場合に利用でき、夫婦が交代で休業することによって、子どもを家庭で長期間育てられるようにすることが目的です。
たとえば、母親が1年間の育休取得をしている場合、父親が2カ月間の育休をプラスで取得できます。父親と母親いずれか一方の育児休業を、1年から1年2カ月に延長することは認められないため注意しましょう。
参考:厚生労働省「パパ・ママ育休プラス」
2.産後パパ育休と育児休業制度の違い
産後パパ育休と育児休業制度の違いは、以下の表をご覧ください。
産後パパ育休 | 育児休業制度 | |
|---|---|---|
対象期間 | 出生後8週間以内 | 原則として子が1歳になるまで (例外時は最長2歳まで) |
取得可能日数 | 上限4週間(28日) | 出産予定日から子が1歳になる前日まで(例外時は2歳の前日まで) |
申出期限 | 原則として休業の2週間前まで | 原則として休業の1カ月前まで |
分割取得の可否 | 2回に分割可能 (初めにまとめて申出) | 2回に分割可能 (取得時にそれぞれ申出) |
就業の可否 | 労働者が合意した範囲で可能 (労使協定の締結が必要) | 原則不可 |
延長の可否 | 不可 | 最長2歳まで可能 |
産後パパ育休と育児休業制度は、対象期間や取得可能日数、申出期限、就業・延長の可否が異なります。2つの休業制度は併用でき、子どもが1歳になるまでに最大4回の分割取得が可能です。
育児休業制度は取得時にそれぞれ申し出て問題ありませんが、産後パパ育休は最初にまとめて申し出る必要があります。
ただし、企業が、法律で定める基準を上回る育休制度の内容を労使協定で定めている場合、1カ月前までの申請が認められることを知っておきましょう。
3.男性の育休取得に対する取得措置の義務化とは
男性の育休取得は法律で義務化されていませんが、企業には、従業員が育休取得しやすい環境をつくることが義務付けられています。
厚生労働省が各企業に対して義務化している、育休取得の推進につながる取り組みは以下のとおりです。
- 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
- 育児休業・産後パパ育休に関する相談窓口の設置
- 自社における育児休業・産後パパ育休の取得事例の収集および提供
- 育児休業・産後パパ育休制度と育休取得促進に関する方針の自社従業員への周知
上記のうち、複数の措置を講じることが望ましいとされています。
また、育休取得などを理由とした、従業員への不利益な取り扱いやハラスメントも禁止されています。企業が従業員に解雇や退職を強要する、雇用形態を一方的に変更するといった扱いは認められません。
育休取得を申し出た従業員に「迷惑だ」「男性の育休取得なんて信じられない」と発言するようなハラスメントも禁止です。従業員が気兼ねなく育休を申出・取得できるように、企業は社内の環境を整える必要があります。
参考:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」
※掲載している情報は、2025年10月時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。
4.男性の育休取得率と平均育休期間
厚生労働省によると、調査に回答した事業所における令和5年度の男性の育休取得率は、30.1%でした。令和4年度の17.13%から取得率が10ポイント以上伸びており、政府が目標とする「令和7年度に50%到達」に大きく近づいています。
また、厚生労働省が実施した別の調査では、令和5年度の男性の平均育休期間は46.5日でした。データに含まれるのは「育休取得後に復職した男性労働者がいる」と回答した企業610社のみですが、育休取得期間に着目すると増加傾向にあることがわかります。
前回の令和3年度の育休取得期間は、6カ月以上取得した人の割合が5.5%、3カ月以上6カ月未満が5.1%、2週間以上3カ月未満が37.7%でした。
令和5年度は6カ月以上取得した人の割合が6.4%、3カ月以上6カ月未満が7.5%、2週間以上3カ月未満が48.4%と、いずれも令和3年度より増加しています。
しかしながら、男性の育休取得期間が2週間未満と回答した企業は37.7%と、女性の0.6%にほど遠い状況です。
女性の産後休業(原則産前6週間~産後8週間)は育休に含まれませんが、男性は比較的柔軟に育休開始日を設定できます。配偶者の負担を軽減し、子育ての喜びを分かち合うためにも、積極的な取得を目指しましょう。
参考:厚生労働省「令和5年度育児休業取得率の調査結果公表、改正育児・介護休業法等の概要について」
参考:厚生労働省「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)」
5.男性の育休期間中における給付金の要件
男性の育休期間中、企業が従業員に対して給与を支払う義務はありません。ただし、一定の要件を満たした場合は、育休期間中の生活を支えることを目的とした「育児休業給付金」を受給できます。
まず、育休を取得できる労働者の条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に加入している被保険者である
- 育休開始時点で1歳未満の子どもを養育している
- 育休終了時点まで雇用が続く見込みがある(有期契約の場合)
雇用形態は問いませんが、雇用期間が1年未満または勤務が週2日以下の場合、労使協定で対象外になるケースもあるため注意が必要です。
育休を取得し、以下の要件をどちらも満たした場合は、育児休業給付金を受給できます。
- 育休期間中の就業が1カ月につき10日以下、かつ80時間以下である
- 育休または産前休業開始前の2年間に、11日以上労働した月が12カ月以上ある
11日以上労働した月がない場合でも、労働時間が80時間以上の月が12カ月を超えていれば問題ありません。1日単位の育休も給付金の支給対象ですが、取得期間が8日未満の場合は、支給対象外のため注意しましょう。
※掲載している情報は、2025年10月時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。
6.男性が育休を取得するメリット
男性の育休取得は、従業員側と企業側の双方に多くのメリットがあります。それぞれどのようなメリットがあるか、詳しく見ていきましょう。
6-1.従業員側のメリット
まずは、男性が育休を取得した際、従業員側にもたらされる4つのメリットを紹介します。育休を取得するか否かの選択で後悔しないように、事前に理解を深めておきましょう。
6-1-1.男性・女性ともに育休が取得しやすくなる
昨今は、男女を問わず育休取得率が増加傾向にありますが、社内の雰囲気や取得状況などから申出を敬遠している方もいるでしょう。
しかし、企業には、男性の育休取得を推進する取り組みが義務付けられています。上司や人事部門に相談すると、案外スムーズに育休を取得できるケースは少なくないでしょう。一人の従業員が行動することで、男性・女性ともに育休を取得しやすくなります。
6-1-2.給付金等の制度を利用できる
産後パパ育休を取得した場合、一定の要件を満たすと出生時育児休業給付金を受給できるほか、社会保険料も免除されます。支給要件や支給額は育児休業給付金と同じで、賃金の67%または50%が支給される仕組みです。
また、分割取得時や延長期間中も給付が継続されるため、パパ・ママ育休プラスを利用した場合は、金銭面の不安をより解消しやすくなるでしょう。
6-1-3.育休中でも就業ができる
産後パパ育休を利用した休業の場合、労使協定の締結があれば、労働者が合意した範囲内で就業が認められます。育休期間中は育児に専念するのが理想ですが、仕事のことが気になって身が入らないよりは、就業して不安を解消する方が従業員のメリットも大きいでしょう。
たとえば、代理を立てられない業務や休業前に引き継ぎできなかった業務がある場合に、後任者をサポートしたいのであれば、必要最低限の就業を検討するとよいでしょう。
6-1-4.妻のサポートや育児に集中できる
男性が育休を取得すると、妻のサポートや育児に集中できます。特に出産直後は、産褥期や夜間授乳といった母親ならではの負担もあり、男性によるサポートの有無が家庭全体の安定感を左右するといえます。
初めての寝返りや発語、歩行など、新生児期や乳児期の成長を間近で実感できる点もメリットといえるでしょう。
6-2.企業側のメリット
続いては、企業側にもたらされる主なメリットを3つ紹介します。企業側の方は、法令順守の義務感だけで取り組むのではなく、メリットを理解した上で育休取得を推進しましょう。
6-2-1.企業のイメージアップが期待できる
2025年4月以降、従業員数300名以上1,000名以下の企業に男性育休の取得率などの公表が義務付けられており、社外へのアピールが可能です。男性が育休を取得できる企業としてイメージアップでき、採用活動などで有利にはたらくでしょう。
社内の従業員からも働きやすい職場と認識されて、満足度や定着率の向上が見込めます。
6-2-2.助成金を受給できる場合もある
男性が育休を取得することで、企業が助成金を受給できる場合があります。たとえば、両立支援等助成金は、中小企業を対象に、育休取得者・復職者の人数に応じた額の助成金が支給される制度です。
申請には多くの要件を満たす必要があり、書類の提出も求められますが、助成金が支給されることは企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
参考:厚生労働省「両立支援等助成金のご案内」
※掲載している情報は、2025年10月時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。
6-2-3.ワークライフバランスが整い生産性の向上が期待できる
育児に集中したいときに気兼ねなく育休を取得できる環境があると、従業員はワークライフバランスを整えやすくなります。オーバーワークで疲労感やストレスを溜め込まずに済むため、復帰後の生産性向上が期待できます。
ほかの従業員の育休取得にも理解を示せるようになり、社内全体の雰囲気が良くなるメリットもあるでしょう。
7.男性の育休取得を促進する際のポイント
最後に、男性の育休取得を促進する際の3つのポイントを紹介します。男性の育休取得をスムーズに推進できるように、要点を押さえた上で取り組みに着手しましょう。
7-1.就業規則の改定をする
育児休業は「休暇」に該当する規定のため、就業規則に制度の内容を記載することが労働基準法で定められています。育児介護休業法に則り、従来と異なる点をまとめた上で就業規則を改定しましょう。
なお、就業規則の改定時は、労働者側に提出してもらった意見書を添付し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。就業規則のほか、育児休業に関する社内規定がある場合は、併せて反映しましょう。
7-2.男性対象の育休制度について周知する
育児休業制度の内容を改定した際、企業は従業員に対して、新たな内容を周知しなければいけません。見やすい場所への掲示や書面の交付など、労働基準法が定める方法で正しく周知しましょう。
法律に基づく周知と併せて、企業の経営層がメッセージを発信することも重要です。事務的な文面の通達だけでなく、生の声を届けることで、企業の意向が従業員に浸透しやすくなるでしょう。
7-3.相談窓口などの設置を行い、育休が取りやすい環境を整える
育児休業制度の刷新後は、従業員から問い合わせや相談が増える可能性があります。育休取得を促す取り組みの一環として、相談窓口などの設置を行いましょう。
問い合わせをした従業員に配布するための、リーフレットを作成しておくのも効果的です。
8.育休中や復職後の勤怠を正確に管理するには「バクラク勤怠」
男性が利用できる育児休業制度に、通常の育児休業、産後パパ育休、パパ・ママ育休プラスがあります。男性の育休取得に対する取得措置が義務化され、多くの企業で、男女を問わず育休取得ができる環境が整いつつあります。
育休中や復職後の従業員の勤怠を正確に管理するには、勤怠管理システムの導入が効果的です。バクラク勤怠は、企業独自の設定ができる項目が多く、全休・半休・時間休の設定や、企業独自の休日設定が可能です。
日々の打刻はチャットツールのSlack上ででき、打刻時にオフィス出社やフルリモートなどの出勤パターンを選択できるメリットもあります。有給取得義務の進捗を一覧画面で把握できるため、法令遵守の観点でも安心です。
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