
勤怠控除とは?5つの計算方法と注意点をわかりやすく解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2026-02-18
- この記事の3つのポイント
- 勤怠控除は、遅刻や早退で所定労働時間を満たさなかった分を給与から差し引く仕組みである
- 勤怠控除の金額の計算方法は企業により異なるが、主に4つの方式があるので最適なものを選択する
- 勤怠控除を正しく行わないと、従業員とのトラブルや法律違反につながる可能性があるため注意する
勤怠控除とは?5つの計算方法と注意点をわかりやすく解説
勤怠控除とは、遅刻・早退・欠勤などによって実際の労働時間が不足した場合に、給与から該当分を差し引く制度です。 本記事では、勤怠控除の基本的な考え方や計算方法、注意すべきポイントを解説します。勤怠管理の効率化ツールも紹介しますので、ぜひご覧ください。
1.勤怠控除とは
勤怠控除とは、従業員が遅刻や早退、欠勤などにより、所定の労働時間を満たさなかった分の賃金を給与から差し引く仕組みです。
月給制の従業員であっても、欠勤や遅刻があれば差し引かれる仕組みになっています。
勤怠控除と似た言葉に欠勤控除があります。欠勤控除は、欠勤した日数や時間に対して行う控除を指し、勤怠控除は欠勤控除を含む勤怠管理全体に関わる概念を指すため注意しましょう。
2.勤怠控除はノーワーク・ノーペイの原則に基づいている
勤怠控除は、労働が賃金の対価であるという基本的な仕組みを示す「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づいています。企業は、労働者が労働を提供しなかった場合、該当時間分の賃金を支払う義務は生じません。
勤怠控除の法的根拠は、民法第624条に「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない」と定められている点にあります。勤怠控除は単なる企業独自の制度ではなく、法的にも裏づけされた公平な給与計算の仕組みと言えるでしょう。
3.勤怠控除が適用される主なケース
勤怠控除は主に、遅刻・早退・欠勤といった勤務時間の不足が生じたときに発生しますが、理由や状況によって扱いは異なります。本章では、実際に勤怠控除が適用される代表的なケースを見ていきましょう。
3-1.始業に間に合わず遅刻した
寝坊や交通遅延などの理由で始業時刻に間に合わず遅刻した場合、遅れた時間分の賃金は勤怠控除の対象となります。
ただし、有給休暇を時間単位で取得できる会社では、遅刻分を有給で処理できる場合もあります。就業規則で時間単位の有給が認められているか、事前に確認しておくことが大切です。
3-2.体調不良によって早退や遅刻・欠勤をした
体調不良による欠勤や遅刻・早退も勤怠控除の対象です。ただし、控除されるのは実際に勤務しなかった時間分のみで、遅刻や早退を1日欠勤として扱うことはできません。ノーワーク・ノーペイの原則に則り、1分単位で計算します。
また、会社の就業規則に「有給休暇の事後申請」が認められている場合は、後から有給扱いにできる場合もあるでしょう。一方で、有給を使い切っていたり、会社側の判断で欠勤扱いとなったりする場合は、勤怠控除が発生します。
誤った控除を避けるため、社内ルールを明確にしておきましょう。
3-3.子どもが体調を崩して早退した
子どもの急な発熱やケガなどで早退・遅刻をした場合も、原則として勤怠控除の対象です。ただし、家庭の事情による遅刻や早退をすべて控除対象にしてしまうと、人材の定着に悪影響を及ぼす可能性が否定できません。
企業によっては、時間単位の有給休暇や事後申請制度を設け、柔軟に対応しているケースもあります。制度を整えることで、従業員が家庭と仕事を両立しやすくなり、結果として人材流出の防止にもつながるでしょう。
3-4.裁判員に選ばれた
裁判員に選ばれて裁判所へ出向く場合も、労働基準法第7条および裁判員法第100条に基づき、休暇を請求することが認められています。ただし、有給とするか無給とするかは企業の判断に委ねられており、無給扱いの場合は勤怠控除の対象です。
なお、裁判員として休むことを理由に不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。従業員が裁判員に選ばれた際の休暇の扱いについて、就業規則で明確に定めておくことが望ましいでしょう。
4.欠勤時における4つの勤怠控除の計算方法
勤怠控除の金額を正確に求めるには、1日あたりの給与を計算するための基準を何にするかが重要です。企業によって採用している方法は異なり、一般的には4つの方法があります。
本章では、それぞれの計算式と特徴を見ていきましょう。
4-1.月平均所定労働日数で求める方法
もっともシンプルで安定した方法として、月平均所定労働日数を用いる計算方式です。年間の平均的な労働日数を基準に1日あたりの給与を算出し、欠勤控除額を求めます。計算式は以下のとおりです。
欠勤控除額=月給額÷月平均所定労働日数×欠勤日数
年間を通して1日あたりの控除額が一定になるため、毎月の給与計算が容易です。ただし、該当月の所定労働日数が平均所定労働日数より多い場合、平均日数分欠勤すると計算上全日欠勤になってしまうため、給与がゼロになるリスクがあります。
企業は場合により「一定日数以上の欠勤は支給方式に変更する」などの工夫を取り入れることが望ましいでしょう。
月平均所定労働時間について、詳しくは以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
4-2.該当月の所定労働日数で求める方法
次に、欠勤が発生した月の所定労働日数を使って計算する方法です。月によって労働日数が異なるため、月ごとに計算が必要になります。計算式は、以下のとおりです。
欠勤控除額=月給額÷該当月の所定労働日数×欠勤日数
上記の方法は、実際の勤務日数に基づいて算出できるため、現実的な金額に近い点が特徴です。一方で、月によって1日あたりの控除額が変動するため、給与計算が煩雑になりやすいというデメリットがあります。
4-3.年間の暦日数で求める方法
3つ目は、1年の暦日数(休日を含むカレンダー上の日数)を基準に日給を割り出す方法です。計算式は以下のとおりです。
欠勤控除額=年間給与額÷年の暦日数×欠勤日数
上記の方式は、年間を通して控除額が一定で分母が大きくなるため、従業員にとっては控除額が小さくなりやすいというメリットがあります。
ただし、全日欠勤であっても給与が一部残るなど、企業側には不利な点もあるため、採用の際はバランスを考慮する必要があります。
4-4.該当月の暦日数で求める方法
4つ目は、欠勤が発生した月の暦日数を基準とする方法で、計算式は以下のとおりです。
欠勤控除額=月給額÷該当月の暦日数×欠勤日数
上記の方式では、月の日数に応じて控除額が変動します。たとえば、31日の月と28日の月では、1日あたりの控除額が異なります。毎月の計算が必要にはなりますが、実際の月ごとの働き方を反映しやすい柔軟な方法といえるでしょう。
5.遅刻や早退における勤怠控除の計算方法
遅刻や早退によって勤務時間が短くなった場合、働かなかった時間分だけ給与から差し引く必要があります。1時間あたりの基礎賃金を求め、遅刻・早退時間をかけ合わせて控除額を算出しましょう。計算方法は、以下のとおりです。
遅刻・早退控除額=月の給与額÷月平均所定労働時間数×遅刻・早退の時間
※月平均所定労働時間数=(365−年間休日数)×1日の所定労働時間÷12
欠勤のように複数の算出方法があるわけではなく、遅刻・早退の控除は上記の計算方法で算出するのが基本です。企業ごとに計算単位(1分・15分単位など)を明確に定め、就業規則で統一しておくことがトラブル防止につながるでしょう。
6.勤怠控除に関する注意点
勤怠控除を正しく行うためには、法律や社内規定に沿った運用が欠かせません。就業規則の整備や労働基準法との整合性を確認せずに控除を行うと、従業員とのトラブルや法令違反につながる恐れがあります。
本章では、勤怠控除の運用時に注意すべき主なポイントを見ていきましょう。
6-1.就業規則に明記する必要がある
勤怠控除を適用するには、就業規則に内容を明記することが必須です。勤怠控除は、法律で定められている制度ではなく、企業が就業規則で定義することで有効になります。
計算式や控除の発生条件、遅刻・早退・欠勤時の扱いについて、明確な記載がないまま控除を行った場合、不当な給与減額とみなされかねません。
従業員の理解を得るためにも、就業規則の周知と説明を徹底し、公平で納得できるルールを整えることが信頼構築の第一歩となります。
6-2.労働基準法に違反しないよう注意する
勤怠控除の対象となるのは、実際に働かなかった時間分のみです。欠勤や遅刻に対するペナルティとして、該当時間以上の金額を差し引いた場合、労働基準法違反となります。
たとえば、1時間の遅刻を理由に1日分の給与を差し引くなどは違法です。また、遅刻・早退を時間単位で控除する際は、計算上の小数点以下の処理にも注意が必要です。
法令に沿った正確な控除は、企業の信頼性を保つために重要であり、従業員とのトラブル防止にもつながるでしょう。
6-3.各種手当を勤怠控除の対象にするか定める
勤怠控除を適用する際、基本給以外で控除対象とする手当を明確に定める必要があります。適用する手当の種類は企業の判断に委ねられており、以下のような手当が対象になる傾向にあります。
- 通勤手当:実際に通勤していない日の分を控除
- 資格手当:欠勤期間中は支給しないことがある
- 皆勤手当:遅刻・早退・欠勤が発生した時点で支給対象外となる
- 職務・役職手当:欠勤が続くと一時的に減額されることがある
一方、住宅手当や家族手当など、生活補助的な性格をもつ手当は控除の対象外となる場合が一般的です。就業規則の中で、勤怠控除する手当と条件を明確にしておくことで、公平性と透明性を確保できます。
6-4.フレックスタイム制や変動労働制の勤怠控除に注意する
勤怠控除の計算式が異なるのは、フレックスタイム制や変形労働時間制を導入している企業です。変形労働時間制やシフト制の場合は、就業規則で定めた1日あたりの所定労働時間を基準に控除を行います。
一方、フレックスタイム制では、従業員が労働時間を自主的に調整できるため、基本的に欠勤控除は適用されません。ただし、精算期間内で実際の労働時間が総労働時間に満たない場合は、不足分が欠勤扱いとなり、該当時間数を給与から控除します。
勤務制度によって控除の基準が変わるため、制度ごとの運用ルールを明文化し、計算方法を統一することが重要です。
スーパーフレックス制度について、詳しくは以下の記事で解説しています。併せてお読みください。
関連記事:スーパーフレックス制度とは?メリット・デメリットや導入時の注意点
6-5.会社都合による休業や早退などは勤怠控除に該当しない
会社の判断で従業員を休ませる場合は、勤怠控除の対象にはなりません。たとえば、感染症拡大や設備トラブルなど、会社都合で休業させた場合、従業員に過失がないため賃金を差し引くことはできません。
また、労働基準法第26条により、企業は従業員に「休業手当」として平均賃金の60%以上を支払う義務があります。ただし、自然災害などの不可抗力による休業は、例外として賃金支払い義務が免除される場合もあります。
会社側の都合による休業は勤怠控除ではなく、法定手当の支払い対象となる点に注意が必要です。
7.勤怠控除対象となるか正確に確認するには「バクラク勤怠」
勤怠控除は労働時間や欠勤状況を正確に把握し、公平な給与計算を行うための重要な仕組みです。しかし、遅刻・早退・欠勤の管理や控除対象の判断を人の手で行うと、記録ミスや確認漏れが発生しやすく、従業員とのトラブルにつながることもあります。
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