長期滞留債権とは?リスクや回収方法・発生させないための対策を解説

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長期滞留債権とは?リスクや回収方法・発生させないための対策を解説

長期滞留債権とは、一定期間以上回収できていない債権を指します。回収を予定している債権ではあるものの、長期間も遅延が生じている場合は、経営状況の悪化や社会的信用の低下といったリスクを防ぐためにも、適宜適切な対応が必要です。 本記事では、長期滞留債権の基礎知識やリスク、回収方法を紹介します。長期滞留債権を発生させないための対策も解説するので、ぜひ参考にしてください。

1.長期滞留債権とは

長期滞留債権とは、一定期間を過ぎても回収できていない債権のことです。回収不能となった債権は「不良債権」と呼ばれますが、滞留債権は「回収が遅延しているものの、回収できる見込みがある債権」を指します。

滞留期間が長期化すると、長期滞留債権と呼ばれます。会計上、期間に明確な定めはありませんが「6カ月〜1年以上の期間、回収できない債権」を長期滞留債権と呼ぶのが一般的です。

一方、税務上は長期滞留が1年を超える場合に長期滞留債権としてみなされ、貸倒損失が可能です。

長期滞留債権が起こるのには、以下のような要因が考えられます。

  • 取引先の経営悪化や管理ミス
  • 自社の請求漏れ
  • 納品物の問題による支払い保留

長期滞留債権は大きく「取引先に起因するもの」「自社のミスによるもの」が挙げられます。取引先の経営悪化によって代金の支払いが困難になったり、担当者の管理ミスによって入金できていなかったりするケースも少なくありません。

一方、請求漏れや納品物の欠陥といった、自社側のミスによって生じる滞留債権も存在します。

いずれの原因でも、滞留債権を放置すると長期滞留債権となり、さまざまなビジネスリスクを招く可能性があるため、適切な対処が不可欠です。

2.長期滞留債権の放置によるリスク

ここでは、長期滞留債権の放置によるリスクを3つ紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

2-1.消滅時効によって債権回収ができなくなる

長期滞留債権を放置すると、消滅時効によって債権回収が不可能になる恐れがあります。民法が定める、長期滞留債権の消滅時効は以下のとおりです。

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用:e-Gov法令検索「民法 第166条

なお、民法の時効に関する定めは2017年に改正、2020年に施行されています。2020年3月以前に発生した債権は、内容に応じて1年間〜10年間の消滅時効が適用されます。

なお「完成猶予」や「更新」を行うことで、債権の消滅時効の一時停止や時効期間のリセットが可能です。

参考:法務省民事局「民法(債権関係)の改正に関する説明資料-主な改正事項-

2-2.資金繰りの悪化で黒字倒産に陥る

長期滞留債権を放置するリスクには、資金繰りの悪化によって黒字倒産に陥る可能性がある点も挙げられます。黒字倒産とは、帳簿上は黒字に見えるにもかかわらず、実際は本来あるべき入金が滞り、会社が倒産してしまうことです。

たとえば、取引先と1,000万円の契約を結び、実際に製品またはサービスを納品した場合は「売掛金:1,000万円」と計上するため、利益があるとみなされます。

しかし、取引先から代金が支払われないと売掛金が残り「帳簿上は利益が出ているのに、実際は未入金によって赤字」という事態が生じます。黒字倒産を回避するためにも、長期滞留債権に対して都度適切な対処を行わなければいけません。

2-3.企業の評価が下がりやすい

企業の評価が下がりやすい点も、長期滞留債権の放置が抱えるリスクの一つです。特に、金融機関からの評価においては、代金を支払っていない取引先だけでなく、長期滞留債権を抱える自社も信用低下を招く可能性があります。

長期滞留債権を抱える企業の評価が下がりやすい主な理由は、以下のとおりです。

  • 貸倒れを起こすような取引を行っていると判断される可能性があるため
  • 債権の回収能力が低く、管理がずさんな企業とみなされる恐れがあるため

金融機関からの評価が下がると、融資を受けたくても審査が通りにくい状態に陥ります。会社の評価を低下させないためにも、長期滞留債権を放置せず、適切に対処することが大切です。

3.長期滞留債権の回収方法

ここでは、長期滞留債権の回収方法を紹介します。

3-1.連絡を取り直接話し合う

長期滞留債権を回収する方法は、取引先と連絡を取り、直接話し合うのがおすすめです。自社の請求漏れや管理不足などがないかを確認したうえで、取引先に滞留債権がある旨を連絡しましょう。

長期滞留債権であっても、原因が担当者による事務ミスの場合もあります。威圧的に接するのではなく、まずは事実確認とヒアリングを前提とした話し合いの場を設けるのが有効です。

すでにメールや電話で督促を行っている場合でも、直接話し合うことをおすすめします。直接会って話すことで、取引先やグループ・関連企業との関係悪化を防ぎつつ、建設的な話し合いがしやすくなります。

3-2.内容証明郵便で督促をする

話し合いの場を設けても期日までに入金がない、またはそもそも連絡が取れない場合は、内容証明郵便で督促を行うのがよいでしょう。

内容証明郵便は「いつ」「誰が」「誰に」「どのような内容の文書を」送ったかを、郵便局が証明してくれるサービスです。

内容証明郵便に法的な効力はないものの、裁判に発展した場合に証拠として提出できます。債権の金額や遅延損害金の額、支払期限や振込口座のほか「期限内に支払いがなければ法的措置を講じる」という旨の一文を添えることで、回収確率を高められるでしょう。

3-3.法的手続きをする

内容証明郵便を送ったにもかかわらず、期日までに入金がない場合は、法的手続きを検討する必要があります。長期滞留債権における法的手段には、以下の4つがあります。

  • 支払督促
  • 民事調停
  • 少額訴訟
  • 通常訴訟

支払督促とは、取引先の所在地を管轄する簡易裁判所の書記官を通じて、裁判所から金銭の支払いを求める方法です。支払督促に対して異議申し立てがある場合は、調停や訴訟に移行し、債権支払いの有無について争います。

4.長期滞留債権の勘定科目

長期滞留債権の扱いは会計上・税務上で異なり、それぞれ適切に対処しなければいけません。

たとえば、長期滞留債権が発生した場合、会計上は「貸倒引当金」の処理を検討する必要があります。貸倒引当金とは、来期以降の回収不能リスクに備えてあらかじめ計上しておく準備金のことです。

貸倒引当金は「一般債権」「貸倒懸念債権」「破産更生債権等」の三段階に分類されます。長期滞留債権の場合「貸倒懸念債権」または「破産更生債権等」に該当するケースが多いです。

実際に未回収が確定した場合は「貸倒損失」として処理します。貸倒損失として処理すれば、回収できない資産が帳簿に残ることを防ぎ、企業の財務状況を正確に示せます。

なお、税務上では、長期滞留が1年を超える場合に貸倒損失が可能です。要件を満たせば、法人税の計算上、損金として算入できます。

参考:国税庁「No.5320 貸倒損失として処理できる場合

5.長期滞留債権を発生させないための対策

長期滞留債権を発生させないための対策は以下のとおりです。

  • 取引先の与信管理を徹底する
  • 定期的に自社の債権状況をチェックする
  • 債権管理システムを活用して債権管理を一元化する

取引先の与信管理を徹底することで、滞留債権を招くような取引を避けるための判断を下しやすくなります。また、こまめに自社の債権状況を確認しておけば、督促や話し合いなどを迅速に行えるようになるでしょう。

ただし、自社の債権状況の確認作業は時間と手間がかかるほか、そもそもExcelを用いている場合は、最新かつ正確な情報の取得が難しいかもしれません。

債権管理システムを活用して債権管理を一元化すれば、正確な情報をリアルタイムで取得可能です。消込作業や未入金に対する通知などを自動化でき、長期滞留債権を発生させないために役立ちます。

6.「バクラク債権管理」を活用して長期滞留債権を未然に防ごう

長期滞留債権とは、一般的に6カ月〜1年以上もの間、回収ができていない債権のことです。長期滞留債権の放置は、消滅時効による回収不能や黒字倒産を招く可能性があるため注意が必要です。

長期滞留債権の発生を防ぐためには、定期的な債権状況の把握と、迅速かつ適切な対応が欠かせません。そこで、債権管理の効率化や適切な対応を行いたい場合は「バクラク債権管理」の活用がおすすめです。

債権管理の一元化だけでなく、滞留債権の検知や取引先への督促メール送付の自動化を実現できます。また、柔軟なルール設定に基づいて消込や仕訳も自動作成するため、大幅な作業負担軽減も期待できます。全国の金融機関から入金データを自動取得し、連携可能な点も魅力です。

適切な債権管理体制を構築し、長期滞留債権を未然に防ぎたいとお考えの場合は、ぜひ「バクラク債権管理」の導入をご検討ください。

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