ソフトウェア購入・導入時の仕訳は?ソフト形式ごとに勘定科目や減価償却を解説

ソフトウェアの仕訳は金額によって異なるため注意が必要です。ソフトウェアは無形固定資産に分類されますが、勘定科目について明確なルールがあるわけではありません。本記事では、ソフトウェアの仕訳に関して、勘定科目や減価償却の年数などについて解説します。

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ソフトウェア購入・導入時の仕訳は?ソフト形式ごとに勘定科目や減価償却を解説

ソフトウェアの仕訳と経理処理上の留意点

会計の観点から見れば、ソフトウェアは無形固定資産に該当します。ただし、ソフトウェアの勘定科目について明確なルールはないため、たとえば会計ソフトについて仕訳を行う際は注意が必要です。

そもそも勘定科目について法律のルールはなく、どのようなものであっても分類の仕方は事業者の裁量は大きいといえます。とはいえ、分類について完全に自由なわけではなく、実際は一般的な考え方に基づいて仕訳を行う必要があります。分類に問題があると会計の状況を把握しにくいうえに、税務署から不信感をもたれるリスクもあります。

ソフトウェアの勘定科目は?

ソフトウェアの勘定科目は金額によっても異なります。ソフトウェアの勘定科目は、消耗品または一括償却資産のいずれかです。金額と勘定科目の詳細については後述します。

ソフトウェアの減価償却について

ソフトウェアは固定資産として扱われ、減価償却の対象となります。減価償却の期間は、ソフトウェアの使用目的により異なります。たとえば、会社内で利用するために購入したソフトウェアの場合、減価償却期間は5年です。

一方、販売を目的として購入したソフトウェアの償却期間は3年となります。特定の条件を満たす場合には、一括償却資産の特例や中小企業向けの特例を適用することが可能です。これによりソフトウェアを経費として扱い、減価償却を行わずに計上できます。

ソフトウェアの減価償却の年数は?

ソフトウェアを無形固定資産として処理すると、減価償却の対象になります。ソフトウェアの減価償却に必要な年数は、バージョンアップの頻度によっても異なります。以下で解説する会計ソフトの減価償却の年数は、あくまでも一般的な目安です。

会計ソフトの減価償却の年数は?

ソフトウェアの減価償却の年数は、ソフトウェアのタイプによって異なります。具体的には、以下の3つに大別でき、それぞれ減価償却の年数の目安があります。

  • 開発研究のために使用するソフトウェア:3年間
  • 自社で利用するソフトウェア:5年間
  • 販売目的のソフトウェア:3年間

すでに触れたとおり、会計ソフトの減価償却の年数は一概にはいえません。そのため、実際の減価償却の年数は、目安と異なる可能性もあります。

販売目的のソフトウェアの場合は?

販売を目的とするソフトウェアについては、減価償却の算出方法が複雑です。具体的には、以下に挙げる2つの方法があります。

  • 期首未償却残高 ÷ 残存有効期間
  • 期首未償却残高 × 当期実際販売数量(収益) ÷ 当期首における見込販売数量(収益)

2つの計算方法で計算し、金額が大きい方で計上する必要があります。

【金額別】ソフトウェアの勘定科目は?

すでに触れているとおり、ソフトウェアの勘定科目は金額によっても異なります。ここでは、金額別にソフトウェアの勘定科目について解説します。

10万円以下のソフトウェア

10万円以下のソフトウェアは、消耗品として計上できます。消耗品は経費であり、減価償却は不要です。なお、ソフトウェアの導入費用には、インストールする際にかかるカスタマイズ料や環境設定にかかる人件費なども含まれます。

ソフトウェア本体だけでなく、それらの金額も合計して判断する必要があります。もしも導入費用の合計が10万円以上になれば、無形固定資産として扱わなければなりません。10万円以下のソフトウェアを購入した際の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方
消耗品費80,000円現金80,000円

また、10万円以上のソフトウェアを購入した際の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方
ソフトウェア150,000円普通預金150,000円

自社で利用するソフトウェアで減価償却の年数が5年間だとすると、年30,000円を減価償却できます。期末に以下のとおり仕訳を行います。

借方貸方
減価償却費30,000円ソフトウェア30,000円

20万円未満のソフトウェア

20万円未満のソフトウェアについては、一括償却資産で処理できます。一括償却資産は、3年で均等償却処理が可能です。ソフトウェアがクラウド型の場合、一般的には通信費として計上します。なお、クラウド型のソフトウェアは、利用料金が10万円以上でも費用として計上できます。利用料金に含まれる主な内容は以下のとおりです。

  • 月額または年額の使用料
  • 保守サービス料
  • アップデート費用
  • コンサルティング費用

月額使用料が5,000円の場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方
通信費5,000円普通預金5,000円

また、使用料を1年分まとめて支払った場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方貸方
通信費60,000円普通預金60,000円

30万円未満のソフトウェア

ソフトウェアの価格が20万円以上30万円未満の場合は、無形固定資産として計上します。この場合、使用目的に応じて異なる耐用年数で減価償却を行う必要があります。ただし、中小企業では消耗品費として処理することも可能です。

30万円以上のソフトウェア

30万円を超えるソフトウェアを購入する場合も、無形固定資産として分類されます。また、販売用に開発したソフトウェアに関しては、制作費用を適切な勘定科目で仕分けしなければなりません。完成に至るまでの費用は研究開発費として処理され、改良や機能強化に関わる費用は無形固定資産として計上し、修繕費用は通常の経費として扱います。

ソフトウェアにかかわるその他の費用の勘定科目

ソフトウェアに関してかかる費用は他にもあります。ここでは、関連する勘定科目について解説します。

有償サポートの勘定科目

会計ソフトをはじめとするソフトウェアには、有償サポートがついています。サポートの費用も勘定科目に決まりはないものの、一般的には諸会費や支払手数料として仕訳します。ただし、導入や環境構築のサポートがとセットになっていたり、月額料金にサポート費用が含まれていたりする場合は例外です。これらについては、消耗品費や通信費に含めて計上します。

更新費用の勘定科目

ソフトウェアの更新費用も、サポートの費用と同じく追加費用に分類されます。追加費用は、諸経費や支払手数料の勘定科目で仕訳する方法が一般的です。なお、クラウド型のソフトウェアなら毎月や毎年の利用料、インストール型のソフトウェアなら購入費に更新費用が含まれている場合もあります。

ソフトウェアの仕訳ミスを減らす方法

ソフトウェアの費用について仕訳を誤ると、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。経理担当者が優秀であるとしても、ミスをゼロにはできません。すべての従業員が正しく勘定科目を把握しているとは限らず、後から修正が発生するケースもあります。

適切に仕訳を行うには、経費精算システムの活用がおすすめです。会計の知識があまりない従業員でも正しい勘定科目を選びやすく、スムーズに申請できます。たとえば、バクラク請求書発行を導入すると、会計や仕訳に関する業務の効率化を実現できます。稟議、仕訳、支払、管理などの一連のフローを連携させられるため便利です。

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