コピー代や印刷費の勘定科目9選!ケース別の仕訳例を具体的に解説

経理の担当者にとって、コピー機(複合機)でのコピー代や印刷費をどのように仕訳すれば良いのか、迷うことも多いのではないでしょうか。

この記事では、コピー機(複合機)でのコピー代・印刷費の勘定科目を詳しく解説します。ケース別の仕訳例や、仕訳で迷ったときにどの勘定科目を使えば良いのか、具体例もまとめているので、ぜひ役立ててください。

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コピー代や印刷費の勘定科目9選!ケース別の仕訳例を具体的に解説

コピー代や印刷費の勘定科目はケースにより異なる

コピー機(複合機)での印刷代にどの勘定科目を使うのかは、ケースによって異なります。

同じ印刷といっても、どのような書類をどのように印刷するのかで扱いが異なるからです。仕訳をする際は、継続性や状況に鑑みて適切な勘定科目を使用する必要があるでしょう。ただし、これまで使用してきた勘定科目がある場合は、そのまま使うのが原則です。

以下の表を参考に、ケースごとの一般的な勘定科目を確認しましょう。

ケース

主なコスト

一般的な勘定科目

コンビニエンスストアで印刷

  • コピー代
  • 消耗品費
  • 広告宣伝費
  • 仕入(仕入高)
  • 雑費

社内で印刷

  • コピー用紙代
  • インクトナー代
  • 消耗品費
  • 雑費
  • 事務用品費
  • 仕入(仕入高)
  • 貯蔵品

印刷会社へ外注

  • 印刷業者への支払い
  • 印刷製本費
  • 外注費
  • 通信費

コンビニエンスストアでコピーをしたときの仕訳と勘定科目

コンビニエンスストアでコピーし、数百円程度を支払う場合の勘定科目は、一般的に消耗品費か雑費です。状況によっては広告宣伝費や仕入(仕入高)も使用できます。

消耗品費

消耗品費は取得価格が10万円未満、もしくは耐用年数が1年未満の物品の購入に使われた経費に使用する勘定科目です。消耗品費は使用して消耗するものの購入費用に使うもので、事務処理に関するものでは鉛筆、コピー用紙、伝票類の作成費などがあります。

コンビニエンスストアでの印刷代も、消耗品費としてまとめて計上可能です。名刺の印刷代や報告書の印刷代も消耗品費の勘定科目で仕訳します。

【仕訳例】社内で使用する申請書を10部コピーし、100円を現金で支払った。

借方貸方
消耗品費100円現金100円

広告宣伝費

広告宣伝費は、自社の商品やサービスのPR活動費用に使用する勘定科目です。具体例として、テレビコマーシャルにかかる費用やインターネット広告、自社商品のLPページ作成費用などが挙げられます。

コンビニエンスストアでの印刷代も、宣伝効果を期待したものであれば広告宣伝費としての計上が可能です。たとえば、チラシの印刷費用や自社製品のパンフレット、顧客や取引先企業に出す年賀状などは広告宣伝費にできます。

【仕訳例】営業先に配るパンフレットを両面カラーで5部コピーし、1,000円を現金で支払った。

借方貸方
広告宣伝費1,000円現金1,000円

仕入(仕入高)

仕入(仕入高)は、商品やサービスを販売するために要した費用で使う勘定科目です。商品を購入して販売しているのなら、その商品を購入したときの取得代金が仕入(仕入高)になります。ただし、すべての会社でこの勘定科目が使えるとは限りません。

コンビニエンスストアでの印刷代として仕入(仕入高)を使えるのは、自社が印刷物の販売を行い、売上になる事業を営んでいる場合です。たとえば、印刷物が顧客に販売されるケースが考えられます。

【仕訳例】顧客に販売するポストカードを50部カラーコピーし、5,000円を現金で支払った。

借方貸方
仕入5,000円現金5,000円

雑費

雑費とは、ほかの勘定科目に分けにくい費用や、継続性のない一時的に発生した費用に使う勘定科目です。基本的にはどの勘定科目にも属さず、かつ発生頻度が低い少額の費用を計上する際に使われます。

雑費は使い勝手の良い勘定科目ですが、多用するのは避けた方が良く、ほかの勘定科目に割り振りできるものはその科目で計上してください。

【仕訳例】突発的に足りなくなった文書を1部コピーし、10円を現金で支払った。

借方貸方
雑費10円現金10円

社内でコピーや印刷をしたときの仕訳と勘定科目

社内で印刷やコピーした場合の勘定科目は、一般的に消耗品費、雑費、事務用品費、仕入(仕入高)、貯蔵品です。ここでは、事務用品費と貯蔵品について解説します。

事務用品費

事務用品費は消耗性があり、かつ事務処理や事務周りで使うものの購入費用に使う勘定科目です。特に事務用品費と上記の消耗品費を分けて管理したいときに使用し「事務用消耗品費」とすることもあります。

具体例としては、ペンなどの筆記用具やノート、ハサミ、バインダーなどです。コピー機(複合機)での印刷代に関わるものとして、コピー用紙代やコピー機のインクトナー代などは、事務用品費の勘定科目で仕訳することがあります。

上記の消耗品費と事務用品費のどちらで計上するかは、各会社の方針に従ってください。

【仕訳例】コピー用紙500枚セットを一つ購入し、700円を現金で支払った。

借方貸方
事務用品費700円現金700円

貯蔵品

貯蔵品は事業に関連する物品のうち、未使用のまま貯蔵されているものに使える勘定科目です。切手や段ボールなど、一定量をまとめて購入した際に用いられます。つまり、物品の購入時は一旦、資産の勘定科目である貯蔵品で仕訳をするということです。

コピー用紙もまとまった単位で購入し、長期にわたって使用するのであれば、貯蔵品に計上できます。貯蔵品に計上したあと、使用した分は印刷製本費などの適切な費用の勘定科目に振り替えてください。

【仕訳例】ストック用のコピー用紙500枚セットを3つ購入し、2,100円現金で支払った。

借方貸方
貯蔵品2,100円現金2,100円

印刷会社に外注したときの仕訳と勘定科目

印刷会社に外注したときの勘定科目は、一般的に印刷製本費、外注費、通信費です。それぞれの仕訳例を紹介します。

印刷製本費

印刷製本費は、基本的に外部の印刷会社に委託する際にかかった費用に使います。たとえば、会社のパンフレットや案内状、外部送付用の封筒などを、定期的に印刷会社へ発注しているケースです。 社内マニュアルや研修用の教本など、書籍や冊子のような製本物を専門の印刷会社に委託したときの支払いも印刷製本費として計上します。 【仕訳例】社名入り封筒の印刷を印刷会社に依頼し、普通預金から15万円を支払った。
借方 貸方
印刷製本費 150,000円 普通預金 150,000円

外注費

外注費は、本業の一部を他社に委託した場合に発生する費用に使う勘定科目です。会社によっては、外注費のほかに「外注加工費」や「業務委託費」の勘定科目を使って仕訳をすることもあります。 あくまでも、本業である必要があることに注意しましょう。つまり、印刷会社や製本会社のように自社が印刷を本業としている会社においては、コピー代や印刷費が外注費に計上できる可能性があります。具体的には企画やデザインを自社で行わずに、委託した場合などです。 【仕訳例】他社に委託していたデザイン料50万円を、普通預金から支払った。なお、自社は印刷業を本業としている。
借方 貸方
外注費 500,000円 普通預金 500,000円

通信費

通信費は文字通り、通信にかかった費用を計上する勘定科目です。具体的には固定電話料金や携帯電話料金、インターネット接続料金などが考えられます。ほかにも、切手やはがき代などの郵便料金も通信費として計上できる経費です。 一見、外注したときの印刷代とは関係なさそうですが、相手に文を送ることは通信にあたります。そのため、年賀状や暑中見舞いなどの印刷を印刷会社に依頼した際の代金は、通信費としての計上が可能です。 【仕訳例】年賀状の印刷代4万円を、印刷会社に普通預金から支払った。
借方 貸方
通信費 40,000円 普通預金 40,000円

【ケース別】コピー代における勘定科目の具体例

ここからはコピー機(複合機)での印刷代をどの勘定科目で仕訳すれば良いのか、迷いやすいシチュエーション別に解説します。

コンビニエンスストアでコピーした場合

業務を行うなかで、事業に関連する書類をコピーするために、コンビニエンスストアを利用するケースもあるでしょう。事務処理で用いるコピー用紙は消耗品費として計上可能ですが、そのほかに以下の勘定科目が考えられます。

勘定科目

具体的なケース

雑費

コピーする機会が少ない場合

広告宣伝費

宣伝効果が期待できる書類を印刷する場合

仕入

自社で印刷物販売を行う場合

会社の印刷機でコピーした場合

会社では社内で印刷するために、コピー用紙をまとめて購入することが多いでしょう。業務中に会社の印刷機を使ってコピーする場合は、消耗品費や雑費で計上することも可能ですが、購入費用と合わせて以下の勘定科目を使うことも考えられます。

勘定科目

具体的なケース

事務用品費

消耗品と分け、事務作業の費用を管理したい場合

貯蔵品

まとめてコピー用紙を購入した場合

コピー作業を外注した場合

先述したように、印刷会社や製本会社などの印刷を本業としている会社では、本来自社で行うコピー作業を外部に委託することも珍しくありません。特に、より高度な印刷技術を必要とする作業や、短時間で大量の印刷を行わなければならないケースが該当します。

作業を外注した場合は、外注費として計上しましょう。ただし、外注費の解説で述べた通り、外注費の勘定科目が使えるのは、自社が印刷会社や製本会社であった場合のみです。

社内ルールを決め一貫性を保つことが大切

勘定科目は、担当者が自由に使ってよいわけではありません。社内でルールを決めたうえで、長期間にわたり一貫性を持って計上することが重要です。ここまで解説してきたように、同じコピー機(複合機)での印刷代といっても、状況はそれぞれ異なるでしょう。

それぞれの具体的なコストについて、どの勘定科目に計上するのか内部で検討してルールを決めておいてください。過去分の決算書や予算などと適切に比較するためにも、勘定科目は同じものを使い続ける必要があります。

一貫性がないようでは、財務情報の信頼性にも関わるため注意しましょう。

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主にコピー機(複合機)での印刷代として仕訳に使われるのは、具体的に解説してきた9つの勘定科目です。ケースごとに適切な勘定科目を使い分ける必要があるため、社内でしっかりと検討してください。

一貫性を保ち勘定科目を間違えないようにするためにも、自動仕訳機能がある経費精算システムの導入を検討しましょう。

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