現金過不足の意味とは?ケース別の仕訳方法と勘定科目について解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-12-27
- この記事の3つのポイント
- 現金過不足とは帳簿と手元の現金残高が一致しない状態のことで、発覚した際は原因追究が急務
- 帳簿の勘定科目も「現金過不足」にし、決算時点で原因不明の場合は「雑収入」や「雑損失」で処理する
- 帳簿と現金残高の照合機会を増やす、経費精算システムを導入するなどの対策が効果的
経理担当者が抱える悩みの一つに「現金過不足」が挙げられます。現金過不足が多いと税務署や金融機関から管理不十分とみなされ、企業の信用を落としかねないため減らす工夫が必要です。
本記事では現金過不足が起きる原因と対策、仕訳方法などを詳しく解説します。
現金過不足の意味とは?ケース別の仕訳方法と勘定科目について解説
現金過不足の意味とは?
「現金過不足」とは現金出納帳と手元の現金残高が一致しない状態のことで、帳簿の残高より多い場合は「現金過剰」、少ない場合は「現金不足」ともいいます。
現金過不足が生じた際は帳簿の勘定科目に「現金過不足」と記載しますが、現金過不足で処理できるのは期中のみのため早急に原因を突き止める必要があります。
理由がわからないまま期末を迎えた場合は「雑収入」あるいは「雑損失」で振替処理しなければなりません。雑収入や雑損失が多い帳簿は信用性が低いとみなされ、経理処理の正確性を疑われる可能性があるためくれぐれも注意しましょう。
現金過不足が起きた場合の仕訳方法と勘定科目
現金過不足が起きた場合の、仕訳方法と勘定科目をケース別に紹介します。具体例も添えて表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
帳簿上の残高より「現金が少ない」場合
帳簿上の残高より現金が少ない「現金不足」の場合は、帳簿の借方を「現金過不足」、貸方を「現金」として金額を記載します。摘要欄には「現金有高不足」と記載してください。
たとえば、現金残高が帳簿上の残高より1,000円少ないことが判明した場合は以下のように仕訳をします。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
現金過不足 | 1,000円 | 現金 | 1,000円 | 現金有高不足 |
帳簿上の残高より「現金が多い」場合
帳簿上の残高より現金が多い「現金過剰」のときは、帳簿の借方を「現金」、貸方を「現金過不足」として金額を記載しましょう。摘要欄には「現金有高超過」と記載してください。
現金残高が帳簿上の残高より500円多いことが判明した場合の仕訳方法は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
現金 | 500円 | 現金過不足 | 500円 | 現金有高超過 |
決算時までに現金過不足の「原因がわかった」場合
決算時までに原因が判明した場合は、現金過不足の消込処理を行います。振替先の勘定科目に適切な科目、摘要欄には判明した原因の詳細を記載してください。
決算時までに現金不足や現金過剰の原因がわかった場合の、具体的な仕訳方法は以下のとおりです。
〈現金不足の原因が判明した場合〉
例:現金不足1,000円の原因が消耗品を購入した際の記帳漏れであった
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
消耗品費 | 1,000円 | 現金過不足 | 1,000円 | 9月29日 USBメモリ代 |
〈現金過剰の原因が判明した場合〉
例:現金過剰500円の原因が商品の売却個数の誤入力であった
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
原因過不足 | 500円 | 売上 | 500円 | 9月29日 〇〇の売却数が1個ではなく2個であった |
決算時までに現金過不足の「原因がわからなかった」場合
決算時までに原因がわからなかった場合は、先述のとおり「雑収入」あるいは「雑損失」による振替処理が必要です。
仕訳方法の例については、下表をご覧ください。
〈現金不足1,000円の原因が判明しなかった場合〉
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
雑損失 | 1,000円 | 現金過不足 | 1,000円 | 原因不明 |
〈現金過剰500円の原因が判明しなかった場合〉
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
現金過不足 | 500円 | 雑収入 | 500円 | 原因不明 |
現金過不足が起きる原因と対策
現金過不足が起きる主な原因として、以下の2点が挙げられます。
- 現金の取扱いミス
- 帳簿の記載ミス
現金過不足は、現金のやり取りが多い企業で起きやすい傾向があります。顧客や取引先、従業員との間で生じる売上代金の受け取り間違いや釣銭の受け渡し間違い、支払い金額の間違いなどが現金過不足につながるケースは多くあるでしょう。
また数字や勘定科目の間違いによる記帳ミスも、ミスを招く原因です。記帳の漏れている現金授受があったり、使用する勘定科目を誤ったりすることで発生するケースも珍しくありません。
このような原因を踏まえて挙げられる対策は、以下の2点です。
- 帳簿と現金残高の照合機会を増やす
- 経費精算システムを導入する
帳簿と手元の現金を頻繁に照らし合わせることで、1回あたりの照合件数が減少して現金過不足が起きにくくなります。万が一現金過不足が起きた際、原因の特定がしやすいという利点もあるでしょう。
また経費精算システムの導入も、現金過不足を減らすには効果的です。経費精算業務のシステム化によって、手書きの記帳が不要となり現金を管理しやすくなるでしょう。
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現金過不足は現金の取扱いや記帳の誤りによって起きるケースが多く、1円でも差異が発生した場合は早急に原因を突き止めなければなりません。期限のある業務を毎日いくつもこなす経理担当者にとって、現金過不足は極力防ぎたいものといえるでしょう。
帳簿と現金残高の照合機会を増やすことで起きにくくなりますが、手書きで帳簿を作成している以上、一定数のミスは起こり得ます。現金過不足の発生を最小限にとどめるためには、経費精算システムの導入がおすすめです。
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