接待ゴルフ費用はどこまで経費になる?勘定科目や仕訳例もあわせて解説

取引先や顧客と行う接待ゴルフについて、どの部分まで経費にしてもよいか悩む方もいるのではないでしょうか。そもそも接待ゴルフにかかった費用は、そのすべてが経費として認められるわけではありません。

本記事では、接待ゴルフで経費にできるものとは何か、また各費用の勘定科目と仕訳例を解説します。どこまでが経費になるのかをしっかりと把握して、適切に経費精算をしましょう。

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接待ゴルフ費用はどこまで経費になる?勘定科目や仕訳例もあわせて解説

経費にできる接待ゴルフの費用と勘定科目・仕訳例

経費にできる接待ゴルフの費用には、以下が挙げられます。

仕訳の際に使用する勘定科目と実際の仕訳例とあわせて解説します。

ゴルフ用品の購入代金

社員が共同で使えるゴルフ用品の購入費は、消耗品費として計上できます。ゴルフ用品であっても、社員用となれば会社の備品となるため、経費精算上は他の備品購入費と同じ扱いとなるのです。

しかし、社用で購入したものでも社員個人で使用するのは認められません。また、用品の保管場所も原則事業所内とされているため、注意しましょう。

仕訳については、35,000円分のゴルフ用品を購入した場合を見てみましょう。借方に消耗品費を入れます。摘要欄には「ゴルフクラブ・ゴルフバッグ購入費」など内容を記載しておくとよいでしょう。

借方貸方
消耗品費35,000円現金35,000円

交通費

接待ゴルフにおける交通費も経費として処理が可能で、ゴルフ場を行き来する際のタクシー代や高速料金、ガソリン代、電車代などを計上できます。

勘定科目は、自社開催の場合は交際費、取引先・顧客が開催者となった場合は旅費交通費を使用するのがよいでしょう。

ここでは、自社・他社開催に分けて仕訳例を見ていきましょう。

<自社開催:車移動にかかった高速代7,000円の仕訳>

借方貸方
交際費7,000円現金7,000円

摘要欄には「ゴルフ高速代」などと記載しておきます。

<他社開催:タクシー代7,000円の仕訳>

借方貸方
旅費交通費7,000円現金7,000円

摘要欄には「ゴルフタクシー代」などと入れておきましょう。

プレー費用

接待ゴルフであれば、プレーにかかった料金も経費にできます。

なお、プレー料金だけでなく、施設利用にかかる利用税やプレー料金と合算されている飲食代もプレー費用に含まれます。勘定科目は、交際費です。

実際にゴルフ場へ50,000円(利用税・飲食代込み)のプレー費用を払った場合の仕訳を見てみましょう。

借方貸方
交際費50,000円現金50,000円

摘要欄には「ゴルフプレー費用」などと記載します。

飲食代

プレー中やプレー後に、取引先と会食をした際の費用は、交際費として計上可能です。

飲食費が一人あたり10,000円以下であれば交際費ではなく、損金参入してもよいとする決まりもあります。しかし接待ゴルフは飲食が主な目的でないため、損金には参入できません。

プレー後に取引先と会食し、80,000円支払った場合の仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
交際費80,000円現金80,000円

摘要欄には「ゴルフ後の飲食代」などと記載します。

コンペの開催費・景品の代金

ゴルフコンペを主催した際の開催費や景品代、他社主催コンペへの協賛金は、顧客獲得のための営業活動などと見なされるため、交際費にカウントされます。

ただし、自社主催で自社メンバーのみが参加できる、また社員旅行など社内行事の一環として行うコンペの場合は福利厚生費になる可能性があります。混同しないようにしましょう。

また、コンペに使う景品についても、社会常識から大きく外れるような非常に高額なものを用意すると、税務調査で指摘を受けることもあるため注意が必要です。

ここでは、自社主催のコンペにて15,000円の景品を用意した場合の仕訳を見ておきましょう。

借方貸方
交際費15,000円現金15,000円

摘要欄には「ゴルフコンペ景品代」などと記載しておくとよいでしょう。

ゴルフ場の年会費

ゴルフ場に支払う年会費も経費にできますが、支払う際の名義によっては経費として認められないため注意しましょう。

経費になるのは、法人として入会金を支払った場合だけです。この場合は、入会金が会社の資産として計上されるため、その後の年会費も経費(交際費)として扱えます。

一方、入会金を従業員個人の名義で支払っている場合には、入会金も年会費もその個人に対する給与と判断されるため、交際費には該当しません。

ここでは、法人名義の契約で年会費50,000円を支払った場合の仕訳を確認しておきましょう。

借方貸方
交際費50,000円現金50,000円

摘要欄には「ゴルフ会員権」として記載しておきます。

接待ゴルフ以外の交際費の例については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:接待交際費とはどんな費用?経費にできる範囲(上限金額・内容)や仕訳を解説

経費にできないゴルフの費用

接待ゴルフにかかる費用の多くは経費に計上できますが、なかには経費として認められないものもあります。

個人または従業員同士でのプレー費用

特定の社員のみや社員同士でプレーする際のプレー費用は、事業存続や発展につながりにくいため、経費としてみなされません。

ただし、全社員が参加できるゴルフイベントの開催時には、プレーにかかった費用を福利厚生費として計上できるケースもあります。

レッスンや練習のための費用

ゴルフレッスンの受講費や打ちっぱなしなどの練習費用は、直接的に事業の発展につながらないとする考えから経費にはできません。

どうしても社長や役員がレッスンに参加する際の費用を会社側の支払いとしたい場合には、役員報酬として処理することが可能です。

個人用のゴルフ用品の購入代金

社員が私的に使用するゴルフ用品は、経費にはなりません。

社員が共通で使用でき、社内で保管しているものであれば、先に紹介したとおり消耗品費として認められます。

事業用と個人利用の境界線が曖昧になっている状態のものは、事業には関係ないと判断され、経費に認められませんので気をつけましょう。

ゴルフ保険料

ゴルフプレー中のケガや物品破損に備えて、保険に入る場合もあるでしょう。

しかし、ゴルフ保険の保険料は経費にはならず、実費負担となります。保険金の受取人を法人に指定していた場合でも同様です。

接待ゴルフは営業活動の一種と判断されますが、ゴルフそのものは必要業務ではないため、保険料も経費にならないことを覚えておきましょう。

ゴルフ会員権はどのように経費処理する?

ゴルフ会員権は、年会費の項目でもお伝えしたとおり、入会者が法人か個人かによって経理処理が異なります。

法人が入会している場合は資産とし、個人名義の場合は給与として処理するよう国税庁でも通知が出されています。

参考:国税庁「No.5381 ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い

なお、ゴルフ会員権には預託金制と株主会員制の2つがあり、ゴルフ場の多くがこのどちらかを採用している状況です。

制度特徴
預託金制

・ゴルフ場に一定額(※)を預ける

・代わりに施設の利用優先権や預託金返還請求権を得られる

・会員権の市場売買も可能

(※)需給動向により変動

株主会員制

・ゴルフ場経営企業の株を購入し株主になる

・代わりに施設の利用優先権や株主総会での議決権が与えられる

・会員権は有価証券として扱われる

・保有株に応じた配当受取や解散時の資産分配受取権利もある

ゴルフ費用を経費計上するときに注意したい点

接待ゴルフにかかる費用を経費にする際には、私的利用のものが含まれないように注意しましょう。

経費にできるのは、あくまでも事業のために行ったものだけです。個人的な利用が疑われるような経費があった場合には、税務署から調査や指摘を受ける可能性もあります。
そのため「事業用だとはっきりと説明できるもの以外は経費に含めない」「領収書を分けて管理する」といった対策を講じましょう。

また、税務調査できちんと説明ができるよう、ゴルフの詳細がわかる情報を記録しておくと安心です。たとえば、接待日時や取引先や参加者の情報、ゴルフ会場の情報といったことを証憑書類などに記載しておきます。

ゴルフ費用はプライベートな支出だと疑われやすい部分も多いため、日頃から正当性のある運用を心がけましょう。

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接待ゴルフにかかる費用の多くが、消耗品費や交際費、旅費交通費などで経費精算できます。

ただし、社内関係者のみが参加するゴルフイベントや個人利用の支出は経費にはなりませんので注意しましょう。誤って経費精算しないためにも、個人利用の領収書と混ざらないように管理することも大切です。

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