経費精算をアウトソーシングするメリット・デメリットは?サービス選定時のポイントも解説

経費精算のアウトソーシングには多くのメリットがありますが、運用開始までの流れや業者の選び方がわからず悩まれている方もいるでしょう。

そこで本記事では、経費精算業務を外部委託する際の流れやアウトソーシング先の選び方について詳しく解説します。

アウトソーシングができる業務範囲やメリット・デメリットも紹介しますので、経費精算の外部委託を検討中の方はぜひ参考にしてください。

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経費精算をアウトソーシングするメリット・デメリットは?サービス選定時のポイントも解説

アウトソーシングできる経費精算業務

アウトソーシングで対応可能な経費精算業務は、以下の3つが代表的です。

  • 経費申請の承認・差し戻し
  • 会計ソフトの入力
  • 支払いの処理

それぞれどのような業務を委託できるのか、詳しく見ていきましょう。

提出された経費申請の承認・差し戻し

従業員から提出された経費精算書の内容を確認し、承認・差し戻しを行う業務です。

添付の領収書と項目や金額を照らし合わせつつ、入力ミスの有無を確認します。また社内規定に沿って、記載要件が経費として認められるかどうか、精算書の様式・記載方法に問題がないかも確認した上で承認・差し戻しを判断します。

会計ソフトの入力

承認された経費精算書の内容を、会計ソフトへ入力する業務です。

最新の会計ソフトやツールを活用しているアウトソーシング会社も多く、正確性の高さが期待できます。自社の会計ソフトと連携が可能な場合は、社内の混乱を招かずに切り替えられるため、より効率化を図れるでしょう。

支払いの処理

承認された経費精算書をもとに、従業員が立て替えた経費を払い戻す業務です。

小口現金や出納帳管理の負担を減らすために、アウトソーシングの場合は振り込みで対応するのが一般的です。

経費精算をアウトソーシングするメリット

経費精算のアウトソーシングには、業務効率化以外にもさまざまなメリットがあります。外部委託によって得られる4つのメリットを、詳しく解説します。

社員の業務負担を軽減できる

経費精算をアウトソーシングする一番のメリットは、従業員の業務負担を軽減できる点です。

経理担当者が担う精算書の整合性確認や会計ソフトへの入力、振込作業などは、単純ながらもミスが許されない責任重大な業務です。精算書にミスが発覚した場合は、該当従業員に差し戻しや再申請を催促する手間も生じます。

こうした煩雑な業務をアウトソーシングすることで、経理担当者はほかの経理業務に集中でき、効率的に仕事を進められます。また、度重なる差し戻しや申請遅延、繁忙期に精算が立て込むことによるストレスを感じにくくなるメリットもあるでしょう。

業務のミスや不正の防止につながる

業務のミスや不正を防止し、健全な企業体質を維持しやすくなるメリットもあります。

アウトソーシングのスタッフは経理の知識や経験が豊富なため、単純な入力・仕訳ミスが発生するリスクを回避しやすくなります。

また第三者が経費精算フローに介入することで、本来は認められない経費申請や領収書に気付きやすくなるのも利点の一つです。「個人的な会食の領収書を経費精算する」「支払額を水増しして振り込む」といった社内不正のリスクを減らせるでしょう。

採用や教育にかかるコストを削減できる

経費精算をアウトソーシングすれば、経理担当者の採用や教育にかかる人件費を削減できるのもメリットの一つです。

やむを得ない事情で従業員が休職・退職した場合、通常は新たな人材を雇用するたびに採用・教育コストが発生します。しかしアウトソーシングの場合は、正社員として雇用することなく後任スタッフに業務を引き継ぐことが可能です。

法改正にスムーズに対応できる

経費精算をアウトソーシングすれば、法改正に滞りなく対応できるメリットもあります。

近年では「電子帳簿保存法」や「インボイス制度」の施行による対応に、手間やコストを要した会社も多いでしょう。

こうした法改正に迅速かつ適切な対応ができるのは、経理全般の知識を有したスタッフが揃うアウトソーシングならではの強みです。

経理担当者の理解が不十分な場合に起こりうる、法改正後の税務調査で不備を指摘されるリスクも回避できるでしょう。

 

経費精算をアウトソーシングするデメリット

経費精算のアウトソーシングには多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。

委託後に後悔しないよう、メリットとデメリットの両方を理解した上でアウトソーシングの必要性を慎重に検討しましょう。

業務の知見を集めるのが難しい

まず挙げられるのが、経費精算をアウトソーシングすることで従業員が経費精算業務に携わる機会を失い、ノウハウや知見を社内に蓄積しにくくなる点です。

自社の経理業務を理解した従業員が年数の経過とともに減少し、社内対応が必要な場面で混乱を招く可能性があります。

また、コストの問題などでアウトソーシングの継続が難しくなった際、社内育成が不十分なことから健全な運営ができない状態に陥るリスクもあるでしょう。

アウトソーシング開始まで時間・手間がかかる

経費精算をアウトソーシングする際、外部のスタッフに向けたマニュアル・指示書の作成や委託先との窓口を決める作業などに時間と手間を要します。

引継ぎが不十分な状態で運営を開始すると、トラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。

情報漏えいの可能性がある

アウトソーシング先のセキュリティレベルによっては、情報漏洩が発生する可能性もあります。自社・取引先の機密情報や従業員の個人情報が漏れると、会社の信用が失墜することは避けられません。

特に経費精算業務は金銭に関わる情報を取り扱う部門のため、セキュリティ体制が万全なアウトソーシング先を選定することが重要です。

緊急時でも即時対応できないことがある

アウトソーシング先が休日・営業時間外のときに緊急事態が発生すると、即時対応してもらえない可能性があります。

緊急の対応や仕様変更が必要になった際、タイムラグが発生するケースもあることを理解しておきましょう。

経費精算をアウトソーシングするまでの流れ

経費精算のアウトソーシングを開始するまでの一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 自社の現状分析とニーズの確認
  2. アウトソーシング先の選定
  3. 契約内容の確認・締結
  4. システムの整備と従業員への周知
  5. テスト運営・運用開始

まずは自社の現状から経費精算に関する課題を明確にし、アウトソーシングが必要な業務を検討します。セキュリティレベルやサポート体制など、アウトソーシング先に求める条件も具体的に挙げておきましょう。

次に、複数のアウトソーシング先から自社のニーズに適合する会社を選定します。それぞれのサービス内容や実績を確認し、見積もりを取得した上で比較検討してください。

最適なアウトソーシング先を選定できたら、契約を締結します。緊急時の対応などに懸念がある場合は事前に確認し、契約書に詳細を記載した上で合意してください。契約書の法的確認も忘れず行いましょう。

契約から運用開始までの期間は、システムの整備と社内教育を進める必要があります。切り替えに伴う業務フローの変更や専用システムの設定などを整備し、切り替え後の業務プロセスやルールをマニュアル化して従業員に周知しましょう。

一通りの準備が整ったらテスト運用で問題点の洗い出しと修正を行い、問題がなければ正式運用を開始します。

切り替え後も業務の品質確認や従業員からのフィードバック収集をして、アウトソーシング先と共有することが重要です。運用開始からしばらく経って問題点や改善点が判明することも多いため、継続的に行いましょう。

経費精算のアウトソーシング先を選ぶときのポイント5選

経費精算のアウトソーシング先を選ぶ際は、複数社を比較検討することが重要です。選定時に確認すべき5つのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

常駐型・センター型どちらがよいか

経費精算のアウトソーシングには、担当者が自社に常駐する「常駐型(訪問型)」とクラウド経由でやり取りを行う「センター型」の2つのタイプがあります。

それぞれの特徴や違いについては、以下をご覧ください。

常駐型(訪問型)センター型
  • 自社の業務フローを変更しなくてよい
  • 営業時間内であれば緊急時もスムーズな対応が可能
  • 自社内で業務が完結するため情報漏洩のリスク低減が期待できる
  • センター型に比べてコストが割高な傾向にある
  • 専用システムの導入が前提
  • 緊急時に即時対応が難しいこともある
  • 比較的低コストで委託できる

予算に余裕がある場合は、サポート・セキュリティ体制が充実した常駐型のアウトソーシング会社を選定するのがおすすめです。

「経費精算業務の委託のみを希望している」「第三者が社内に常駐するのは抵抗がある」といった場合は、センター型の会社を検討するとよいでしょう。

委託したい業務に対応しているか

検討中のアウトソーシング会社が、自社の委託したい業務に対応しているかどうかも重要なポイントです。各社の対応可能な業務範囲を確認し、自社が抱える経費精算の課題解決につながるアウトソーシング先を慎重に選定してください。

なお、契約後に対応範囲を変更するのは難しく、早期に解約すると違約金が発生する可能性もあるため注意が必要です。トラブルを避けるためにも要望は事前に伝え、疑問点や不明点を解消した上で契約を交わしましょう。

自社の会計ソフトと連携可能か

すでに利用中の会計ソフトがある場合は、アウトソーシングした経費精算データと連携可能かどうかも確認しましょう。

連携が難しいと自社での入力作業が発生し、経理担当者に負担がかかるため注意が必要です。

連絡方法・サポート体制はどのようになっているか

経費精算は会社の経営や健全な企業体制に関わる重要な業務のため、綿密なやり取りが必要不可欠です。

業務上のコミュニケーション方法やサポート手段、対応の早さなどを確認し、柔軟な対応が可能な会社にアウトソーシングを依頼しましょう。

初期費用と月額料金はいくらか

アウトソーシングにかかるコストを確認し、自社の予算を考慮しつつ検討することも重要なポイントです。

「安い月額料金に惹かれて契約したら高額な初期費用を請求された」といった事態を招かないよう、月額料金とあわせて初期費用やオプション費用も忘れず確認してください。

コスト面の失敗を回避するためには、複数の業者から見積もりを取得して比較検討するのがおすすめです。

「バクラク経費精算」なら業務効率化が実現できる

経費精算のアウトソーシングには、経理担当者の負担軽減や業務のミス・不正の防止、採用・教育コストの削減など多くのメリットがあります。法改正に滞りなく対応できる点も、アウトソーシングの強みといえるでしょう。

しかし懸念点もいくつかあるため、メリットとデメリットの両方を理解した上でアウトソーシングの必要性を慎重に検討することが重要です。外部委託する場合は自社が抱える経費精算の課題を洗い出し、条件に合う会社へアウトソーシングを依頼しましょう。

経費精算業務の効率化を図る手段として、経費精算システムを導入する選択肢もあります。「バクラク経費精算」は申請・承認フローの一本化が可能で、さまざまな会計システムと連携できます。

「手当の自動計算」「AI-OCR自動読み取り」「二重申請自動検知」などの機能を活用すれば、業務のミス・不正防止にもつながるでしょう。電子帳簿保存法やインボイス制度といった、法令対応も万全です。

経理担当者の負担軽減と業務効率化を実現するために、自社で経費精算業務が可能な「バクラク経費精算」の導入を検討してはいかがでしょうか。

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