経理業務における出納とはどういう仕事?基礎から効率化の方法まで解説
- 記事公開日:
- 最終更新日:2024-11-26
出納業務は、財務状況の確認や健全な経営の維持に欠かせない業務です。しかし、出納業務は業務範囲が多岐にわたるため煩雑になりやすく、担当者の負担が重くなりがちです。
本記事では、出納とは何なのか、出納業務の主な内容などを解説します。あわせて、出納業務のポイントや効率化の方法まで解説するため、参考にしてください。
経理業務における出納とはどういう仕事?基礎から効率化の方法まで解説
出納とは
「出納」とは、経理業務の一部です。経理業務は主に「出納」・「記帳」・「集計」という3つの業務に分かれています。それぞれの業務内容は以下のとおりです。
- 出納業務:現金や預金の入出金・残高を管理する業務
- 記帳業務:入出金の履歴を帳簿に記帳する業務
- 集計業務:記帳した内容を集計して決算書類を作成する業務
出納業務の主な内容
出納業務とは、現金や預金を管理することを指します。ここでは、出納業務の具体的な内容について解説します。
現金管理
現金管理とは、その名のとおり現金を管理する業務です。現金出納帳を活用して、現金の残高を確認します。現金出納帳には、日付・勘定科目・摘要・収支額・差引残高という項目があり、これらの項目を記入して管理します。
また、小切手・郵便関連証書・株式・債券なども現金に含まれるため、忘れないようにしましょう。
預金管理
預金管理とは、預金出納帳を活用して銀行口座を管理する業務です。預金出納帳は現金出納帳と同様に、日付・勘定科目・摘要・収支額・差引残高という5つの項目があります。
預金と一口にいっても、普通預金・当座預金・定期預金・定期積立の4つに分けられており、各種類の預金を管理しなければいけません。
また、企業では用途や取引先によって複数口座を使い分けることも多いため、それぞれの口座管理が必要です。
小切手管理
小切手管理とは、預金管理業務の1種です。その名のとおり、小切手の受領から発行、処理までの管理を行います。小切手の紛失や盗難などのリスクを防ぐために、現金同様に厳重な管理と適切な処理が求められます。
支払いが必要な場合は、期日までに引き落とされるように手続きしましょう。引き落としがされないと不渡りとなって、取引が停止されてしまいます。不渡りを出さないように、期日をしっかり確認しておくことが重要です。
手形管理
手形管理も預金管理業務の1つです。手形の受領から発行、処理までの管理を行います。基本的な内容は小切手管理と同様で、現金と同じように厳重な管理や適切な処理が必要になる業務です。
出納業務が重要な理由
出納業務が重要とされる理由は以下のとおりです。
- 資金の流れを管理するために欠かせない業務のため不正や入出金ミスなどの防止につながるため
- 資金と効率的に運用するため
- 正確な財務情報を把握でき、経営判断に活用できるため
特に、現金については不正使用のリスクが高くなっています。そのため、出納業務を行って厳重に管理することが求められます。
出納業務の流れ
出納業務はどのような流れで行われるのでしょうか。ここでは、出納業務の詳しい流れについて解説します。
入金を処理する
まずは、入金の処理です。売上代金などの入金を適切に処理します。たとえば、現金や小切手の受け取り、銀行振込の確認などを行います。
現金や小切手などの動きを確認した後は、入金伝票を作成したり、帳簿に記帳を行ったりしなければいけません。
入金でトラブルがあると資金繰りに影響するため、適切な入金管理をすることが求められます。
支払を処理する
仕入代金や経費などの支払を処理することも、出納業務の重要な業務の1つです。たとえば、請求書を確認して帳簿に記帳する、支払伝票を作成する、小切手と手形を発行するなどの業務が必要になります。
また、銀行振込を実行することも大切な業務です。支払が遅れると信用問題に発展するため、支払期日を確認して確実に支払を行いましょう。
帳簿を管理する
入金や支払の処理が終わった後は、現金・預金の入出金を帳簿に記録・管理しましょう。現金の動きがあった場合には現金出納帳に、預金の動きがあった場合には預金出納帳に記帳しましょう。
また、すべての取引を勘定科目ごとに記録する帳簿である、総勘定元帳への転記も行います。
帳簿の内容に誤りがあると財務状況を正確に把握することが難しくなるため、間違いのないように記帳しましょう。間違いがあると税務調査で指摘を受ける可能性もあります。
残高を照合する
帳簿に記帳した後は、帳簿と実際の現金・預金を照合します。現金の棚卸しや銀行残高証明書の確認などを行って、帳簿と残高が合っているかどうかをチェックしましょう。
帳簿と残高に差異がある場合には、不一致の原因調査を行い、修正します。定期的に残高照合を行うことで、ミスや不正の早期発見につながります。
報告書を作成する
最後に、出納業務の結果を関係部署や経営層に報告するために、報告書を作成しましょう。たとえば、資金繰り表や予算実績対比表などを作成します。
その他にも、必要に応じた報告書を作成しましょう。報告書は意思決定に用いられる資料となるため、わかりやすさとタイムリーさを重視して作成することが重要です。
手間がかかりやすい出納業務の例
出納業務は手間のかかる業務ですが、そのなかでも負担が大きい業務がいくつかあります。
- 交通費などの経費精算:経費申請のたびに確認・清算が必要
- 帳簿残高と実情の整合性確認:不一致がある場合原因を探る必要がある
- 入金の消込:入金確認、未入金のものが期日内に振り込まれるか確認し、必要があれば取引先に連絡する必要がある
- ミスの修正:ミスが発生した場合修正対応が必要
出納業務を効率化する方法
出納業務は手間のかかる業務のため、効率化を目指したいという企業も多いでしょう。ここでは、出納業務を効率化する方法を解説します。
社内のキャッシュレス化を進める
まずは、社内のキャッシュレス化を進めましょう。キャッシュレス化を進めることで現金の取り扱いが減り、経費精算や小口現金の管理などの負担が軽減されます。たとえば、経費精算を振込で行う、法人カードを導入して現金の取り扱いを減らすなどです。
法人カードとは事業費決済に使えるクレジットカードのことです。
会計ソフトを導入する
会計ソフトを導入することも出納業務の効率化に役立ちます。会計ソフトを導入することで手作業を減らすことができ、人的ミスの防止につながるでしょう。
特に、出納業務は特定時期に集中しやすいという特徴があり、繁忙期には集中力の低下などでミスが発生しやすいです。会計ソフトを導入すれば入出金が自動で記録されるため、担当者の負担軽減につながるでしょう。
外部委託を検討する
外部委託も出納業務を効率化する方法の1つです。出納業務を含めた経理業務は外部委託も可能です。前述したように出納業務は特定時期に集中しやすいため、繁忙期のみ業務を外部委託するのもよいでしょう。
人材不足でも教育コストを抑えながら効率化でき、新しいノウハウを吸収することもできます。
出納業務の注意点
出納業務を行う際には、注意したいポイントがいくつかあります。ここでは、5つの注意点を解説します。
入力・計算ミスを防止する
現金や預金の入出金を記録する際には、正確に入力・計算しましょう。記録にミスがあると帳簿と実際の金額が一致しなくなり、どこにミスがあったのかを再度確認しなければなりません。
記録する際にはダブルチェックをする、電卓で確認する、会計ソフトを導入して自動で記録されるようにするなどの対策が効果的です。
セキュリティ対策を強化する
セキュリティ対策も欠かせません。出納業務は、顧客情報や銀行口座の情報といった機密性の高い情報を取り扱います。これらの情報が流出すると大きな被害が出る可能性があるため、セキュリティの強化が求められます。
たとえば、パスワード管理の徹底やアクセス権限の設定、ウイルスソフトの導入などが効果的です。また、従業員へのセキュリティ教育も行いましょう。
内部統制を強化する
内部統制とは、企業内の不正やミスを防止する仕組みのことです。内部統制を強化するには、責任の明確化や承認手続きの導入、監査の実施などを行うとよいでしょう。内部統制を強化することで、不正やミスを防ぎやすくなります。
また、現金の取り扱い・出納業務・帳簿管理の担当者を分けることもポイントです。
現金保管の安全性を強化する
現金は盗難や紛失のリスクが高いため、厳重に管理する必要があります。たとえば、現金を金庫やレジなどで保管するといった対策を取りましょう。そのうえで、現金の取り扱いを制限することが重要です。
保管場所のアクセス権限を制限する、取り扱いを特定担当者に限定し、誰にでも取り扱えないような状況にするとよいでしょう。
法令遵守の体制を構築する
出納業務では、さまざまな法令が関係するため、法令遵守の体制を構築することが重要です。たとえば、会社法や税法、資金決済法などが関係します。
法令遵守できていない場合には、法令違反が発生してしまい、罰金や営業停止などの処分が下される可能性があるでしょう。社内規定の整備や法令教育の実施、専門家の指導などを行います。
まとめ
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